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虚言の堕天使  作者: みさこんどりあ
虚言の堕天使
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蒼い騎士と白の魔術師

今回はカロンさん目線のちょっと前の出来事です(╹▽╹)

それは、小さな違和感から始まった



実は、私はすでにガーゴイルとの戦闘体験があった。

堕星者勢力と敵対してたころだ。堕星者は物質に憑依する能力がある。それで、ガーゴイルに憑依した堕星者と戦ったことがあるのだ。

その時の攻撃パターンと、今回戦ったガーゴイルの攻撃パターンが異なっていたため、少しの違和感と疑問を持った。


ガーゴイルとの戦闘が終わり皆が去っていった頃、私は独り、誰もいなくなった草原にポツンと転がり落ちて動かなくなったガーゴイルを拾ってみる。よく見みると、表面に何かが刻まれているのが解った。


「む…これは……魔法陣…?」






その夜

夜の廊下を音もなく歩く一つの影があった。私は、此方に気付かれないように、慎重にそのあとをつける。壁に背中をつけ、曲がり目の角の向こうからひっそりと様子を覗う。その影が歩いては追って歩いては追ってをしばらく繰り返していると、ギイィという扉が開く音と共にその影は王の間がある部屋に消えていった。私はそれが部屋の中に入ったのを確認すると、急いで、けれど音を立てずに駆け寄り扉に耳を当てた。中からぼんやりだが話し声が聞こえてくる。



「…今回のご報告は以上になります」

「ウン、アリガトウ。この調子で引き続きよろしくネ」


扉のほうから気配が近づいてきたため、私は慌てて角の向こうに隠れた


 はずだった



「こんばんは、カロン。こんな時間になにしてるのかな?」


突如耳元に囁かれた。さっきまでドアの向こう側にいたはずなのに。何故此方に気付かれたんだ。

凍てつくような言葉で背筋が凍りついた。文章だけ見たらなんとでもない日常会話。声はとても穏やかななのに圧迫感がある。背後にいるため顔は見えないが、今、どんな顔をしているかがハッキリ解かるような威圧感。慌てて続きの対処法を考えるが頭がフリーズして上手く動かない。意識して無理やり思考を働かせた。


「私は少し考え事をしてただけだ

 …そちらこそ、何か企み事か?」


相手に負けないぐらいの冷淡な殺気を放つ。ゆらゆらと揺れる深紅色の瞳が、月明かりしかない夜を照らす。相手は、緊張感に満ち溢れた空気を覆すようなゆるい口調で言った。


「まぁ、ワタシもそんなもんだよぉ



 …あと、あんまり夜更かししないほうがいいよ

‘いざという時に動けないと困るからね…?’」


「貴ッ…貴様……!!」


私は考えるより先に剣を抜き出し、斬りかかった。

剣先が当たる頃には姿は消え、その時には数メートル先にいた。瞬間移動か…


「今夜は早めに寝ることをオススメするよ。それじゃ、


 オヤスミ♡」


最後にそう言って、魔法陣と共に目の前から姿を消した







今回の出来事で完全に敵だということが決定した

あの言い方には敵意がある。それも動きからして、かなり戦い慣れている。実際に何かした訳じゃないが、ことが起きてからじゃまずい。

それから私は、マホミルという人物の行動を注意深く監視するようになった。それで幾つか改めて気付いたことがある。歩く時僅かに足が地面に着いていないことと、胡散臭い愛想笑いと猫撫声について。改めて考えてみるが、最初から違和感を感じなかったと言えば嘘になる。初めて会った時から多少の違和感は感じていた。歩き方が少し変だとか、笑顔に胡散臭さを感じるとか。最初はそこまで気に留めなかったが、改めて見るとやはり違和感を感じる。


(やはり怪しい。けれど今後どうやって対策を取ろうか…私が敵だと言っても、あのお人好し共は信じないだろう……ならばどうやって敵だという証明をしよう…)


結局案が思いつく事はなく、私は途方に暮れていた

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