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作り直した飲み物と、昨日作ったクッキーの残りを準備してから部屋に戻り、改めて二人からデートの話を聞く。にやにやと締まりのない表情のタクマが心底うざくて、隣に座る真吾が横を向いてその表情を見てしまえばいいんだと念じているときにふと思い出した。
「真吾、遅くなっちゃったけど誕生日おめでとう!これ、編み物とかするときに使って?」
「あ、ありがとう。開けていい?」
「もちろん。色で悩んだんだけど、結局ピンクにしたんだー。可愛いでしょ?」
「これ…クッション…?」
「そう、円座クッション!」
「…お前、これ…深い意味ないよな……?」
「えぇー?タクマ、どーゆーことよ」
「いや、なんでもない」
何故か顔を薄っすらと赤らめるタクマを訝しく思いながら、真吾を見れば同じように赤い顔で俯いていた。
「なになになんなの!」
「ゆ、ゆみ、なんでもないよっ!これ、ありがとう。大事に使うね」
「いつか俺からも礼を言うことになるだろうな…。いや、なる。なってやる!」
「意味わかんない!」
「分かんなきゃいい。それより、こないだの男誰だよ」
「あ、ファミレスで会った人?クラスメイトの相原くん。隣の席なの…そーだ!見られたんだどーしよう!」
「ゆみ?」
「タクマと一緒のとこ見られるなんて!」
「ありゃ完全に彼氏だと思われたな。ちゃんと否定しとけよ」
「なによ!他人事だと思って!」
「ゆみ、お、落ち着いて…」
「あー終わった。高校生活がお先真っ暗」
タクマは美形である。見慣れた今では一ミリもトキメキなど感じないが、他所様の娘様はそうではないらしい。ただの幼馴染みなのにタクマとの仲を勘繰られ、なんやかんやと中傷を受け続けた中学時代。タクマの真吾への思いに気付いていたから尚更、なに言ってんのって感じだったけど否定したところで彼女らは聞く耳持たない。高校は離れたから、外ではあまり接触しないように逃げ回っていたのに!
「俺のプレゼント一緒に買いに行ってくれたんだよね?ごめんね、なんか俺のせいで…」
「違う!真吾は悪くないよ!タクマが一人で買いに行けないからいけないのよ!」
「な、なんだよ俺のせいかよ…」
「そーよ!タクマのせいよ!あんたがいつまでも告白しないから………っあ…………」
勢いのまま喋り続けて、真吾の存在を忘れかけていた。ヤバイ。真吾の前でこの会話はヤバイ。
すーっと真吾に視線を向けると先ほどの比じゃないくらい真っ赤な顔をしていた。うんうんやっぱり自分のことだってくらいは分かるよね。さらに視線を動かしてタクマを見ると恐ろしい形相でこちらを睨んでいた。いやいやいや、今のは全面的にあたしが悪いけど、そんなに怒ることないじゃん!ってかむしろきっかけ作ってあげたんだから感謝してほしいくらいだし。開き直ってタクマの視線を受け止め、一つ力強く頷くと一瞬怯えた表情を浮かべたものの、真吾が真っ赤になってるのを見て勇気をもらったようだ。長すぎる沈黙を破りタクマが口を開く。
「真吾。好きだ。俺と付き合ってくれ」
前振りなしで斬り込んだタクマはすごいと思うけど、単に応用が効かないだけだろうな。
二人の熱視線に返事を促された真吾は、ちらりとタクマを見てから再び俯いて、それでも小さく頷いた。
続く
誤字等ご容赦ください。




