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地理の勉強は魔王様へ頭痛をぷれぜんとした模様です

今回は前半説明です。

後半からコメディー入ってます。

不完全燃焼。

ゴミの分別大事。絶対。…あれ?

 今日も今日とて、数冊の本を確保し私は机に向かっていました。何をしているのかというと、この世界についてのお勉強です。



 本来なら私は執務をしなければならないんだけど、この世界にきて日が浅いので宰相とかが筆頭となって『魔王代理』としてこなしてくれています。すごく申し訳ないから、はやくこの世界を理解できるように頑張ろうと思ったのが、この勉強タイム……自学自習です。

 魔王というものは『世界を理解する』ことを、強制的にやってはいけないみたい。『強制的』っていうのは、誰かが魔王に教師役となって付きっ切りで教えること。もちろん、『頼む』という形ならOKなんだけど、なるべく自主的に学ぶことが大切なんだって。


 人に言われてやる、ていうのは国民に失礼だし、人の上に立つ者の態度でもない。それに人に教わるってことは、教える側の思想をもとに治世するってことになる。もしその人の考えが偏見じみていたり、ある角度からしか物事を判断できなかったら、国が滅ぶきっかけになってしまう。

 その手のことが過去何回もあったから、それを防ぐために多少大変でも、色々な角度から自己で学ぶ―――というのがこの国の魔王になる者が辿る過程。


 それは確かに正論なんだけど、私はこの世界に来て日が浅いので特例として教師役がいるの。一応、これらの考えのもと知識や思想が偏らないように数人で、っていう形をとってます。

 ゼロから全てを教えてもらうのでなく、予習をしてから授業をするっていうスタイルをとっているので、一応自学自習と判断されているみたい。


 でもね、はっきり言って私が魔王になったのは不可抗力なの。なりたくてなったわけでもないのに、真面目に魔王として学んでいるっておかしいよね。


 ……と言いたいんだけど、それには理由がある。私の選択は、損得勘定でいったら損だけど許容できる範囲の損だから、今の地位にいるのが私の現状。

 確かに就任は脅されたりもしたけど、彼らの話を詳しく聞くとそれは仕方がないかなと思える。なにより私を含めた多くの生命の危機ってことも含めると、ならざるを得ないっていうか……。


 まぁ、そんなこんなで魔王就任を了承したのです。詳しい説明は、今度でも。

 





 そして私が自主勉強していると、訪問者が訪れました。



「ハーイ魔王様、ご機嫌いかが?」


「あれ、アリーちゃん?」


 初めてアリーちゃんに会ったときは思わず固まってしまった私だが、今となっては普通に対応できます。


 余談だが、その時にアリーちゃんの息をのむほどの美しさで固まったと思ったらしい。

 いやいやいや、食われると思って固まったんですけどね?!

 ちなみにとても『姐さん』と呼びたくなるお姉様キャラです。この方に逆らったら明日は拝めなくなると、信憑性の高い噂まであります。キャー素敵。こんなお姉様に痺れます。


 アリーちゃんも城で働いてるんだけど、ちょっと特殊です。

 女性でかなりの実力者だから国の部隊長の一人で、今は王直属の護衛の一人でもあります。私が女なので、一人でも同性がいると安心できる、って意味も含まれてるみたい。

 そんなわけでアリーちゃんと交流することが増え、甘いもの好き同士っていうこともあり、仲は良好です。



「あら、今日は地理について?」

「うん」


 

