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セルフィッシュ ふぃすと!  作者: しゅんぎく
2/5

出会い→激痛→飛翔

真秀学園、それが俺たちの通う学校だ

全寮性の国立学校で、中学、高校、大学が一貫となっている超化け物学園だ

ちなみに俺は今日からここの高等部2年になる

部活動、学力共に力を注ぐこの学園にはおよそ25000人の学生及び教職員が生活している

高校、大学からの編入することも可能だが、中学からのエレベーター組が大多数を占めている

学生の自主性を尊重するという理由で厳しい校則も全くと言っていいほど存在しない

理事長自ら

「法律に触れない限り何してもいいよー。あっ、でも勉強も忘れずにねー。」

と公言するような有様だ

他の学校の生徒には羨ましく見えるだろうが、実際良いことばかりではない

真面目に学園生活を送る者もいれば、その自由さを勘違いし、道を誤り、荒れた日々を送る者も少なくない

学生の本業はあくまで勉強であり、学生に与えられる自由というのは自分の成長への努力を自分の考えに基づき行うべきというものであって・・・


「どしたの?珍しく難しい顔しちゃってさ。」


今日から新学期ということもあって、なんとなく自分の学校について考えていた俺に声がかかる。

北村悠二きたむらゆうじ、中等部からの友達で、成績優秀、スポーツ万能、家事全般をこなし、超イケメンという非の打ち所がない完璧超人だ


「あぁ、ちょっとぼーっとしてた。」


先ほど彼は完璧超人と言ったが、実はちょっとした欠点がある


「んもぅ!せっかく久々の再会だってのに酷いんじゃなぁい?一のいけずぅ~。」


そう言いながら悠二は自分の頬を俺の頬になすりつける

まぁ、なんだ・・・その・・・うん


北村悠二はゲイである


これが完璧超人である彼に未だかつて恋人ができたことのない唯一にして最大の欠点だ


「暑苦しいからやめろって!」


いくら仲がいいからって流石に鬱陶しい


「なによぉ!姫子がいないうちに一分を補充しときたいのよ!」


悠二を引き剥がそうとするが悠二はびくともしない


「ばかやろう!こんなつまんねぇことにいちいち能力使うな!」


悠二の持つ能力は物体の固定

視界に入っているものであれば一定時間物体を完全に固定することができる

固定する時間は対象の数や大きさによって変わってしまうので正確には悠二本人にもわからないらしい

悠二は自分の頬と俺の頬を固定している


「はぁはぁ・・・一がこんなに近くに・・・。」


悠二の鼻息が激しくなる


「気持ち悪いって!早く能力止めろよ!」


「はぁ・・もう・・ちょっとだけ・・あっ・・・


悠二が俺に寄りかかるような体勢になっていたため二人で椅子から落ちる

なんとか立て直そうとするが間に合わない

そのまま隣の机の角に二人分の体重を載せたまま頭がぶつかる


「ふぉわあああああああああああああああああああああ。」


その瞬間俺の体中に力が流れ込んでくる

椅子から落ちたショックで悠二の能力が解ける

俺は片手で悠二の頭を持ち、そのまま窓の外に放り投げた


「ここ4階なんですけどおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


そのまま落ちれば間違いなく悠二は帰らぬ人となるであろう

俺だって犯罪者になんてなりたい訳じゃない

同じことを他の男友達にやられたとしても、窓から投げるなんてことはしなかっただろう

相手が悠二だったからこそ投げたのだ


「危ないじゃないのよ!」


グランドに頭から突き刺さる寸前の悠二が叫ぶ

地上から10cm程の位置で完全に固定されピクリとも動かない


「私じゃなかったら完っ全に死んでたわよ!?」


文句を言いながら悠二は下半身の固定化を解き、地面に足を付ける

徐々に上半身の固定化を解きグランドの上に立つ


「お前だから投げたんだよ。ばぁーか」


これが悠二の能力の最大の特徴

物体を固定させる前の物体の運動を完全に無効化することが出来る

世の中には物体の固定化なんて能力は腐るほどあるが、直前の運動の無効化まで出来る能力は聞いたことがない

固定というよりも物体の静止と言った方が正確なのかもしれない

それが彼、北村悠二の能力である。


「一ってば乙女の扱い方が全っ然なってない!」


「お前のその顔で言われても説得力ねぇよ」


「ばぁか!一のばぁか!」


いつものように悠二と利口とは言えないやりといをしていると後ろから凛とした声が響いた


「ほら帰るわよ!くだらないことしてないで」


悠二を投げ飛ばした窓から入る心地良い風

その風に白銀の長髪を揺らしながらまっすぐと俺を見つめる彼女は


まさしく天使だった

どうも

キャラクター紹介の回としようと思ったのですが、悠二が暴れたせいでほとんど紹介できず終いでした(笑)

悠二には最初からゲイの設定でいこうと思っていたのですが、書いてみると結構面白い

これから出番が増えるキャラクターになると思います!

そして、次回は本作のヒロインが登場します!しばらくはキャラクター紹介を兼ねたSSが続くと思いますが、ぜひ読んでいただけたらなと思います!


ここまで読んでいただきありがとうございます!こんごともしゅんぎくをよろしくお願いいたします!

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