空っぽの少年~虚無~
気がつくと少年は病院のベッドの上で寝ていた。
目を覚ましたばかりで辺りが眩しい。なぜこんな所にいるのか考えているうちに、自分の家に帰った時のことを思い出した。
「そうだ、お姉ちゃんは?お父さん、お母さんは?」
ベッドから起きようとしたが、起き上がれなかった。よく見ると両手足には枷が付けられていた。
パニックを起こしたところに看護師と思われる人がやって来て何かを注射していった。しばらくすると少年は再び眠りに落ちた…
次に目を覚ました時にも手足に枷はあったが、気持ちは寝ている間に落ち着けることができた。
そして対面した医師から、何が起きていたかを説明された。
言うことを聞けなかった姉に、暴力をふるい続けた父親は、誤って姉を殺害してしまった。自身もどうすればいいのか分からなくなったのだろう、その場から動けなかった。そこに少年が帰ってきてしまった。
近隣住民の通報を受けて、少年の家に乗り込んだ警察官たちが見たものは、血の海と化した部屋と人間だったと思われる2つの肉塊、そして高校生とみられる女性の遺体のそばで立ち尽くす少年。
その少年の体は返り血で真っ赤だった。警察官たちが見た少年の目には言葉では言い表せないような、底知れぬ恐怖を感じるものがあった……
空っぽの少年~苦しみ~ に続く