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あとがき|旅の終わりに
皆、愚かであることを恐れ、隠し、時には他人に押しつけていた。
でも、愚かであることは、悪いことではなかったと思う。
きっと旅は終わらない。
けれど──
静かな町々へと続く道は、いまはもう見つけられない。
彼らの声は、記憶が薄れてしまったいまも耳の奥に残っている。
見たもの、聞いたもの、そして見過ごしたもの。
そのすべてが、どこかでまだ続いている気がしてならない。
この澱はいつまで残り続けるのだろう。
町を歩きながら、
私は、他人のふりをしていたのかもしれない。
もう、戻ることのない風景。
だが、ふと、似た足音に出会うことがある。
私は、あの町の誰かに似ていた。
あるいは時に、誰よりも彼らに近かった。
──さて、この旅に名をつけるとしたら、
それはあなたに委ねたい。
そして、どうか忘れてほしい。
私はこの手記を置いていく。
実のところ、燃やすべきかと迷ったが。
けれど、これもまた愚かな選択のひとつだ。
…残すことを、許してほしい。
愚かだった私の、取るに足らない最後の弁明として。
旅人より
ここまでお読みくださり、本当にありがとうございました。
拙くて読みづらい部分も多くあったかと思います。
それでも最後までお付き合いいただけたこと、本当に嬉しく思います。
またいつか、皆さまの目に留まることができましたら幸いです。




