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小学生
公園のブランコで腰を落ち着けて考えていると、誰かが公園の敷地内に入ってきた。
「おじちゃん、なにしてるの?」
小学生だ。
「君こそここで何をしているんだい」
俺は彼女に聞く。
「おかあさんが、もうすぐむかえにきてくれるって。それまでここであそんでなさいって」
「そうか。ああそうだ。一つ聞いてもいいかな」
俺は彼女に聞いてみた。
彼女は小首をかしげて、俺をじっと見ている。
近くの電燈からの光で、不気味なほど真っ白だ。
「ここ最近、この子たちを見なかったかな」
俺は、持ち歩いている定期入れから、今回の依頼主たちの子供の写真を見せる。
「どうかな」
俺はもう一度聞く。
「このおんなのこ、みおぼえがある」
「そうかい。何か言ってなかったかな」
「そういえば……」
彼女が反してくれたのを簡単にすると、スーツ姿でなにか名刺を渡しているのを見たことがあるという。
その名詞を後で見せてくれたそうで、右上になにかの記号が書かれていたという。
それを地面に書いてもらうと、見覚えがある代紋だった。