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第 4 話  音無しの武術家

「マスターの相棒? 捕まえる?」


 二十代の声は、ウェイトレスの上戸由香里だ。


「いくら独身でも、もう少しマシなのを連れ込みなよ!」


 最初の声が由香里なので安心した。

 彼女なら子連れのヒグマでも余裕だろう。

 どうやら私の出番は無さそうだ。

 

「Dead or Alive?」



 黙っていても終ると思っていたが、ここで返事をするハメになった。


 たぶん、見知らぬ場所に混乱したのか……

 捨てられたと誤解したのか……

 ただ、興奮しているだけなのだ。


 少女との約束もある。

 バラバラに散らばったパーツを集めていては、夜の営業にも差し支える。


「生きたまま、捕まえてくれ」


 チッ、と言う舌打ちがクローズハイハットのように聞こえた。



 部屋に入ると、ちょうど格闘が始まるところだった。

 黒い生き物は、奥の一番高い棚の中にいた。

 ぼやけた輪郭に、双眸と思える二つの光。

 一つは青く、もう一つは金色に輝いていた。


 由香里は、平野を侵す海霧のように静かに近づいて行った。


 無音。


 彼女の流派は何なのか……

 拳法なのか体術なのかさえ、私は知らない。


 ただ、静かだった。



 突然、棚から黒い稲妻が宙を走った。



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