エンライ皇国宰相ウルスス・メールースの苦悩 3
苦悩はどこ行った。。。説明多すぎかなぁ。。。
佐伯真名は室戸岬の「御厨人窟」での修行の折、
洞窟から空と海しか見えない場所で修行をし悟りを開いたので、
その後、空海と名乗ったとされる。
真魚はウルスス・メールースと会話した時、
ウルススのエナジーを口から吸収し、人が持たざる力を得た。
特に土系統と水系統の魔法が彼には相性が良かったようだ。
それは、神通力。いや仏だから、仏通力か・・・
その後の空海の活躍は様々な伝記や伝説として残されている。
魔法で行った土木工事や、井戸や温泉を掘り当てるのは周りの人間には奇跡に見えたことだろう。
その後、真魚は四国に88ケ所に寺を選び。修行の場として選定した。
修行僧や救いを求める人々が集いだし、巡礼することで、エナジーが浄化され
良好なエナジーマターが生成されていくことになる。
「ふ~む・・・・」
宰相ウルススは真魚との邂逅のあと、窓を使って本国の執務室に戻った。
この移動は異空間をつなげて、無理やり窓をつくるので、かなりのエナジーマターを消費する。
佐伯真魚から良質のエナジーマターを貰ったが、帰還に使用した結果、惑星に補充できる分は半分以下と、少なくなってしまった。
宇宙の世界には次元がある。
1次元は点、二次元は平面 (絵)、三次元は立体 (フィギア)
四次元は、そこに時間が加わり、五次元は異空間が加わる。
ウルススは5次元へ行ける。時間も場所も跳躍できる。
ヒトには無理だろう。
自分より低い次元は理解できるが、高い次元の事は理解できない。
ウルススらは精神エネルギー生命体だが、5次元で活動するにはかなりの高エネルギーを必要とするため通常は三次元で活動している。
エネルギー体では三次元で活動するのには不便極まりない。
そのため、エネルギー体の受け皿となる擬体がある。
イメージとしては憑依する感じ。
魂の抜けている植物人間のようにベッドに横たわっているウルススの分身に
すっ、と入り込む。
この体は有機物で、生きている。精神のウルススが入ってない時は自立行動できないので、いわゆる管が繋がれていて栄養が供給され排出物が管を通じて出ている。ずっと寝ているように見える。
ウルススが入ってすぐ、横たわっている細身の2足2手1首のヒューマンタイプの体が一瞬ビクンと震えるがすぐに落ち着く。
ウルススは手や足を、動きを確かめるようにゆっくりと動かして、確認後、上半身を起こす。
まぁ、見た目はエルフ。薄緑の短髪と透き通るような皮膚だが、活動的な感じのする顔立ちだ。
30代の精悍な顔つきのエルフ系の顔立ちだが、耳はとがってない。
三次元的活動をするときはこの体系が一番しっくりくる。
星の重力が1G前後の場合は、全宇宙共通で同じようなつくりの体になっている。
理にかなっている形なのだろう。
テラ・マーテルの場合、地球より15%ほど重力が軽い。
そのため、地球人より細身の体つきになるようだ。
「んーー、あーーー」
「声をだすのも久しぶりだな」
『宰相、すぐ来てください。クラリス姫がお目覚めです。』
テレパスが入る。
自分の眷属とはテレパスでの意思疎通が可能だ。
さて、この星の2柱の姫のうちの1柱。
われらが陣営の姫。クラリス姫がお目覚めになられたようだ。
「姫のご機嫌はいかがかな・・・」
急いで玉座の間に行ってみることにする。




