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全身戦隊ゼンタイジャー  作者: まとら 魔術


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ACT.5

 序章:体育祭前日の放課後


「……なんか、競技内容がおかしくない?」


 グラウンドの掲示板を眺めて、スイが眉をひそめた。

 新設された種目――“脚線美ハードル”、“密着スパッツ騎馬戦”、そして極めつけは**“布地バトンリレー”。**


「しかも、ゼンタイ履いてる子が中心に選出されてる……!」


 マリアが脚を組み替え、ラメ入りの黄色タイツをつま先でぴんと張る。


「露骨ね。狙ってるわ、あたしたちのタイツ……」


 当日朝:ゼンタイ姿で出場


「今日こそ、ゼンタイの脚線で優勝いただくわよっ」


 全員、競技用のジャージの代わりに変身前のカラ―タイツ&体操服上着で出場。


 ふとももをくっきり浮かび上がらせるレッドの太腿。

 青いタイツ越しにふくらはぎの筋を浮き立たせるブルー。

 緑の腿裏にはシワひとつない光沢。

 ラメが太陽光を反射して煌くイエロー。

 そして、漆黒のシルエットで脚線を塗りつぶすブラック。


 彼女たちの脚は、競技のたびに視線を独占していた。


 競技①:「脚線美ハードル」


 ルールは単純――

 ハードルのバーが低く設定されており、必然的に太腿を大きく上げないと跳び越えられない。

 しかも、跳躍中に撮影スタッフがローアングルでカメラを構えている。


「これ……脚を見せるための競技じゃん……!」


 ナツミが顔を真っ赤にしながらも、ハードルに向かう。


「でも跳ぶっ!逃げたら、脚が泣くもん!」


 跳躍――

 緑タイツがぐいと引き伸ばされ、脚の付け根すれすれまで露出。

 でも、タイツは破れない。誰よりも美しく、力強く、脚の形を浮かび上がらせるだけ。


「見せつけてやったぁああっ!」


 競技②:「布地バトンリレー」


 布製のバトンは、ゼンタイのスーツ素材そっくり。

 各ランナーの太腿にリボンのように巻きつけて保持し、太ももから引きちぎるように受け渡すルール。


「太腿でバトン渡し!?見せろって言ってるようなもんでしょ!」


 それでも5人は臆さなかった。

 布がタイツに巻き付き、ピタピタに密着したまま――でも、ちぎれない。破れない。


「私たちの脚は、見せるために履いてるの!裂けるような真似はさせない!」


 マリアが華麗にターンし、バトンをふとももから剥がしながら渡す。

 ゼンタイ越しの誇りを、次へ繋ぐように。


 暗躍する者──「タイツフェチ同盟」


「……なるほど、やはりあの5人のタイツは別格だ」


 体育館の影で、スーツ姿の男たちが双眼鏡を構えていた。

 所属は非公式組織“タイツフェチ同盟”。目的は、ゼンタイジャーの羞恥を破壊し、その脚を自らの嗜虐と支配に染め上げること。


「最終競技で必ずや“裂いてやる”。あの脚に、敗北のシワを刻む」


 最終競技:「布地耐久綱引き」


 5人のタイツを“綱”の代わりにするという狂気の種目。

 太ももから特殊布を巻き付け、敵チームが引っ張り合う。どちらの布が先に千切れるか、勝敗を決めるのはタイツの耐久性。


「やめろッ!!それは脚を引き裂くゲームだ!!」


 ユヅキが怒鳴るが、競技は始まる。

 ゼンタイレッドの太腿に絡んだ布が引かれ、脚の内側が食い込むように浮き出す。


 でも――


「……破れない。羞恥を受け入れた脚は、ちぎれないんだ!!」


 全員が力を込める。5色の脚が踏ん張る。

 光沢と汗が滲むその脚は、羞恥を貫く“誇りの柱”だった。


 勝利の瞬間、布は敵陣で千切れた。

 ゼンタイは、裂けなかった。


 夕暮れの屋上──脚は正義を包むもの


「今日……ぜったい誰にも裂かせなかったね」


 夕暮れの光に照らされた5人の脚。汗で濡れたタイツが肌に貼りついている。


「タイツって……ほんとに、誓いなんだね」


「でも油断すんな。狙ってる奴ら、絶対また来るから」


「うん。だからこそ、履き続ける。羞恥ごと、脚に刻むんだ」

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