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第4話 魔石がない!?(国王視点)

□一方その頃王宮では……(国王)


「陛下、大変です。王都での魔石供給が2週間前から途絶えていることがわかりました!」

血相を変えた大臣が執務室に飛び込んできた。

せっかく余が息子の婚約者と午後の紅茶を楽しんでおるというのに無粋な奴め。


しかしその発言は看過できぬものだった。

「なんじゃと!?どういうことじゃ!?エルダーウィズ公爵家は何をしている?」

そう、魔鉱山を持ち、魔石の流通を担っている公爵家が流通を止めていると。

これは王国への反逆なのではないか?

婚約破棄の仕返しか?


ちゃんと抱え込んでいないのか問いただすためにギード王子を呼んだ。


「ここにいたのかオルフェ……探していたのに」

「ギードよ。王都での魔石供給が止まっているとのことだ。公爵家との関係はどうなっている!?」

「なんですと?そんなはずは……」

余は王子に調べうよう指示して追い出す。オルフェとともにお茶でもしながら報告を待とう。



「すみません、ロイドを連れてきました」

「失礼いたします、国王陛下。エルダーウィズ公爵家のロイドでございます。魔石供給が止まった件、申し訳ございません。ただ、執務を担っている兄を問い詰めたところ、既に王家に約束している今年の分の供給は済んでいると言い張っております。残りは学院に寄付したとのことで、次の供給は来年だと……」

王子が連れてきたエルダーウィズ公爵家の令息が説明するが、その声は若干震えている。


「なんじゃと? 大臣?」

「はい……そのものの言う通り、確かに王家と公爵家の間の契約書にある量は供給済みですな。しかしこの契約は100年も前のもの。今では毎年1の月にはその供給量を超えていました。それで終えるのは信義則に反するのではないか?」

「帰ってそう伝えます。ただ、実際に実家の倉庫は空になっておりまして……」

「なにをしているのですか? ロイド様、あなたが戻ってご実家を掌握すべきでは?」

そこに口をはさむオルフェ。


「そうじゃった。そなたの家はハーティス家だ。加工用の魔石があるのではないか?」

「もうしわけございませんが、実は当家でも魔石が入手できず、卒業式のギード王子たちの衣装用の加工魔石の準備も遅れておりまして……」

「なんだって? 必ず用意してくれると言っていたではないか?」

その言葉にギード王子が怒りだす。

だが、そんなことを気にしている余裕はない。


「黙れギード。卒業式などどうでもよい。守護結界に魔石を与えなければ」

「何を仰いますか、父上。卒業式には国内の数々の貴族が集まるのです。みすぼらしい恰好などできません」

この期に及んで見栄だと?

お前はこの事態のまずさがわかっておらぬのか?


「そんなことはどうでもよい。守護結界への魔石が必要だ。準備しているものを出すように言え、オルフェ」

まったくクズばっかりじゃ。

これではまだ余の引退は遠いな……。



しかし魔石はなかった。

「王妃が先に魔石を出すよう要求してきて渡してしまったじゃと!?どういうことじゃ!」

「どうもこうもありません。来週の夜会の衣装を準備しなければ」

「母上、ずるいではないですか。私が使うはずのものを!」



ずっご~~~~~~ん!!!!!!!!!!



凄まじい音が響き、王城が揺れる。


「なっ、なんだ?」

「逃げろ!」

まずい……。まさか遥か昔の封印が解けたのか?

魔石の投入が2週間空くくらい、今まであっただろうが!



「すっ、すみません、陛下。封印が!」

やっぱりか!しかしなぜ今!?



『長きにわたり我を封印してきた者どもよ!!!すべて滅ぼしてくれるわ!!!!!!!』


おぞましい声が響き渡り、直後に激しい揺れが起こり、王城は崩落した。

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