ここで、思い出話とするか。
中学一年の頃の色々な、思い出たちを見ていた。
渡すはずが、怖気ずいて渡せなかった手紙。そういえば、中学一年の頃この人好きだったんだなぁって、今では憧れの人への行き場のない手紙があった。
この人とは、たくさんの思い出があったっけなぁ。
最初の方は、同じクラスなのに全く、挨拶さえかわしていないようなそんな関係だったのに、ある日突然、ふと話すようになった。
「おい!このバンドすげぇいいからさ、ぜってぇ聴いてみろ!メモ帳に書いてやるから!」
「えぇ。めんどくさいなぁ、、なんで趣味共有するの?」
「あのなぁ、お前はなんもわかってない。趣味は共有するもんなんだよ。じゃなきゃ有名にならんでしょ?ってか、聴かないなら俺が歌ってやるよっ!聴け!」
「っだぁぁぁぁ!わかった!聴いてみます!聴いてみますね!はい!」
こんなやりとりあったっけ。
その日、「絶対聴いてみろぉ!」って言われたバンドを聴いてみた。いつもは、強情で、ドSっぷり満載のあの人が、こんな純粋な恋愛ソングを歌っているバンドを好きだなんて、驚きだった。でも、納得行く部分もあった。そのバンドの歌は、とても難しい言葉などが沢山あり、作詞作曲者の豊かな想像力、それの歌詞の表し方、全てにおいて、感心でき、考えさせられる歌たちばかりだった。またそれが、魅力的であった。
あまりのギャップに、少し萌えてしまった、と言うのもあるけれど、どんどんそのバンドの歌を聴いて行く度に魅了されて行ってしまった。
「ねぇ!聴いてみた!めっちゃいいわ、、ってかお前、恋愛ソング聴くんだね〜以外」
「いや、別にいいでしょ。恋愛ソングだけじゃないわっ聴いてるのはっ!まぁ、やっぱり?俺はバンドって言うか、全てにおいてのセンスあるわ。」
「まぁ、バンドはいいと思うけど、自意識過剰じゃん君ー、それがなんで頭いいのか全くわからん。」
「だから言ってんじゃん!俺は、センスがあるって!勉強においてもだよ、いや、全てにおいてもだな。お前も俺を見習いな〜」
「うっわぁ、自意識モンスターだ。」
「あ、はい。で?」
「え?で?って?何?」
「あー、はい。もう教えてあげない〜」
「ぁぁぁ、怒んないで!どうすればいいの!おせーて!おせーて!」
「はぁい、待ってました。まず君、筆箱、そして使ってる文具もだめだね。そこからセンスないとか終わってる。」
「うっざっっ」
次は文房具か、確かに、あいつは、主に学校でよく使う筆箱はコンパクトかつコンパクトだ。あそこまで量を減らしているとは…。
あいつ曰く、「必要最低限のものだけでいいんだよ。グチャグチャな筆箱の人はみんな嫌い。お前も、何と無く嫌い。」ムカつくけど、いいなぁって思った。あいつを審査員として、それから私の筆箱の審査が毎週行われた。どれだけ自信満々に、筆箱を整えて来ても、揃えて来ても、難癖つけてくる。ムカつくけど、楽しかった。
もう一つアドバイスをもらった。
「まぁ、その日によって気分的に使いたい文具も変わってくるから、第二軍、文房具予備隊を作るといいぞ!ちな、俺持ってる。」
成る程〜、シャーペンの芯の太さやシャーペン、ボールペン、ボールペンの替え芯などなど、とても充実していた。
更にいいなぁって思い始めて、目標をそいつに頑張ってた。見慣れないシャーペンを、褒めてもらった時は嬉しかったなぁ。
「お前は俺を越せねーよ。まぁ、教えてやろう。○○○店に、今週土曜日来いよ、俺多分いるから。」
「あー、文具店ね!っておい、多分じゃなくて絶対だぞ。」
「へいへい」
そこで、いろんなことを教えてもらい、また更に、その人に追いつけた気がしてまた嬉しかった。
面白かったのは、夜中まで通信でゲームした時。8時9時あたりから、1時、2時ぐらいまで、ずっと私とそいつで対戦した。あいつは、強すぎて、何時間の間で、勝てたのがわずか一回。悔しかったなぁ。
喧嘩もしたなぁ。
言い合いの喧嘩、何ヶ月も続いた末
あっちが、手紙でからくり仕込みで「ごめんね」って書いていた。本当、なんなんだか。
小さなメモ帳に、名言書いてみたり、オリジナルのね。今の気持ちとか、好きな歌、この曲オススメみたいな、まぁ、今で言う中二病ノートみたいな感じのものやったっけ。お互い見せあって、恥じらいながらも、爆笑しあって。
メールでの会話は、一日中。
しょうも無い会話ばっかりして、1日が終わると言う日々が続いた。
楽しかった。
一年生からの、あいつとの思い出。
私の人生の本で、輝いた、たったの5ページだった。
しかし、ある日事件は起きた。
私と、彼は近づくなと、大人から言われてしまった。詳細は、詳しくは言えないけれど、今は全く話せていない。
この小説を書いていて、とても楽しかった。
輝く5ページの、本を読めた。
戻りたいな、あの日々に、
楽しかったな、あの日々は。
どうすれば、戻れるんだろう。
いや、戻らないほうが私達の為なのかもしれないや。