前説4
2留の俺はやっとの思いで卒業して、先輩の誘いでサラリーマンになった。
国家試験は、奇跡が起きたのだ。合格していた。
カンニングはしていない。実力だ。
学生最終年度は卒業試験が落ちただけで、それ以外の単位はすべて取っていた。
一年間、卒試のためだけに費やした。それすなわち国家試験の糧となったのだ。
ま、勉強ばかりしてたわけではないけどね。交通調査のバイトしたり、
道路工事のバイトしたり。そして、夜のお店でバイトしたり。。。
(キャバクラのボーイさんは時給がよかったなぁ、目の毒だけど・・・)
まぁ、勝てば官軍よ!ふぉふぉふぉ。
薬剤師としての仕事はしないので飾りなんだけど、
それでも卒業証書よりは重たい気がする。
同期入社はたったの15人、うち営業が8人だった。
最初の3ケ月は東京本社で研修があって、後半3か月は赴任地の支店で
ON The JOB トレーニングになる。
要は先輩にくっついて同行して、仕事を覚えなさいってこと。
そして・・・・
だれだ、東京本社で研修って言ったやつは。
確かに、東京本社の連中が教えてくれるんだけど、場所は東京じゃねーー!
なんで富士山麓の麓の施設で缶詰なんだようぅぅぅ。
そして、研修寮監さま!どうしてあなた様は自衛隊OBなのですか?
どうして「貴様らの学生時代に体にこびりついたアカを落としてやる!」って
ビリー隊長真っ青なブートキャンプをなさるのでしょう。
ええ、強制じゃないんですよね。ええ、わかってますとも。
「僕たちはあくまで自主的に、自分たちの健康の事を考えて、参加してるんです。」
ええ、もちろんです。
寮のセキュリティが侵入のみならず自由国家日本国への侵出をも監視している事は
充分承知いたしておりますとも。ええ。(涙)
3ケ月の研修で、体重が5kg落ちた。ははは、笑うしかなかったよ。
その後、俺はマリオン製薬(株)大阪支店に配属になった。
四国は大阪支店直轄営業エリアなんだ。
全国市場を100%とすると四国が約4%
全国で50人しかいない営業部隊だと、規模的に2名が限度。
四国を半分に割って2県を受け持つ感じ。
ホントは二人必要なんだけどね。。。上司っていうか、先輩は神戸営業所のエリアマネージャーも
兼任してるので、本土から出て来て「香川県まで。」
残り3県は、「かとちゃん頑張って WW」だとぅ・・・グレてやる。いつかグレてやるんだ!
うちの会社は、国内の製薬会社の資本も入っている。
すなわち、国内メーカーの子会社でもある。外資父親会社と内資母親会社がある感じ。
日本の母親会社がないと、医薬品問屋さんのルートが使えないので
商品の配達、代金の回収、情報の伝達等、自前でインフラ整備しなきゃならなくなる。
それは凄い大変なので、売買差益とは別にノルマ額達成褒賞や新規件数褒賞、
代金回収褒賞などなど、いろんな形で特約店を守っている。
昔あったパナソニック会とか日立友の会みたいな感じかな。
そんなこんなで、四国に放り出された俺。
車の運転が好きなのと、土地勘があること、
どこでも眠れることと、好き嫌いなくなんでも食べる事。
天職と信じて営業職として第一歩を踏み出した。
ちょっと小デブで、たらこクチビルの一重瞼のしもぶくれ。
20代半ばにしてフランシスコ・ザビエル様に師事したくなる頭髪。
神ってる? いいえ、「髪・逝ってる!」
カンバーック!シェーーーン カミバーーック!
(最近、スカンクDを使うようになって、ちょっとブレーキングに成功してる)
まだ若かったころのダイちゃんはやる気に満ち溢れていたのでした。