来訪者
空気のうまさくらいしかうまみのないド田舎
20年位前この国を属国扱いしていた執政官と役人を斬り
そのまま独立した過去があるなんて15年しか生きてない俺には
微妙に信じられない…
そう…彼が来る前は…
「この村の人ですか。」
一人の男が俺に話しかけてきた
男の身なりは整っている。
「ああ。」
俺は生返事で返した。
「村長の家はどこですか?」
・・・
親父の客か・・・
まあいい・・・
「こっちだついてこい。」
俺はこの男を自分の家に案内した
「親父…客だぞ。」
「ぬう・・・。」
親父は何かに驚いている
ふと後ろを振り返るとあの男が親父に何かを見せている
「これをこの村の村長に見せろ
それですべてが通じるはずだ。
父はそう言っていた。」
「なるほど、リンナイさんに用ですな
おい、ジョアン(俺の名前な)
リンナイさんを呼んで来い
これを見せれば話が通じるはずだ。」
そういってあの男から何かを受け取り
俺に手渡した。
それは金属製のメダルだった
「これは・・・?」
「お前にも聞かせてやるだからリンナイさんをここに連れてくるんだ。」
親父の顔はいつになく真剣だ
リンナイさんはこの村一の猟師であり
村長である親父も一目置いている
そして・・・
「あら、ジョアン、うちの家に何か用。」
「パロマか、リンナイさんに用がある。」
この子はパロマ、リンナイさんの娘に当たる
「あと、これをリンナイさんに見せろって。」
俺はこのメダルをパロマに手渡した
「お父様に…」
「ようやく来たか。風の噂でそろそろ来ると思っていたが
少し予想よりも遅かったな。」
「何がですか?」
「村長んとこでこれから会議だろ
パロマお前もついてこい。」
事態についていけない
だが俺の家で何か重大な話が執り行われる
それだけは確信できた




