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いちにの華  作者: ゆず華
覚醒編

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第54話 文化祭準備【前半】

お昼休みになった。一華、シン、浩輔、理那、直哉、真由の六人は、机を寄せ合いお弁当を広げた。昨日、浩輔から相談のあった文化祭の概算費用について、お弁当を食べながら話を聞いた。


「まずは、必要なもののリストアップだな。」


「あぁ、それは大まかに昨日、四人で作成してきた。」


浩輔がシンの隣でタブレットを見せて来た。リストは出来ているが、数量部分に空白がある。


綿菓子製造機       台

  綿菓子用飴      袋

  ザラメ       1袋

輪投げセット      1式

  輪投げ用景品     個

お菓子釣り

  お菓子入れ(桶)  1個

  お菓子釣り用釣り竿  本

  お菓子        個

  輪ゴム       1箱

  クリップ       個

  タコ糸       1巻


「綿菓子製造機はどんなものなんだ?」


「祭りで使用されているプロ用じゃなくて、家庭用を数台置いて、お客さんに自分で作ってもらうってのは?」


浩輔がタブレットで購入サイトの家庭用綿菓子製造機をシンと一華に見せる。


「生徒が1台につき1人ついてあげてね。」

「あぁ、それなら祭りと違って楽しいね。」


一華もタブレットに映し出された家庭用綿菓子製造機を見て賛同する。


「少ないと待ち時間が増えるから……3、4台?」


「教室の配置にもよるな。」


「輪投げは距離が必要だから教室の後ろ側に1か所だけにして、お菓子釣りは教室中央に置いて、ぐるっと囲うようにすれば1つで済むな、綿菓子は窓側から教室前側にかけて配置するとして……」


浩輔はメモアプリに配置図を描いていく。


シンは浩輔の描いた配置図を見ながら、

「スペースは大きく取るとして、3台までだな。」


浩輔がリストに3台と記入し、配置図にも描いていく。


「次は、お菓子釣りの方法って?」


「マグネットタイプとクリップタイプがあってなー」


浩輔が具体的なお菓子釣りの方法をタブレットで検索する。


「高校生だから難しい方が良いよな……マグネットは無しだな。」


「じゃぁ、クリップタイプとして。」


浩輔がメモに記入する。


「お菓子につける輪っかはどうする?」


「ゴムか? クリップの隙間を少しだけお菓子袋から出すとか? どっちが難しいんだ?」


「ゴムだと輪っかが固定じゃないから、引っかかりにくいかも。輪っかの大きさも関係するかもね。」


「試しに1回やってみないか?」


直哉が提案する。


「「「それいいー、やろうやろう。」」」


一華、理那、真由が声を上げて賛同する。


「釣り竿はどうやって作るんだ?」


浩輔が具体的な釣り竿の作り方をタブレットで見せる。


「チラシを用意か。」


「新聞取ってるのは?」


一華とシン以外は手を挙げた。


「タコ糸、セロハンテープ、クリップ、輪ゴムは先に購入させてもらうか……お菓子は自分たちのおやつだから、自腹な。」


「帰りのホームルームで担任に許可得てからよね。」


「そうだな。」


「最後に、輪投げだな。」


「輪投げセットは購入か? 今まで使ったものが学校に保管していないのか?」


「わからないね。」


「それも、今日のホームルームで担任に確認だな。」


「これで、疑問は解消したか?」


「今のところは無くなったな。後は担任に確認してからだな。」


お昼休みのほとんどの時間を、昼食と相談で使ってしまった。



◇◆◇



帰りのホームルーム。担任からの伝達事項が終わった後、浩輔が挙手をした。


「文化祭のお菓子釣りの方法を試したいので、必要な物を購入しても良いですか?」


「具体的には何かしら?」


「タコ糸、セロハンテープ、クリップ、輪ゴムです。」


「わかったわ。領収書をもらっておいてね。名前は〇〇高校1年A組としてもらってね。」


「それと、輪投げセットですが、高校に今まで使ってたものとか無いですか?」


「さぁ、どうかしら。それについては確認しておきます。他には?」


「ありません。」


「じゃぁ、これでホームルームを終わります。」


担任は教室を出て行った。

浩輔が六人で帰りにお店に寄ろうと誘ってきた。


一華とシンは顔を見合わせて「今日は大丈夫よね。」「あぁ、一緒について行こう。」と浩輔の誘いに乗った。


「どこに行くんだ?」


「100円ショップかコンビニ?」


「100円ショップだと全部ありそうじゃない?」


ちょっと遠回りになるが、駅の近くにある100円ショップに向けて教室を出て行った。



◇◆◇



駅近くの100円ショップに入った。傾きかけた西日に照らされ、全員汗だくだ。クーラーの効いた店内に安堵のため、息を漏らす。まだまだ、クーラーが無いと過ごせない暑さは高校生の体にも身に応える。



「事務用品コーナーあたりならあるかな……」皆で棚を探す。


セロハンテープ、クリップ、輪ゴムはあった。タコ糸がない。


「手芸コーナーあたりかな……」皆で棚を探す。


タコ糸があった。


「後はお菓子選びか。いろんなタイプを選んだ方が良いな。」


「連なった袋タイプとか、棒タイプとか、個包装の袋入りとか、お得な感じの1袋タイプとか。参加費用を1回いくらに設定するかだよな。」


たくさんの種類のお菓子をカゴいっぱいに入れた。

後は会計だが、理那が「おもちゃコーナーにいいものないかな。」と移動した。他の五人もついて行く。


「魚つりゲーム、100円だって。」


理那がおもちゃの釣り竿セットを見せて来た。


「釣り竿を手作りするより、これ使えないかな?」


「先をクリップに交換すれば、お菓子でもいけそうだな。」


浩輔の目が輝いた。理那の提案に乗りたそうだ。


「先生には言ってないよな。」


シンが確認する。


「うん。」


「買ってから了承してもらうか、明日もう1回確認してから買うか?」


シンが思案し浩輔に確認する。


「俺が明日、了承得るから買って帰ろう。」


浩輔が決断して、1個カゴに入れた。

一旦、浩輔が立替払いし、お菓子と魚釣りゲームとそれ以外に分けて領収書を発行してもらった。


「明日、学校持っていくから、休み時間にでも試そうぜ。」


「お菓子が結構な量だな。学校に置き場所無いだろ。どうするんだ?」


「そうだよな……。買い過ぎたか……」


「明日、俺ん来ない?」


浩輔が誘うが、直哉が答える。


「お前ん、学校から一番遠い……」


「***(シン、シン聞こえる?)***」


「***(あぁ、聞こえてるぞ。)***」


「***(うち、ダメかなぁ? 多少日が落ちても大丈夫だし。)***」


「***(浩輔んよりかは近いな。)***」


「俺ん来るか?」


シンがみんなを誘う。


「お前んなら、近いな。いいのか?」


「あぁ、多少遅くなっても大丈夫だし。ただし、猫アレルギーはいないよな。」


「「「「うん(おぉ)、大丈夫!」」」」


「なら、決定な。じゃぁ、荷物は俺が預かってもいいか?」


「あぁ、悪いなシン。頼むわ! チラシは俺たちが持っていくよ。」


「あぁ、わかった。」


シンは浩輔から買い物袋を受け取った。

今日はそれぞれに帰宅して、明日の放課後、みんなで一華とシンの自宅で試すことにした。

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