高慢あるいは徒花【ⅩⅩⅩⅥ】〜n回目の旅路Ⅶ〜
何度も自らの友達に手をかけ、結末を変えられないまま、終わりのない旅路を彷徨い続けた。
ルマがぼくの両手を握り、持ち上げている。こうしているとオレンジ色に染まった空がよく見える。
「ありがとう助かったよ、ルマ」
「…イエイエ、どういたしまして」
浮遊が使えることを忘れて落ちそうになったぼくを、寸のところでルマが助けてくれた。
本心は「手間がかかるナァ」ぐらいだろうか。何度も物語を繰り返していくうちに、ルマの声の裏になる本心が少しづつわかるようになってきた。
夕日が、天空に浮かぶ白い雲と天を貫く高い塔の砦を優しく照らす。いつもはうるさいだけのカラスの声が、今日だけはやけに悲しそうな音をしていた。
きらきらと輝く地平線が眩しくて、ぼくは思わず目を細めた。
「ここ、いい眺めだよねぇ…」
「あ、ウン…そうだね。ドリームランドの景色はどこも最高だよぉ」
返事に少し間が空いたことから、たいして関心がないことが薄々見えた。そのわかりやすさに、ぼくは思わず笑ってしまった。…きみってそんなにわかりやすい子だったんだね。
「ぼくはね、ずっと昔から、きみとこの景色を見たかったんだよ」
「…ムカシ?昔っていつから…?」
ルマにとって、ドリームランドに来たのは最近の出来事だ。しかし、ぼくにとってはこれで3回目の長旅になるから、初めの旅が始まったのは遠い昔のことのように思えた。
「ずっと…ずぅっと、昔だよ」
遠くに沈む夕日を見ながら、きみがはじめてやってきた時のことを思い出した。
「…ネェ、パチーカ」
「なに?」
「どうしてキミは、見ず知らずのボクなんかを助けてくれるんダイ?」
どうして、か。
特に特別な理由なんかない。今までのぼくであれば、困っている人を放っておけないからとしか言いようがなかった。ぼくがそんな性格だから。しかし今、強いて言うのであれば…
「友達だからだよ」
「…フゥン、そうなんだ。 じゃあボクも!」
ルマは初めは納得いってないような素振りを見せたが、しばらくして元気よくにっこりと笑った。
「もしキミが困った時は、ボクが一番に駆けつけてアゲルよ!なんてったって、トモダチだもんネ!」
ああ、ひどいなぁ。
そんなこと言われたら嘘でも信じたくなってしまうじゃないか。
グランティアとノアが上空に空いた星型の穴へと向かって消えていくのを、皆で手を振って見送った。夏めいた空はどこまでも澄んでいて、明るくて。それはまるで、否応でも全てが終わったと告げる象徴のようで――ひどく、慟哭の声をあげたくなるほどに、悲しい空だった。
違和感1
4話後書きの設定集より、パチーカは星の一族なのに対し先天的に飛べない。片割れがどこからであったはず。そしてそれを崇めていた奴らも
違和感2
パチーカは元々誰にも執着しないタイプ。“先代”であり“前世”のあいつのように明日の風が吹かなくなってしまったのかもしれない。
違和感3
ノアが襲撃されお化け屋敷式のダンジョンを攻略した時空は、何周目の出来事かはわからない。
違和感4
何故主人公がパチーカなのに小説が続いているか(作者は某主人公が嫌い)




