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虚言の堕天使  作者: みさこんどりあ
第二部 亡霊少女の異世界放浪旅
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死という言葉を使わずに一番死を感じさせてください

ぼんやりとした視界に見慣れない天井が映り、マナはしばらく考え込んでいた。記憶がひどく曖昧で混乱している。


途中で気を失っていたのだろう。気付いた頃には別室で寝かされていた。麻酔の影響か意識は未だはっきりしないらしい。


起き上がろうとしたその時、


「い゛っっだぁぁ…!」


とんでもない痛みにベットから転げ落ちそうになり悶えた。


よく見ると、体のあちらこちらに包帯が巻かれ、手の甲には点滴がされている。


巻かれた包帯の上から手の傷をさすってみる。

痛い。

一度意識してしまうとズキズキと脈打つような痛みが居座り続けて冷や汗まで出てきた。


「…アイツらよくもやりやがったわね……」


まだ気持ち悪さの余韻が消えない。息切れがする。私は顔を歪ませた。



★☆★☆★



あれから、数えてはいないものの結構な日にちが経ったと思う。

今日も人体実験に沢山使われた。

あの時転んで擦りむいてしまった手と膝のかすり傷は、痕になってしまっている。

管理化における環境。徹底的に管理された衛生。ここには最小限の衣食住は揃っていたが、私にとってとても満足とは言えなかった。そして、ここでは魔術もさらには魔法さえもが使えない。魔力封じの錠と対魔法結界の影響で体外に魔力を出そうとすると分散してしまうのだ。魔術が使えない魔術師など、文明の前にはただの無力な赤子に過ぎないのだ。ここから脱出するすべもなかった。





そして、もう使い物にならないと判断される、変な液体の中に入れられるんだとさ。



















『…?あれ、私は…?』


重いまぶたを開けると、私は知らない部屋にいた。

意識を失う直前の記憶を辿ってみる。

…確か、なんか連れてこられて、変な培養槽みたいなのに入れられて…そして……


『ッ?!』


私は辺りを見渡した。やっぱりだ。私は‘私’が入っているカプセルを見つけた。青ざめた全く生気を感じされられない顔に、私は全てを思い出した。









本文で語れなかったこぼれ話。マナは残党に連れてこられて、変な培養槽みたいなのに入れられたと言っています。‘変な培養槽みたいなのに入れられた’ということを覚えていることは、その時点で意識があったということです。つまり、麻酔かけられながらゆっくりと薬物を投下されて死んだとかではなく、生きたままホルマリン漬けにされて死んでます。ちなみにホルマリンは有毒で、吸入すると呼吸器や粘膜への刺激、高濃度では肺水腫を引き起こします。皮膚に触れると皮膚炎や皮膚壊死、アレルギーを引き起こし、飲み込むと消化管の重篤な損傷や中枢神経の抑制、腎障害などを引き起こす可能性があります。マナの場合最終的には窒息死で、魔法生物で毒や薬物の類いは人間より効きづらいですが、少なからずホルマリンの毒は受けてるでしょうね。


揺らぎゆく視界の中、彼女は最後に何を思ったのでしょうか。



あーかわいそう、あーかわいそー



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