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魔王様と部下ナディアス

お久しぶりです。

不完全燃焼です。予定と違う話を投下します


最近気付いたことがある。


それは、ナディはモテるということ



◇◇


ナディアス=キーファは若くして宰相の役についている。いわゆる、エリート街道を突っ走っている男だ。

人心も厚く、穏やかな物腰の銀髪碧眼の美青年といった、内も外も完璧な男――さらに付け加えると、現在は女の影が全くなく、フリー。

てなわけで、婚礼期真っ最中のお姉様方からの最優良物件のうちの一つである。


つまり彼は、女性をより取り見取りできるってこと。



「…なびく銀糸の髪は柔らかに、澄んだ冬の空を思わせる青い瞳に映されれば、皆恋に落ちる。低めの声は艶やかに、聞くものの耳を奪う……その姿は傾国の美男子――――」


「彼を射止めんとする乙女は数知れず、大陸の端から端までの国の美女までもが彼の姿を一目見ようと月竜国へ押しかける」


「…………魔王様、私のことが嫌いなのですか?」


「いやー?

市井に出回っているナディの人物像を読み上げてるだけだよー…にしてもモテるわね~」



なぅ、ナディと対談中。



本日の予定は特に何もなかったため、前々から部下たちに聞き及んでいたナディの噂を本人に伝えることにした。特に意味はないわけではない!



「私は魔王様一筋です!」


「はいはい、お仕事ご苦労様。

っていうかさ、ナディがそういうことを言うから私が女の子達に睨まれとるのよ。」


ナディは、よく私に好意の言葉を言ってくれる。

いやはや、仕事熱心というか真面目というか…人間、部下に慕われると仕事を頑張りたくなるよね☆

そういうことを知ってるとは、ナディは侮れん…


「それはすみません。しかし私は嘘をつけない性分で」


「で、さー、なんで私にはナディの人verが見えないのよー!」


「魔王様ってたまに私の話を聞いてくださりませんよね。

そしてそれは魔王様の目のせいです」


「何で私には『真実の瞳』なんてオプションがついてるの?!いらないよ!

なきゃ、私のここでの生活はパラダイスだったのに……!美形に囲まれた生活なんて、異世界トリップの醍醐味なのに……!」


「『いせかいとりっぷ』とは判りませんが、その眼は魔王様にとってかなり有益なものですよ。

幾度となく助けられたでしょう?」


「そうだけどさー…」



私の眼は、『真実の瞳』とかいう異世界使用となっている。

これは、相手の種族とかを一目見ただけで判るようになっていて、尚且つ相手の特性とかも知ることができるレアな体質。基本的に先天性の場合が多いんだけど、時として後天的に出現することもあるそうな。

真実の瞳にはランクがあって、

・1…相手の種族を知る(気力を使う)

・2…1+相手の特性

・3…意識せずとも相手の種族を知れる

・4…3+トラップすべて目で見て回避



の、おおよそ四段階。

ちなみに私のランクは四…しかもそのなかでも上位で、意識せずとも視界はいつも人外様方です☆

でもトラップ回避はかなりありがたい。

トラップは、毒とか身体異常をもたらすものも含まれてるから、私の体に有毒なものを知れるし。(実は何度か助けられたことがある)


ぐぅのねも出ない私の反応に苦笑した雰囲気のスライム。スライムだから表情とかわからないから、体表の色で判断。ちなみに苦笑はうっすら黄色。

私にはナディがスライムにしか見えないが、本当ならナディは凄く美形。……さっき言った?それはごめん。鏡に映した姿ですら人型ではないから、もう人型を見るのはあきらめた。

真実の眼を持っていても、普通は鏡に映った姿までは本当の姿で映らないけど、私の眼は特別仕様で『いついかなる時でも相手の本当の姿が見える』らしい。これは前代未聞だから、私のランクはそのうち5指定されるかもってクマが言ってた。


人型を見れないなんて残念、と内心悔しがりながら頬杖を突きつつ、今度は私情に満ち溢れているverのナディの噂を本人の前で口にしてみる。


「『エリザベスちゃんもリスティーナちゃんも、あの男が奪ってったんだ!ここらの年頃の娘は殆どアヤツに骨抜きさ。……俺にも一人くらいよこせってんだ』」


「魔王様?」


「『ナディアス様?あー、確か今はバーバラさんと付き合ってるんじゃなかったっけ?顔が良いからかわからないけど、結構女をとっかえひっかえに手を出してるみたいよ。年頃の娘さんは皆気を付けたほうがいいわ。あ、間違えた。バーバラさんじゃなくてマリアーナちゃんだったわ。…………え、今はクルミアータさんと?!どんだけ女好きなのよ…いえ、女からよってくるんだっけ?』」


「魔王様―?!信じてませんよね?っそんな噂なんて信じてませんよね?!」


「市場調査の一部ですが何か」


「どや顔されても悪意しか感じられません!」


「市場には私情に満ちた噂とかあるよね~」


「洒落ですか。」



「まぁ、なんにせよナディ=女好きっていうのが定評らしいよ☆

この女たらしめ。……でも、相手に無理強いしたらダメだよ」


「違いますから。私には魔王様だけですから」


「認めたほうが楽だよ。女たらしだって。

……大丈夫。酒池肉林にしない限り私は目を瞑っておくから」


「本当に魔王様は私の話を聞いてくださりませんよね!」




その日はナディは話しかけても無視されました。

私は部下に寛大だと思うんだが、この世界では酒池肉林がデフォルトなのかしら?

そしたら禁欲させてるってことよね……でも酒池肉林て大金がかかりそうだし。



金のかからない酒池肉林。

そんなうまいことあるわけ……ああ、幻術で酒池肉林にご案内!とかいいんじゃないか。

我が国の観光を担う者たちに提案してみようか。





その後聞いてみたら幻術での酒池肉林は、他の国ですでにやってるそうです。残念。



ペットでなかった!

次はペットもしくはテディ=ベアがくるかもしれないとか呟いてみる

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