 今日の範囲は地理。

 この世界には大陸が6つあって、それぞれの大陸に大まかな種族でわかれて住んでます。

 世界地図には、魔族が住んでいる大陸(ナーダミシャス大陸―――魔大陸ともいう)が中心となって、魔大陸を囲むように四隅に人族の住んでいる大陸が配置されてます。

 人族と魔族はお互い不干渉のスタンスをとって、一切交流がないんだって。交流があるから、争いが生まれる……と判断した昔の人族と魔族の王様たちが条約を結んだみたい。



 それで魔大陸には国が五つあって、我が国は『月竜国』と呼ばれてます。

 ほかに『炎竜国』『水竜国』『土竜国』『樹竜国』があります。


 何故国名に『竜』がついているのかというと、「強そう」だからだそうな。そんな理由かよ、とツッコミを入れたのはよく覚えてます。

 確かにすべての国に竜族が住んでいるけど、他の種族と比べて数が少ない。もともと出産率が悪いというのもあるけど、誘拐(召喚)されて数が少なくなっているのも理由の一つみたい。

 ほうっておけばその内帰ってくるから、特に騒いでなかった竜族だけど、ついこの間「卵」まで浚われたんだって。流石にやりすぎというか、限度を知らないことに竜族の方々はかなりご立腹したようで、皆さんでものすごい防御魔法をかけてました。多分これで竜族の人口(竜口?)が減ることは無くなりそうです。まぁ、国として働き手が少なくなるのを防げたのでこちらとしても利点です。わー。ぱちぱち。



 炎竜国は良い武器の名産地。それに伴い、武術も発展してます。

 水竜国では魔術が発展してるの。だから魔法を伴う医術が発展してるかな。

 土竜国は鉱石や魔石がよく採掘されてます。だから、装飾品とか手工業が発展してます。

 樹竜国は国土の8割が森なの。だから森とうまく付き合える種族(エルフ・妖精とか)が多く住んでます。薬の医学が発展してます。

 最後に、我が国『月竜国』では、占星術が有名。貴重な蔵書とかある図書館とかあるから、学者が多く訪れる国です。あと、うちでも魔石が採れます。土国よりは産出量は少ないけど、質が高いから結構好評みたい。



ここまでが今日の勉強の範囲。



「ねぇアリーちゃん、何でうちの代表的な名物は占星術なの?普通、図書館じゃないの?」


普通、貴重な蔵書とかあって学者が沢山来るところなら、図書館を名物にするはずだ。しかし、この国では何故か占いを名物にしている。それも占星術だ。

確かに、この国の夜は晴れていることが多い。しかし毎日晴れているわけでもないので、星を使った占いが必ず出来るものでもない。占星術のみを推しているのが不思議だった私は、アリーちゃんに質問する。


「何でって…月竜の特性だからよ」


「は?」


尻尾をくるりと器用に回し、アリーちゃんは私の問いに答える。


「月竜は占いが得意なの。昔に月竜から占いのやり方を教えてもらったから、我が国ではそれを前面に推してるの。それで、占星術は月竜以外でも簡単に占えるから、これが一番有名な理由。」


「え、ちょっと待って。『月竜』?」


「ええ。我が国は『月竜国』と呼ばれてるのは、それが一番の理由。実は正式な国名は『月竜国』じゃないのよね~。昔のある時代の魔王様が月竜ファン?…いや、占星術に感激したんだっけ。そんな感じで国名を変えちゃったの。」



他の国もそんなノリで国名を変えちゃったのよね~あはは




なんだそのぶっちゃけ話。

え、皆さんそんなノリでいいの?



「あ、反対意見とかは全く出なかったそうなのよ。」



あ、そうですか。


……。



…………。



………………………さぁ、勉強会に行くかー。





無言になって支度を始めた私に、鎌首をもたげて不思議そうに尻尾をくねくねさせるアリーちゃんがいた。







説明ばっかりです。

テディがいなきゃいじりキャラがいなくてつまらん!




~魔王様の日記~


〇月△日



アリーちゃんが薄桃色になってました。

ショッキングピンクよりも似合っていたと思います。


ナディが、いろんな女性に熱い視線を送られていることに気付いた。

もちろん男性にもだった。

…あれは、妬みだと思う。もてるんだなー



ペットができた。

名前をポチにしようとしたらすごく嫌がられた。

良い名前はないかな?




◇◇◇


多分次は、ペット登場します!

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