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魔王様と恋する兎と……亀王子

ちょっと遅くなってすみませんー

テンプレってなんだろう。


こんばんは、テンプレと王道ってどう違うのかわからない魔王です。

かつて皆さんと同じ地球にいた頃の友人ならばそこらへんを熱く語ってくれるのですが、生憎いません。

というか、ずいぶんとご無沙汰してます。あのころは毎日会っていたのですが。

彼女の言葉が未知の言語過ぎて、右から左に流していたせいでしょうか、知識が断片過ぎて何が何だかわかりません。元の世界に帰れたら、是非とも彼女にメールをさせて頂きたいと思います。



まあ、そんなこんなで異世界で過ごしています。

ちなみに私の考える王道は、


・ハーレム

・美形わんさか

・乙女ゲー攻略キャラ


です。

え、腹黒鬼畜敬語キャラ?オプションで眼鏡?

バッチコイだ。でも現実にはいてほしくないよね。


親しげ口調腹黒キャラ?オプション眼鏡?

ええええ…考えたことない。個人的には『鬼畜』あるほうが好きかも。





◇王道?そんなの捻くれた奴には物足りない!◇





若鷹と親交を深めた後、なぜか私は兎に呼び出された。



「おい、お前……アレか?」


「アレって何ぞ」


「ラキアス様とのことに決まっておろうが!」


「…………誰?」


「騎 士 団 長!」



今日の収穫

 若鷹(騎士団長)の名前はラキアス



「で、団長がどうしたって?」


「い、いや…その……おお主は今さっきまであの方と親しく話しておったろう?

 あの方は王族で、普通ならお前のような下賎の者は近寄れないんじゃ!・・・だだだからな、もしそんな恋慕の情など抱いていたらふ不憫での、ゆえにお前はあの方をどう思っているか、き聞きたくての」


終始語尾を上げながらの発言である。


長い。

どもり過ぎ。

テンションが高い。


普段の兎ではない。

何が彼女をこうたらしめたのだろうか……



「……ああ、恋か」

「黙れぃ!」


冗談だったのに、当たっていたらしい。

というか、ここにきて初めての恋バナ!私のテンションも上がるよ!



真っ白な毛を赤く染め(断じて赤い色素で染めたわけではない)、尻尾の蛇を振り回し(いつの間にかリボンがついている)、もじもじと可愛子ぶる兎。ぶっちゃけキモイ。


……うん?もしかして私は、ライバルとして見られているのだろうか

いや、無理でしょ。鳥類愛好家でもない私が、若鷹さんを恋愛対象に見れるかというと、結構無理がある。


「私は団長さんを思慕してないからさ、いらぬ労力をしてないで他に裂けば?」


正論を言ったのに、兎がさらに興奮した。何故だ。


「そんな言い方ないであろう!

……まあいい。お主の言、しかと忘れるでない」


兎が苛ついた様子で地面を足で踏む。


「ごめん?

