第4報告「俺達の妄想日常(ドリーム・ストーリー)」
部活勧誘祭りが終わって帰宅さた俺はある物と睨めっこしていた、あの後生徒会長に連れていかれた場所は部室、そこまではいい、問題なのはそこからだった.....それは昨日に遡る
『君たちには、毎日この一冊のノートに日常を書き込んでもらう』
生徒会長は3人にノートとボールペンを配る、とりあえず部室に拉致られて、テーブルの前に座らせられて、ノートとボールペンを手渡される
『日常って、これじゃただの日記と一緒なんじゃないですか?』
俺は新品のノートをパラパラと捲りながら話す
『玲徒、それはとんだ勘違いだな、普通の日常を書いてどうするのだ、当たり前な毎日を書き込んでも面白くない、普段やらないことを書き込んで、それを私に提出しろ、そして、その中で面白かった物を皆で実践する、しっかり書き込め』
なんだかもうめちゃくちゃな事を言い出したぞ、この生徒会長さんは、すると薫は痺れを切らし
『生徒会長、さすがにこの活動は部活としてどーなんですか!?非日常を書き込んでもなんの活動にもなりませんって!』
『甘いな、甘いぞ園美、非日常ではない、日常でありながらも、普段は絶対しない、やらない、あるはずない事を書き込むのだ、案外面白いかもしれん、あと、追加で、書き込むだけでなく、その様子を動画に収めろ』
『はいっ?!ちょっと玲徒!玲奈!二人もなんかいいなさいってば!!』
俺と玲奈は目を合わせ
『わかりました、まだ入ったばかりだし、やってみないとなんにもわからないはずですし、やってみますよ』
『ちょ!?あんた正気?!元から変なのは知ってるけど、玲奈はどうなのよ!』
『兄上が言うなら、お手伝いします、初めての部活ですし』
『あ、アンタ達ねぇ、はぁ....わかったわよ、やればいいんでしょ、やれば』
薫はものすごく、ものすごーーく渋い顔をしながら承諾した
『そうかっ、ならば早速今日から頼むぞ、明日皆提出してもらうからな』
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「そう言われてもなぁ、日常だけど、何かしないと書いちゃいけないのがムズイ、さらに嘘書いちゃいけないし、それを、明日実践するとか、要は皆で何かをする為に考えてこいってのと一緒だしなぁ」
確かに今のつまらん日常を変えたいからって入った部活だけどさぁ、うーん、悩んでいると扉がノックされる、入ってきたのは玲奈だ
「兄上、書きあがりました」
「いや、早すぎだろ!?てか、何書いたんだよ、てか実践した動画撮ったのかよ?」
俺がそう言うと玲奈は携帯を取り出し、さきにノートを開き俺に見せてくる
「何?私は今日、兄上に告白をします」
ノートに書き込まれた内容を読み上げる俺は凍りついた
「では、いきます」
携帯の動画機能を起動、録画を始める
「兄上、私はずっと兄上を見て育ちました、辛いこともありました、ですが、私は兄上にこれを言わずに人生を生きては行けません、私の気持ち、いえ、言葉を聞いてください」
上目遣いで見てくる玲奈、いかん、俺達は兄妹だ、いくら遊びでもだめだ
「玲奈、気持ちはわかるが、いくらなんでもこれはーー」
俺が全部言い切る前に言いやがった
「お願いですから私の下着と兄上の下着を一緒にして洗わないでください、汚れます、変態」
「ありがとうございます!」
いや、これ、提出すんの?日常報告になるの?俺は尚更わからなくなった、早めに部活考え直さないとやばいか?そう思っていると
「生徒会長さん、私達のことを知りたいだけなんじゃないでしょうか?だからこんな事を、きっと明日には別のことをしますよ」
「玲奈.....そうだよな、じゃ、俺もさっさと何かをしないとな、じゃあさ、まずはその動画を消すとこから始めようかっ」
「すみません、それはできません、これは提出しますので、ではおやすみなさい」
無情にも扉が閉まる音、あぁ、変態と言うレッテルを貼られる、もういいや、何かをしよう.....そこから2時間くらい、何をしようか悩み、ようやく行動に移せたのが夜中だった。
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そして時間は流れ放課後、3人は部室に向けて歩き出す、後ろから走ってこっちに来る奴が1名
「おいっ!玲徒!お前、この間のことは忘れないぞ!!あの後酷かったんだからな!!」
リンタロウ、ボディービルダー部に遊ばれたらしい、脱出できたらしいが、生きてたか
「まぁもういいけどさ、んで、お前らは何の部活に入ったんだよ?」
薫は苦笑い、玲奈はノートをみる、俺が言えと....
「生徒会長が部長の部活だな、まぁ、色々面倒な部活だ」
「なに!?美人生徒会長の部活!?よし、俺も入る、いやぁ、美人な生徒会長とか、最高じゃん!」
あぁ、リンタロウ、期待してるな、残念だが、意味不明な部活だからな、心でそう囁いた、部室に入ると、生徒会長は既にいた
「うむ、来たか、では早速ノートを見せてもらう、ちなみに動画の件は嘘だからな」
皆ホッとする、俺達はノートを提出するがすぐに見終わる
「甘いぞ、こんな内容では面白くない、と言うわけで、私が書いてきた内容を今日の活動とする」
薫は立ち上がり
「ちょっと待ってください、せっかく書いてきたのに客観だなんて」
「気持ちはわかるが、お前の書いてる内容は、ただのバイトをした内容ではないか、つまらん」
薫はガクッと垂れる
「それより、君は誰だ?」
リンタロウに話しかける
「はい!僕は竜胆太郎です!」
「そうか、ではリンタロウも入部だな」
「り、リンタロウ.....い、いや構わない、生徒会長ならば」
なんかグッとしてる、気持ち悪いな。生徒会長は立ち上がる
「改めて、五神沙玖夜だ、好きに呼べ」
日常とは常に、変わり続けるものだと、俺は思った。