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虚言の堕天使  作者: みさこんどりあ
第二部 亡霊少女の異世界放浪旅
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幽寂の霊場

第一階層は、青々と茂る草原が見渡す限り延々と広がっていた。地下に居るとは思えない程明るく、かつ暖かい日差しが、そこには広がっていた。頬を優しく撫でる風が心地よい。


そして、この場にいる誰よりも喜んでいるのが…


「やったーー!!薬草採り放題なのね!!!」


ほかでもないマホミルであった。


「こんなテンション高い店主さん初めて見た…」


それもそうであろう。いつもジト目で少し不貞腐れているような表情か、あるいは笑っているとしてもそれは貼り付けの笑みで、本当に笑っているところはほとんどないとだから。


「普段は他の冒険者がいて好きに採れないからね」


元々、第一階層には魔法薬に使える薬草が多く自生しており、そこで薬草のクエストをこなす者も多い。しかも第一階層ということもあり、魔物もスライムぐらいしか基本的に出ないため初心者でも潜りやすく、日中は人も多い。そのため普段は人がいない早朝か、真夜中ぐらいしか行く機会がないのだ。


「それもさぁ、スライムって魔物なのにほとんど魔力ないでしょう?だから魔力探知に引っかからなくて、近くにいても全く気づけないのよねぇ。それで薬草集めてたら急に顔に覆いかぶさってくるもんだから、本当鬱陶しいったらありゃしないのよぉ〜〜」


「はっきり言って、昨日の暗黒竜よりスライムのほうが強い」と言葉を続けるマホミルに対し、そんなことないのになぁ〜とクレアは思った。

そんな言ってもどうにもならないようなことを、たどたどしく嘆くと、マホミルは足を止めてクレアの方を振り返った。


「というワケでしてー……クレアお願い、スライム近くにいないか見張っといて!」

「……もしかしてそれで今日わたし連れてこられた感じ?」

「うんそういうこと」

「マジか、騙された…」


そうか、そういえばこいつ嘘つきだったと、クレアは心の中で猛省した。てっきり弟子にしてくれるのだと思ってついて来たのにー。


早速目についた薬草を淡々と摘みながら、マホミルは話しかけた。


「あ。でも、弟子にするっていうのは嘘じゃないわよ。君の働きぶり次第だけれど」


「丁度前衛が欲しかったのよねぇ〜、かと言って信用ない人を雇うのもアレだし……」


魔導士は基本的に接近戦に弱い。稀に、肉体強化を積んで体術の戦闘に持ちこむなど、接近戦に特化した魔導士もいなくはないのだが、かと言ってそれらは全体から見ればかなりの少数派だ。だからこそ、そのバランスを補うためには前衛がいるという訳だ。



マホミルはあれもこれもと次々と薬草を摘んでいく。クレアは特にやることもなく、ふと疑問に思ったことをマホミルは話しかけた。


「そういえばさぁー、店主さん 一人でスライムに襲われた時、いつもどうやって対処してたの??」


マホミルは少し考える素振りを見せたが、すぐに口を開いた。


「……あ〜〜、それはねぇ…」



「攻撃魔術ぶっ放して無理やり剥がしてたわ」


謎に早口だった。


「それって自分にも攻撃当たらない?」

「勿論当たるわよ」

「…大丈夫なの…、?」

「うん、けれど髪が爆発してパーマになっちゃうから嫌なのよねぇ…」

「……まさかたまに髪型変なのもそのせい?」

「多分そのせいなのね…」








おまけ:某アニメのパロディ


マホミル「ただいまぁ〜…」

クレア「あ、店主さん帰ってきた」

マホミル「縦型ロールになっちゃった…」

クレア「……なんで?」

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