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第3話 俺の思惑

□エルダーウィズ公爵邸 (クラム)


なんていう話をしてるんだろうな。

魔石加工技術……確かに素晴らしいものだ。

しかしそれもこれも全て魔石があってこそ。


「お兄様。本当に私は好きにしていてよろしいのでしょうか?お父様に弁明は……」

「いらないから。大丈夫だよ、可愛いエフィ」

「あっ……お兄様ったら」

まだ婚約破棄を引きずっているエフィを優しく抱き寄せ、額にキスをする。

恥ずかしそうに頬を染めるのが可愛い。


「心配することはないよ。今日は学院に行くのかい?」

「えぇ……あんなことがあったので少し行きづらいのですが、ヴェルト教授から呼ばれていて……」

ヴェルト教授とは仲良くしてくれていて安心してるよ。

僕は君を守る。


幼い頃連れてこられた君。

両親は僕が覚えているなんて考えてもいないだろう。

でも俺の中には鮮明な記憶が残っている。


天使のような赤ちゃん。

そんな子が1人になってしまったなんて。

幼いながらになぜか理解した周囲の会話。俺は絶対にこの娘の笑顔を守ると決めたんだ。

笑いたければ笑ってくれ。

 


「なら行ってくると良い。そうだ。これからますます魔法研究に本腰を入れるなら魔石は自由に使ってくれ。なんなら屋敷にあるものは全部いいよ。ヴェルト教授の研究室に送っておこう」

「えっ、よろしいのですか?……ありがとうございます」

そう言うとエフィは馬車で学院に向かって行った。

何も心配することはないからね。



「クラム様。ご指示の通り、王都に保管してある全ての魔石をヴェルト教授の研究室に送っておきました」

「うん。ありがとう」

家のものは全て教育済みだ。

不要なこと……王都の魔石価格なんて心配する必要はない。せいぜい喘いでくれ。



それから2週間……


俺は毎日エフィを愛でている。

朝、学院に向かう前のエフィを褒め、夕方帰宅したエフィを褒め、夜寝る前にもな……。

父が不在なのでちゃんと仕事は終わらせてるから心配はいらない。

もうそろそろ帰ってくるとは思うけど。


それに空気を読まずに出てきやがった悪霊は消し飛ばした。

俺たち兄妹の敵ではなかった。

どうやら"人物史"を使った頃の想定より俺もエフィも相当魔力が上がり、魔法の技術もあがっているらしい。

ヴェルト教授様様だな。



俺とエフィの幸せは誰にも邪魔させないぜ!

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