67/91
薄命
覇王サマのが終わったので今回からマホミルの過去編を始めます!
十歳で殺される運命を知った時、人はどんな顔をするだろうか。
辺りが静かになった時、初めてマナは孤独感を得た。痛む身体と混乱するこころがぐちゃぐちゃに混ざり合い、そして消えようと、遠い安らかな地へ消えようとした。
愚かな事をしたな。朦朧とする意識の中、マナはぼんやりとそんなことを考えていた。妹に愛を伝えられなかったこと。それゆえに厳しく接してしまったこと。私は、どうしてもあの子には早く大人になってくれなければならなかった。私の事なんて気にせず、幸せになってくれればそれで良かった。しかし後悔したところで時間は巻き戻らないし、やり直す事も出来ない。
何故ならもう会えないから。
マナは流れる涙を拭う事すらしなかった。最早己の命が尽きるのは時間の問題だった。
(マジルテは…私のこと、覚えていてくれるのかな…)
あの子は優しい。優しすぎる。
あの子が私が死んだことを知ってしまったら。あの子はどうなるだろうか。
行かないで、忘れないで、ひとりにしないで。
それは紛れもなく私の本音だったけど、それでもあの子の悲しむ顔を見たくなくて。
私が願うのは
『忘れてほしい』
それは、私の最初で最後のエゴだった。