…あのさ、団長のどこが好きなの?差し障りがなければ教えてほしい」


「ぬ、主には関係なかろう!」



「ねぇ、」


第三者からの声掛けに、私と兎は勢いよく振り返る。



「話し中のところ申し訳ないんだけど、勇者様とお話ししたいんだ」



亀王子がいた。

途端に跪き首を垂れる兎。その姿により、ここでは王族が神殿よりも力を有していることが明らかとなる。

うーん、個人的に兵士たちの反応から王族にかなりの影響を与えてると思ってたんだけど、読みが外れていたみたい。もしくは、『国王一家』のみに付与される服従……かもね。

まあ、どちらにしろこの世界に骨を埋める気のない私には関係ないことだけど。



「それで王子様、私に何のご用でしょうか?」


「敬語はいらないよ。…クルト、席を外してくれる?」


「かしこまりました」


巫女姫に命令できるってことは、王太子の権力も大きいのか。

あと、クルトって言うんだ。コーンスープが食べたくなる。



「逢引の邪魔をしてごめんね。

…兄の非礼を詫びたくて」


「兄、ですか」


「叔父…ラキアス団長のことだよ。僕にとって、あの人は兄みたいなものだから。

…普段はあんな人じゃないんだけど、貴女には少し違った気持ちになるみたい。」


いりませんがなそんな気持ち。


亀王子は甲羅から首をのぞかせ、ゆっくりと下げる。


「でも、勇者殿には迷惑をかけてしまったみたいで申し訳ない」


そういうと、私の右手をすくい口元へ。


「え、」


と思った瞬間に、手のひらに感触が。



『いやあああああああああ!!!!』


叫んだ。

私ではなく、外野である。

女性の叫び声はよく響くのだとわかった。

とにかくやかましい。

たかが亀にキスされたくらいでどうしたというんだ。


…あ、王子か。


うわぁ面倒くさいと思いつつ右手を取り戻し、やんわりと切り出す。

とたんにむっとする王子。いやいや、私にするって時点でおかしいからね。

異文化というものを学ぼうぜ!


「申し訳ないのですが、私はこの国の習慣に慣れておりませんの。ですので、このような形をとられてしまいますと、私はいたたまれなく……ああ、そういえばクルトに用がありましたの。

 では王子様、私は失礼させていただきます。」


そうして私は戻っていった。

親しげな王子キャラは嫌いじゃないんだけど、個人的にはクール王子のほうが好きなんだよね。ツンデレってよりも、ただ感情が出にくいせいで勘違いされやすいからちょっとスレてしまう不憫王子がいい。


見た感じ、不憫集は全くしないのに近づく必要はないよね。そもそも亀にしか見えないし。



◇彼のお出ましです◇



俺はジェームズ!

しがない騎士の一人だ。

今日も俺は可愛い子ちゃんに熱烈アプローチ!

結果?今一人でいる時点で察してくれよ……



まあ、勇者様への忠誠を誓った団長に苦笑しながら了承する彼女は、巫女姫様に連行されていった。

いつの間にいたのかわからないが、俺の記憶が正しければ今の時間は『お祈り』をされているはず……。

まさかね。うん、巫女姫様に限ってそんなはずないよね。


とかそう暗示をかけていたら、王太子殿下の登場。

…って勇者様、アンタ殺されたいんですか?!

『あの』王子を前にして突っ立ってるなんて命知らず……!!!


そうしたらやけに機嫌のよくなった王子が流れるような仕種で勇者殿の右手をすくい、口元へ……。

忘れちゃならないのが、口づけながら相手の眼をじっと見つめる…上目づかいで。


こーいーに落ちちゃったー勇者さまーー


とか外野は考える。

勿論その口づけの瞬間にメイドだとかお嬢様だとか巫女姫様の絶叫がすごかったよ。俺、鼓膜敗れるかと思ったし。


その絶叫の中、勇者様を見ると……平然としてらっしゃる。

うっわ面倒くさいという空気を隠そうともせずに王子に別れを切り出す勇者様。


ヲイヲイ、国の二大美青年を目の前に、何も反応しないって……アンタ本当に大丈夫か?

うちの王子なんて、瞬きをするだけで相手は恋に落ちると言われてるんだぞ。

甘いマスクの顔立ちは、男でも惑わすんだぞ。

その美貌に全く反応しないのは団長だけだと思ってたのに、もう………勇者様武勇伝は限りを知らないんだな!



勇者様の遠ざかる後姿を、王子はじっと見つめる。

それがまるで肉食獣の狩りにおける目に見えたけど、気のせいだよな。

うん、きっと王子の眼鏡に反射した光の加減だよな。

…なんか小さな笑い声とか聞こえるけど、きっと幻聴だよな。


そんな時、王子の声が俺の耳に届いた。



『へぇ、ナかせたいね』


その澄ました顔、ぐっちゃぐちゃにしてやりたい。







聞こえない。俺には聞こえていないからな!






最後の部分がいまいちですみません。

あの、読者の方で気になる単語があったと思うんですが、実は間違えではないんです。自分でも「明かしたい―」とか思ってました…でも、ここで明かすのはなんとなく嫌でして…

それは後程判明しますので!



にしても、勇者編長い……


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