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第 2 話  甘くはない

 場違いを察したのか……

 うつむいたまま、人形のように動かない少女。


 彼女から少し離れた所で、私は膝を曲げ腰を落とした。

 小さな子供と話す時と、最前線を複数で偵察する時は、出来る限り姿勢を低くする。

 子供に威圧的に映らないように、狙撃手に最初の標的にならないように。

 どちらも、ファストフード店のマニュアルに書いてあったハズだ。



「いらっしゃいませ」


 彼女が練乳入りのホットミルクを注文するのを期待したが……

 そんなに甘くは無かった。

 

「どうしたのかな?」


 よく見ると、頬が微かに上気していて髪が乱れていた。

 黒革のショートブーツに、薄っすらと埃が乗っていた。

 付近から来たのでは無いようだ。


 一日中、カウンター内の指定席から窓の外を眺めていた。

 特徴のある少女を忘れるとも思えない。


 

 その時、彼女が大切そうに抱きかかえていたバスタオルが激しく動いた。

 

「あっ!」と言う、初めての声を聞いた。


 私も叫び声を出したかったが、彼女より可愛く言う自信は無かった。

 


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