Gogress 2
「そんな、メタボチックなダイちゃんに朗報でーす。」
どんっ!と空になった生ビール中ジョッキをカウンターに置きながらてっちゃんがのたまう。
「はいはい、下げて、上げる。やっぱりてっちゃんはドSだよねー」
「お、いいのかなー、知らないと後悔するよ、ホレホレ。」
「ぐぐぐ、すいませんでしたぁーー 教えてくだせぇ院長先生様。」
「よろしい、ならば、そこのカツオの刺身一切れでお教えしましょう。」
「ははっ、では、このカツオを献上いたしまする。」(笑)
「実はさ、アメリカの友人たちの間でスマホゲームがメッチャ流行してるんだよね。」
「Gogressっていう名前なんだけど、あの世界的検索アプリのGod Knowsを出しているWisdom社、その子会社のAiantic社が提供してるんだよね。」
「ほほぉ、あの、悪名高き4chでもすぐ『神様に聞いてこい、カス!』って罵られるぐらい精度の高い検索エンジンの神様、GOD様ですね。」
「そうそう。情報は玉石混合だけど、僕らでもわからないときは『GOD』に聞くよ。」
ゴッドかぁ、、、話を聞きながら、俺の頭の中ではライディーンのテーマソングが流れてた。
輝くミ・ラ・イィ~~、再放送だけど、よく見てたなぁ。。。
「おい、聞いてる?」
「あ、はい」
「ダイちゃんって、時々、意識が異世界に飛ぶよね~」
「え、ソウデスカ? 何の事でしょう・・・」
「ま、いいけど。そんでね、簡単に言うとGPS使った位置ゲーで【二手に分かれて陣地を取りあう】ってゲームなわけ」
「単純そうですね」
「単純な奴ほど、奥が深いっていうじゃん」
「そ・ですね」
「んでさ、実際の名所や旧跡、神社、仏閣、碑、公共施設、なぜかコンビニなんかもポイント地点になってる。」
「ははぁ、コンビニはスポンサー企業ですよね」
「たぶんそうでしょ」
「それで、日本語版もリリースされるし、面白いからやってみない?」
「確かに、おもしろそうですね・・・でも、なんで僕に朗報なんですか?」
「二つあって、一つは四国中移動してるでしょ。ゲームのシステム的に得なんよね。」
「二つ目は、このゲーム、基本は歩くことを前提にしてるんよね。」
「ぐぐぐ・・・まさか。。。」
「そう、歩けよ!おい。」
『へい、お待ち!』
大将が追加のプリップリの「カツオの刺身」を置いていく。
『今日のカツオはいいっすよ~~モノがいいです。』
一切れが名刺ぐらいのサイズがあって、厚みが1cmぐらい。絶対一口では食べきれないサイズ。
寿楽第さんに巡り合うまでは、カツオは「タタキ」でしか食べたことがなかった。
高知に行っても、タタキだった。
大将に聞く、「タタキじゃないんですね。」
『刺身で出せるほど新鮮でおいしいのに、タタキにする必要ないじゃないですか。』
『高知の久礼あたりの漁師は刺身で食べますよ。』
『タタキは昔、新鮮じゃないカツオを食べるための調理法ですからね。』
『良いカツオは刺身のほうが絶対美味しいです。』
そりゃそうだよね、生の方が美味しいんだったら、焼く必要ないよね。
若干の酸味ともっちもちの歯ごたえ。臭みもエグ味もない。血合いの部分ですら美味しい。
こんなカツオは漁師町でしか食べれないはずなのに。。。
ひょっとして、この大将マジックバック持ちか?
よし、最後の一切れに大蒜スライスをたっぷり載せて、
鹿児島産の甘めの溜まり醤油にドップリ付けて口いっぱいにほおばりたい。
おデブと言われても、Gogressでダイエットせよと言われても。あのひと切れを食べたい。
サササッ、シュッ!
「あああぁ・・・俺の、カツオ・・・」
「おい、ダイノジ、歩けよっ!」 もぐもぐ・・・・
てっちゃんに、カツオ盗られた。 (涙)