それぞれの魔力質の色
亡霊少女は猛省した。
あのあと、晴れてクレアの弟子入りを記念して、一緒にカフェに食べに行った(イアデル?そんなの知らん)。
もちろんマホミルのおごりで。
そこまでは良いのだが、「好きなだけ食べていいよ」と言ったら、マジで好きなだけ食べやがったアイツ。
「好きなだけ食べていいよ」っていうのも、たいがい、社交辞令に決まっている(まぁ、クレアに社交辞令が通じるわけないが)。
そして今現在…どう考えても頼みすぎだろ、というほどの量を一人で頬張ってる。
プリンアラモード、パンケーキ、カヌレ、パフェ、マカロン、マドレーヌ、etc…
メニューのデザートの欄指差して、「こっからここまでください」って…どういう頼み方してるのよ!ホントに!
流石に店やっててお金はあるとしても、その量は引くぞ普通に。
誰か助けてくれ。
「店主さん改め、ししょーは何も頼まなくていいのー?」
「んー、私はコーヒーだけで十分だわ…」
今度甘いもの食べに行く時は一人でこっそり行こう、とマホミルは決意するのであった。
…まぁそんなことはさておき、改めて弟子入りについて考える。正直なところ、弟子なんてとったことないから、私もどうしたらいいかわからない。えーっとなんだっけ?魔法だっけ?流石に私は魔法は専門外だけれど、基本的な知識はあるし、そこらの一般人よりかはずっと教えられると思う。
う〜ん、でも最初はどうしようかしら〜。何から教えようか〜……
「あ!」
「? ししょー、どうしたの?」
マホミルはくるっ、と手を回し、空間に小さな星型の穴を浮かび上がらせる。そしてその中に手を突っ込み、あれでもないこれでもないとゴソゴソと中を探る。
「あった!」
中から取り出したのは、拳よりひと回り大きい水晶玉だった。付属の小さなクッションと一緒に、テーブルの上に置く。
「これは魔力質を測る水晶。例えば…そうね、」
そう言ってマホミルは、水晶玉に手をかざす。すると、水晶玉が紫色の眩い光を発した。あまりの眩しさに、向かい側に座っていたクレアも、思わず目をつぶった。
「こんなふうに、対象の魔力に反応して、魔力質に対応した色に光る魔導具なの。魔力質で使える魔法や得意な魔法が、ガラッと変わるからね」
そう、まずは魔力質を調べて、次にそれに応じた魔法を教えようというわけだ。
今度は水晶玉をクッションごとクレアの方にすーっと押して、テーブルの上を滑らせると、マホミルはこう言った。
「ということで……はい。今度はクレアがやってみて」
クレアは恐る恐る水晶玉に手をかざすと、水晶玉の中が淡い黒色の光で満たされた。黒が水晶の中で靄のようにゆっくりと蠢き、渦巻いた。
「黒か。珍しいわね。黒は‘物質 物理攻撃特化’の魔力質ね。同じ[物質の魔力質]の‘物質 魔術特化’に比べて、使える魔法の種類や威力は限られるけれど、相手のステータスを下げる魔法が使えるわ。あと、肉体強化魔法も使えるから、物理攻撃においては物質 魔術特化よりずっと強いわ」
「へー。なんかよくわからないけどすごいねー」
「丁度 今のクレアの戦闘スタイルと相性が良さそうね。あとで実践しましょうか」
ふとクレアは疑問に思い、マホミルに問う。
「そういえば ししょー」
「何かしら?」
「魔法を使うのに魔力使うんでしょ?魔力って誰にもあるの?」
マホミルは一瞬考える素振りを見せるが、開き直って口を開いた。
「極稀な例外を除き、魔法生物にしかないわね。…まぁ、俗に言う魔物ってやつね」
おまけ
クレア「イアデルが、かっ○寿司のお皿と一緒に流れてくる新幹線に轢かれて死んだ」




