魔法と魔術
ヴゥゥン、と低い音を立てて空間歪むと、星型の穴が空中にぽかりと空いた。そこから、ひょこりとマホミルが顔の覗かせる。
「助言通り依代を破壊したか。やるわね、クレア」
「店主さん今までどこ行ってたのぉー!!!」
「大変だったんだからね!」と、クレアは言葉を続けた。可愛らしい膨れっ面でぷんすかと騒いでいる。
そんなクレアを他にチラリとも見ず、マホミルはダルそうに回復ポーションを取り出した。
「あー、ちょっと個人空間のほうにね。高みの見物ってやつさ」
魔導士…特に魔術師はトリッキーな技術技に弱い。なお、基本的に接近戦は苦手とされ、距離を詰められると防御魔術を張るか、テレポート等で距離を取るかの主に二択である。それはマホミルにとっても例外ではなかった。
「ちょっとアイツはめんど……じゃなかった。相性が良くなかったからね」
マホミルはクレアの方を振り向き、今度は優しいそうな顔で言った。
「ありがと、クレア。正直助かったわ」
一瞬クレアは黙り込むが、やがて開き直って口を開いた。
「…それって、約束通り弟子にしてくれるってこと?!」
「? うん、元々そのつもりだったけれど…」
ひゃぁ〜っ!やったぁぁぁああ!!マジか!!嬉しいっ!!
その後、「何かと都合いいからね」と、マホミルは続けた。
あの堅物な店主さんを説得できたという事実が、純粋に嬉しかった。
何はともあれ!これで晴れて店主さんの弟子になれたわけで…
その事実だけで、胸がいっぱいだわ〜。
ふと、何か思いついたようにマホミルが言った。
「言っとくけど……君、魔法の才能ないわよ」
「……え」
「魔力がほとんど感じられない。純粋に魔導適性がないわね」
「……うっそ」
「…まぁ、こればかりは才能としか言いようがないわね……」と、マホミルは少し困り顔で言った。
それだけでもかなりショックだっただろう。しばらくクレアは呆然としていたが、恐る恐るマホミルに問いかけた。
「じゃあ、店主さんみたいにかっこいい魔法使えない…?」
「…私のは魔法じゃなくて魔術だけどね。けど魔力消費が多いのは普通に無理だと思うわよ」
「? 魔法と魔術って何が違うの?」
「まずそっからか…」と、マホミルは頭を抱えた。まあ無理もない。魔導士も大分減ったのだから。魔法と魔術が栄えていた全盛期から時は流れ、最近は魔法といえば、物語に出てくる空想上のものというのが、世間一般の認識になってしまったのだから。
マホミルは投げ遣りな気持ちで言った。
「いい?」
—魔法。生まれながらにして持っている魔力を、そのまま意識せず感覚で自由に変換して使える力。よって“法”。習得は才能によってかなり左右され、またそれを磨くには知識の応用と、奇抜なアイデアが必要。
—魔術。自然界では時たま、突発的に、もしくはゆっくりと起こる現象を、反応式に書き換え自らの意思で初めて行使する技術。よって“術”。練習や学習により一定水準まで習得可能だが、熟練には長い年月と豊富な知識が必要であり、出せる威力は先天的な魔力量に比例する。
「これが魔法と魔術の主な違いなのね。わかった?」
クレアはあまりの情報量の多さに、キャパオーバーを起こして、ぐるぐると目を回していた。
「……わかった…?」
そろそろ花粉の季節ってことで再↓
ゼロ:今日もの凄いスピードで後ろ向きに歩いてるエラー2とダークネビュラ様がいて、
「見てよイアデルっち!!こうやって歩くと花粉が目に入らないよ!?ね!?ね!?」
「本当だ!!ヤベぇ!!ヤベぇ!!」
って並んで後ろ歩きしながら、同時に段差につまずいて転んでた。奇跡的なバカだと思った。




