魔術師の弟子
「弟子にしてください!!」
頭を下げて言うクレアの言葉に魔法がかかったように、マホミル動かない。しばらく静かになった港町に、小鳥達のさえずりが響く。間隔があいたところで、ようやく彼女達は声を出した。
「……は?」
「お願いします! 魔法使えるようになりたいんです! お願いです!! 弟子にしてください!! お願いします!!!」
さらに大声で志願するクレアに、マホミルはスパッと言い切った。
「ダメだね。足手まといになるから」
やっぱり、そりゃいきなりそれはいくらなんでも無理があるよね…。
マホミルはこんなことで、すんなりと聞き入れてくれるような性格をしていなかった。
それでもクレアは諦めなかった。さっきよりさらに大きな声で、必死に志願する。
「お願いします!弟子に…してください!!!!」
マホミルは一瞬考える素振りを見せたが、やがて開き直り口を開いた。
「………クレアって今ランクいくつだっけ」
——訂正する。どうも押しには弱いらしい。
「この間、Aランクになったよ」
…早い。成長速度が異常に早すぎる。この間まで駆け出しの冒険者だったというのに。
しかしマホミルからすれば、Aランクの冒険者とてその実力には雲泥の差がある。
マホミルしばらくして開き直り口を開き、突如宣言した。
「明日の朝一、幽寂の霊場に潜る」
えっ!!えっ!??今、なんてっ??明日??
幽寂の霊場といえば、最近発見されたばかりの新しいダンジョンで、それゆえまだ詳細な情報も少なく、最下層までたどり着いた冒険者はまだいないそう。
けど、それが今、何故?? どうしてその話が出てきた?
「君が本当に使えるかどうか、そこで確かめるから」
「…え つまり、そこでわたし役に立ったら弟子にしてくれるってこと?!」
「そ。私の気分次第だけどね」
ウソ?!やった〜!!!
急いで明日への準備に取り掛かる。
この前は、ダンジョンに潜る準備で買い出しに出かけたが、暗黒竜の件もあり、バタバタして買い出しが終わっていなかった!!
まだ時間はお昼前だ。
今からお店を回れば、どうにか間に合いそう!
ついでにマホミルから口止め料で貰ったお金で画材と、あとお腹空いたから帰りにクレープでも買って帰ろう。
クレアはうっきうきで帰路についた。
おまけ
マホミル「クレアが雪見だい◯く分けてって言ってたから
ためらいなく1個丸々渡して
「え、ほんとにくれるの……?」
って戦慄してたら
「よかったら、もう一つ」
って顔色ひとつ変えず
2個ともクレアに渡そうとして
真っ青になったクレアに
「誰か助けて!」
って悲鳴をあげて逃げられてそう」




