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いちにの華  作者: ゆず華
覚醒編

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第71話 作戦会議

期末テストも終わり、あとは12月24日の終業式を迎えるだけとなった高校生活は、クリスマスイブで頭の中はいっぱいだ。成績表の事は頭から抜け落ちている。


その日、一華とシンはクリスマスプレゼントの交換を約束している。

シンとしては何をプレゼントしたらいいのか分からないし、ショッピングに一人で行くという事は一華を一人にすることだ。

一方、一華もプレゼントを買いに行きたいが、シンと離れて一人でお店に行くことになる。


お昼休み、お弁当を食べ終えたシンは、女子三人が席を離れた時を見計らって、浩輔達に小声で話しかける。

一華の護衛として警戒をする時よりも真剣に見える。


「高校生のプレゼントって何が喜ばれるんだ?」


「ん? 一華にか?」


シンから「プレゼント」と言う言葉が出ることに驚く浩輔と直哉。


「あぁ、クリスマスにプレゼント交換することになったんだが……何がいいかわからないし、その間、一華を一人にすることになる。」


「俺も理那に買いに行きたい。」


「俺も行きたい。」


浩輔と直哉も賛同し、女子三人と別行動しつつも、一華の安全を両立させる提案してきた。


「なぁ、三人で一緒に買いに行かないか? 六人で待ち合わせて、男女で別行動すれば良くないか?」


「終われば待ち合せればいいしな。」



◇◆◇



一方、女子三人組では教室から少し離れたトイレの鏡の前に居た。


「今度の休日、ショッピングに付き合ってくれない?」


「シン君?」


「うん、クリスマスプレゼント交換することにしたんだけど、何買っていいか分からないから。」


「私も買いに行きたい。」


真由も賛同し提案してきた。


「ねぇ、六人で待ち合わせして、男女別行動にしない?」


「後で待ち合わせればいいしね。」


「いいの?」


「うん、そうしよ。」


「当日の24日はどうするの?」


「クリスマスケーキとチキン買って、プレゼント交換の予定だけど!?」


一華はシンにクリスマスを経験させる予定を言う。


「六人でパーティーしない?」


理那が誘ってきた。


「クリスマスケーキって二人だと食べきれないし、この日だけはショートケーキってのもねぇ。」


「家で買うんじゃないの?」


「家は家よ。でも、好きな人とも食べたいじゃない?」


「浩輔と直哉は、二人で居たいと思ってるんじゃないの?」


「どうだろう。誘われてないんだよねぇ。」


「まだ、誘われてないの?……なら、パーティーするかは聞いてからじゃないと、誘うつもりだったら可哀想じゃない!? 本当は二人で居たいでしょ!?」


その時、予鈴のチャイムが鳴った。女子三人は鏡の前でお喋りに夢中になり、お昼休みが終わろうとしていたことに気付かなかった。急いで教室に戻って行った。


「遅かったな。何してたんだ?」


シンは心配して聞くが、内容は話せない。


「うん、ちょっとお喋りに夢中になり過ぎた。」


授業が始まっても、パーティーの事をどうしようかと考えていた。


「***(一華、授業に集中しろ。)***」


「***(うん? あのね、シン、理那に六人でクリスマスパーティーしないかって誘われたんだけど……。)***」


「***(クリスマスパーティー?)***」


「***(理那たち、まだ、浩輔達にクリスマス誘われてないんだって!)***」


「***(俺は別に構わないが?)***」


「***(みんなでプレゼント交換するならいいんだけど……ねぇ。)***」


「***(あぁ、プレゼント交換のタイミングは二人だけの方が良いって事か!?)***」


シンは即座に一華の気になる点を理解してくれた。


「***(うん、みんなも同じだと思うんだけど……。)***」


「***(三人になった時に聞いてみるか!?)***」


「***(お願い!)***」


「***(わかったから、一華はもう授業に集中しろよ!)***」


「***(うん、わかった。)***」


一華がようやく授業に意識を向けたことを確認したシン。

授業が終わると早速、浩輔と直哉をトイレに連れ出した。


「お前たち、24日の予定は?」


「まだ決めてない。」


「プレゼント買いに行くよな!? いつ渡すんだ?」


「24日、終業式の帰り?」


「直哉もか?」


「俺は……その後、誘いたい。」


「直哉はさっさと誘え。浩輔は予定があるのか?」


「特に何もない。」


「クリスマスなのに理那と会わないのか?」


「25日に一日誘おうかと思ってはいる……。」


「カップルのメインは24日だろ。その日を外すのか? 2日間一緒に居てもいいだろ。誘ってプレゼント渡せ。」


「そうだな。帰りにでも誘ってみるか!?」


「そうしろ。」


シンの「圧」に押され、浩輔たちもついに決意して誘うことにした。男子三人組も気づくと休み時間が終わりそうだ。急いで教室に戻ってきた。


「***(浩輔と直哉は誘うらしいから、パーティーは無しだ。)***」


「***(うん)***」


プレゼント交換が二人だけでできることに安堵のため息をつく一華。

あとは、休日の待ち合わせをどう伝えるか悩んだ。


「***(また、集中してないな。)***」


またしても、シンに指摘される。


「***(今度の休みに、理那と真由と出掛けたいんだけど……。)***」


「***(俺も浩輔と直哉と出掛ける……。)***」


「***(じゃぁ、同じ時間に待ち合わせしようよ!)***」


「***(あぁ、わかったから授業に集中しろ!)***」


一華は授業に集中することにした。



◇◆◇



金曜日のお昼休み。お弁当を広げている六人。


「一華、ごめん。パーティーの件キャンセルで。」


「私もごめん。キャンセルで。」


理那と真由がパーティーをキャンセルしてきた。


「うん。大丈夫。良かったね!」


一華は二人がイブデートに誘われたんだと思って安堵した。


「俺からもごめん。誘うのが遅くなった。一華、悪かったな。」


「ほんと、ごめん。」


浩輔と直哉も謝ってきた。一華に謝っている状況を周囲のクラスメイトからは不思議な光景に見られている。

一華は何も悪いことをされたことも無いのに謝られていることに少し戸惑う。


「大丈夫。大丈夫。謝るほどのことじゃないよ。ところで、明日なんだけど……。」


「あぁ、明日出掛けるんだろ。待ち合わせ場所どこにする?」


話が早い。もう既にそれぞれで話が通っている。


「カフェでお昼してから、二手に別れようよ!」


「待ち合わせはパスタの美味しいこのお店だ!」


浩輔はスマホでお店の情報をグループメッセージで送る。


「「「「「ラジャー!」」」」」

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