Gogress 1
四国で営業して、はや10数年。カトゥーも惑わない年になりました。
俺の仕事は「売り子」、お客さんに自社の製品を買ってもらって、使ってもらうこと。
それが仕事。
そのためには、自社製品のメリット、デメリットをよく理解してなきゃならない。
一応、目薬が売り上げの約半分ぐらい。それ以外にも眼科用の針、糸、手術用具
血管外科や心臓外科向けの針と糸。意外とドル箱なのが医療用機器。
超音波診断機とか、人工レンズを入れる前に水晶体を砕いて乳化して吸い出すマシンとか、
最高値だと、丸ごとオールインワン・パッケージング・オペ室なんてのもあります。
先生方が気持ちよくOPが出来るよう。助手の皆様の動きの動線から
各種機器の配置、酸素をはじめとした配管、洗浄、分離等のための給水・排水
後付け機器(顕微鏡、ロボットアーム等)のための電源配置。
注射類麻酔薬等の薬品保管庫から劇薬・毒薬・麻薬等の法定管理医薬品管理庫まで。
すべてをオールインワン・パッケージングでお手伝い。
「先生!明日からでも、すぐ開業できますよ!」(誇張WW)
新人の頃は「プロパー」(プロパガンダする人:宣伝マン)って言ってたんだけど。
すぐ「MR」(メディカル・レプレゼンタティブ:医薬情報担当者)とかって大げさな名前になって、
業界団体の資格試験とかまでできちゃった。「MR資格」
全く法的拘束力なんかないんですけどね。企業に所属して継続教育を受けて更新する。
公正競争規約やプロモーションコードなど自分たちの販売活動を律するものがほとんど。
過去にどんだけヤバイ事してたんや!この業界!って感じ。
まぁ、うちの会社ケチやから、接待交際費なんかほぼ無いし、
俺を信じて注文してくれた先生にはできるだけ儲かって成功してもらいたいから、限界まで値引きする。
会社がヤバイ??知るか!支店長なんか社長と毎週キタで遊んでるやんか、どこがヤバイん?
それやったら俺は地元の先生に還元する。若い先生頑張ってるもん。
もうちょっと、いい機械や器具を安い値段で使わせてあげたい。そしたら患者さんも助かるやん。
今日はお得意様の山田センセの所へ、先生のお昼休みを狙って訪問。
顔見知りの美人受付の皆様に名刺を渡して待つことしばし、午前の診療も終わって先生に呼ばれた。
外来の回転する丸椅子に座りながら、失礼にならない程度に軽くご挨拶。
「先生、こんにちは!」
「おう!久しぶりやね。元気やった?」
「すみません、一週間ぶりですかね、また四国一周してきました。(笑)」
「担当広いと大変やね。でも、ちょ、また太った?」
「え、・・・そうですかね。高知で【くいしんぼ如月】のチキンナンバンが二枚も入ったスーパーナンバンチョイスを3日連続で喰ったせいですかね?」
「ははは、食べすぎには気をつけんと。」
「はい。」(しょぼーん)
「んで、今日は?なに?」
「はい、研究会のご案内です、次回の横浜みなとみらいでの学会でランチョンセミナーがあります。」
「ほー」
「アメリカ本社の研究所のお偉いさんと、ミネソタ大の先生が来られて、新型の針と糸の紹介があります」
「ふーん、で、ミソはなに?」
「細い、ほどけない、傷が浅い、感染症が起きにくい、跡が残りにくい」
「あい、わかった。それ、行くわ」
「あざーーーっす!出欠に名前入れときます。」
「で、仕事は、これで、終わり。ちょっとカトちゃんに教えたいことがあるんよ」
「え。なんすか、先生、彼女は欲しいですけど、結婚は嫌です。」
「うん、それは、無理。自分でなんとかして。」
「ははは、なんです?」
「うーん、ここではなんやから、今日、夜、寿楽第行く?」
「いーっすねぇ。じゃ、20時ごろ」
「おーー大義であった、WW。」
「ははーっWWW」
「寿楽第」とは昭和通りの西の端にある、カトゥ行きつけの居酒屋さんである。
基本食いしん坊なので、食べることが好きなDrとはよく行く居酒屋さん。
寿楽第っていうネーミングで高級感を出してるが、
650円以上のメニューは存在しないという庶民の居酒屋。
安いだけじゃなくてびっくりするほど美味しくて、びっくりすほど量がでる。
山田先生とは、ちょくちょく飲みに行っているお気に入りの居酒屋さんだ。
「「かんぱーい」」
「あのなーダイちゃん」
「なんすか、てっちゃん」
山田哲先生はプライベートでは先生と呼ばれることを嫌う。
しかも、親しい人間には「てっちゃん」と呼んでほしいそうだ。
どこかで線引きしないと、気が休まらないらしい。
そりゃ、人の命かかってるもんね。わかる気がする。
「ダイちゃんさーーーー、太りすぎ!」「厄年でデブのザビって・・・最悪じゃね。WW」
「ぐぎぐぐ。。。。」
ダイちゃんは死亡した。(笑)
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