帰路
「まぁ、こんなとこで話すのもなんだから、さっさとアイテム回収して、さっさと場所を移しましょうか。お店の事もあるし…」
マホミルは部屋が奥に続いていることに目をやる。そこには小さな箱がぽつりと置かれていた。空けてみると、中には錆びついた長剣が入っていた。それは今にも朽ち果てて壊れそうで、使えるかと言ったら厳しいだろう。
「えー、ハズレじゃん。店主さん、先行こー」
「せっかく頑張ってたおしたのにー」と、クレアは肩をすくめる。一方マホミルは一瞬考える素振りを見せるが、やがて開き直り口を開いた。
「…いや、まだこれ使えるわね。ちょっと持って帰ろうかしら」
「え〜、この今に壊れそうなオンボロな剣?」
「そう、今回の戦果としては十分すぎるほどにね」
そう言って、マホミルは剣を個人空間の中に放り投げた。
次の瞬間、誰かの声が聞こえてきた。声の主を探すと、そこには、さっきダンジョントラップにかかって、天井に押し潰されたはずのイアデルがいた。
「いやー、災難だったぜ!あの時はどうなることかと…」
「チッ、生きてやがったか…(小声)」
「お前今 舌打ちしたよな?」
「えー、なんことぉ?」
急に営業スマイルを浮かべ、合わせた手をあざとく胸の前で組む。耳を垂れ下げておねだりムードを醸し出したマホミルは、胡散臭い笑みを浮かべ誤魔化すようにそう言った。
クッ……コイツ、絶対 確信犯だ…
「まぁ?そんなことはさておき…」
マホミルはそう言うと、足元に巨大な魔法陣を浮かび上がらせる。足元の魔法陣は、ぼんやりと光る淡い紫色の光は、焔々と燃えている炎ようだった。
「うわぁ、何これ…!すごい!!」
思わずクレアは感嘆の声をこぼすと、マホミルは当然だと言うのように解説を始めてくれた。
「これは転移用魔法陣。これでダンジョンの入口まで移動するわよ」
「これってどんなものでも転送できるの??」
「そうね、理論上はどんなに離れた場所でも、どんなに大きな物でも瞬間移動できるわ。…でもやっぱり、大規模になると魔力消費が多くなるわね。空間 攻撃魔術系特化の魔力質とかだと、多少 安定はするのだけど…」
そういえば、妹もこの魔力質だっけ。懐かしいな。
そんなことを思いつつ、魔術を発動させる。魔法陣の光が一段と強くなる。
眩い光に包まれたと思うと、気付いたらクレアは幽寂の霊場ダンジョンの入口に来ていた。辺りを見渡したがイアデルだけがいなかった。
「店主さん、イアデルは?」
「んー?知らないわー。浮いてたから転移させる対象にならなかったんじゃないのかしらー」
おまけ
イアデル「仮に俺が伝説の戦士プリキ◯アだとするだろ?」
マホミル「通報した」




