5、 美女は昼休みに慰めます。
「ああー・・・・やらかしたぁ・・・・」
「どんまい、晴馬」
「うん、ありがとう・・・」
時は昼食。
埃のかぶった空き教室を二人で掃除し、食事ができるようにしたのは、1か月前の事。
お互いがお互いに弁当を作り、談笑する。
机を隣り合わせ、お互いの体を出来るだけ寄せて。
さすがの俺もこのバカップルぶりはどうかと思いこうなったのだ――本音は他の人に詩穂を見せたくないだけだ――。
サッカーで少々楽しくなって本気を出してしまうと、後からやってしまったという後悔の波に押し寄せられ、現在自己嫌悪中だ。
「はるまー」
「ん?なに詩穂?」
「かっこよかったよ、さっきの」
「・・・そりゃ頑張った甲斐がある」
「はーい、どういたしまして。」
「なぁ、詩穂」
「ん?なに?」
「デート行こうぜ」
「・・・・ふぇぇぇぇえええ・・・」
何この可愛い生物。唐突にうれしすぎて悶絶みたいな反応されたら勘違いするだろ!・・・っあ、してもいいんじゃね?
ん゛ん゛~、平常心平常心~。
流れる様に誘ってしまったが、今まで俺らはいわゆる映画を見に行ったり、というデートをしたことがない。
誘おう誘おうと思いつつもやめてしまうのは、意気地なし由縁か。
今さらっと誘ったことに俺は今までは何だったんだ・・・と思わずにはいられなかった。
ま、それは置いておいて。
Q,彼女としたいこと。
A,映画館で手を繋ぎたい、恋人繋ぎで登校したいetc・・・・
皆さんは思うだろう。
何しているんだ、早く手を繋げと。
俺もそう思う。
だが俺は怖いのだ、万一に拒絶されるのが。
本能が拒絶しているのだ、拒絶されるという事に。
拒絶がゲシュタルト崩壊してるのは置いといて、まあ、そういう事だ。
そんな悩みは、告白の時もそうやって時間がかかった。
意気地なしなのは元より、ネガティブ(他称)で、どうしても足が竦む。
え?主人公補正?
知らない、そんなものは無い。
だったらネガティブなんて性格にならんのだ、少年よ。
本当に適応されてたらこんなバットステータスないっスよ。
かわいい彼女?
・・・知らないですね(無責任)。