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作者: 明
掲載日:2026/04/28

心を何にたとえよう

鷹のようなこの心

(手嶌 葵 『テルーの唄』)


生涯ずっと孤独を感じていた

今の私は孤独を辛いとは思っていない



鷹と(カラス)の話がある

天敵である鷹に、烏は複数で攻撃する

鷹は反撃せずに高く舞い上がる

上昇し続ける鷹の飛ぶ高度は高く、烏は離れていく



私は、鷹

(とび)から生まれた鷹(自分で言う)

高齢になった鳶の両親を守る優しい鷹

烏を捕まえるつもりもない友好的な鷹なのに

爪を隠して生きてきたのに


やっぱり鷹だから、馴染まない

人と同じであるようにと、努力してきた

目立たないように、嫌われないように

常識的で枠からはみ出さないように

自分を抑えて、人に尽くしてきた


自分が何者かも忘れるほど

いつも求められる仮面をつけて

孤独を押し込めて笑顔で過ごしてきた

欲しいものも生きる目的も、何も無かった


だけどいつの間にか

自由を求めて羽ばたいていた

空高く、もっと高く、大空へと

羽を広げて、自分でいられる自由な空へ


魚は水の中でしか生きられない

川や海、深海や氷の海、生きる場所はそれぞれ皆違う

鳥は空で生きる

山に住む鳥、南の島の鳥、上空高く広い空で生息する鳥


鷹は大きな羽を広げて、上昇気流に乗る

他の鳥たちが到達できない高さで、風に乗って自由気ままに飛ぶ

私には私の、快適な波動域がある


低い波動の中で、羽をすぼめて過ごすのは窮屈に感じる

勝手に脅威に思われて、無駄な攻撃に遭うのも煩わしい


高く飛ぶほどに、皆離れていく

ついてこられない高度なのだから仕方ない

別に孤独を望んで高く飛んだのではない

本当の自分でいるには、高い空が適しているだけ


大空を舞う鷹は寂しいだろうか?

誰もいない空、風の音だけが聞こえる

遥か下の方で烏が騒いでいるのが見える

鷹の目はどこまでも見通すことができる


高い空の上から全てを見ている

ここから見る景色は鷹にしか見られない

誰かにわかってもらおうとは思わない

それを孤独だというなら、それでいい


私は鷹だから

独りで大空を飛ぶ

上昇気流に乗って、もっと高く速く

ありのままの自分を生きる自由を感じる

それが幸せかどうかなんて誰がわかるの?


鷹は、鷹としてしか生きられない

私は、私としてしか生きられない

住む世界が違うなら、一緒にはいられない


もう三年もすれば、波動の違う世界は完全に離れていく

ここに書く私の思いもきっと届かなくなる

風に流されて、私はさらに上昇していく


鷹はずっと鳶を思い遣っていたし

烏のことも嫌いじゃなかった

騒がしい低い空もけっこう面白かった

でも、もう見えなくなる



心を何にたとえよう

鷹のようなこの心


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