ラグディン
それから数日経ち、西藤から連絡が入った。
前と同じように、西藤の家へと入ると、部屋に入り人払いをしてから、小声で教えてくれた。
「前、頼まれたものやけどな。しっかりと調べたで」
「で、どうだった」
「クルマスの組織はインターポールによって国際指名手配されとるな。それも、超ド級の犯罪者扱いでな。ICPO国際連合特別手配書というのがあるんだが、これは国際連合安保理によって指名された組織の重要人物と言うことなんや。それほど、大仰な相手やけど、やれるか?」
「もちろん。それができなきゃ、探偵業なんてできないさ」
それを聞いた西藤が、やっと書類を見せてくれた。
「日本に入りこんどるのは、クルマスの右腕と称されるラグディンと呼ばれるやつやな。こいつも、折り紙つきの悪でな、クルマスが頭角を現す前から相棒として行動しとったらしい。国内におるのはこいつが率いる人身売買組織やな」
「それで、どこに潜伏しているか分かるか」
「もち。俺とお前の仲だからな。こいつは高くつくぜ」
笑いながら西藤から書類を受け取ると、俺もニヤッと笑った。
「そいつは考えておくさ」
それからすぐに、西藤の部下を何人か借りて、その隠れ家へと向かった。