協力
すぐにその隠れ家へ向かうと同時に、警察の知り合いへと電話をかける。
「……なるほどな、それで、そっちは何かあるのか」
「ヤクザの鉄砲玉借りてるんだが、銃刀法上の許可として欲しい」
「なんの武器持ってるんだよ」
「銃だよ」
「根拠はどこにある」
電話の向こうで、何かの準備をしていることははっきりと、音から分かる。
「銃刀法第4条第2号」
それを言ったら、なにかピンと来たようだ。
「……なるほどな。人命救助名目か」
「な、頼む」
「まあ、いいさ。ICPOからの手配書が出回っているってのは、こっちも把握している。ただ、そのラグディンだっけ、が国内に入っているというのは未把握だぞ」
「どうも、そのようすだな」
そう言いながらも、目的地へと一気に近づいている。
「協力するのかしないのか。そっちがどうでようとも、こっちは勝手に行かせてもらうからな」
「分かった分かった。人助けだ。機動隊でも出させるよ」
「ありがてえ、じゃあ、住所を教えておくな」
そう言って、俺は目的地の住所を教える。
「なら、そこに何時につきそうだ」
向こうが俺に聞いてくる。
「あと30分てとこか」
「よし、なら、25分後、合流しよう」
そして電話が切れた。