表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚言の堕天使  作者: みさこんどりあ
虚言の堕天使 一部 虚言〜そして虚構
36/53

高慢あるいは徒花【ⅩⅧ】〜お化け屋敷攻略〜

色々限界で動けなくなってしまったルマ。ちなみに昨日作者は学校でマラソン大会の試走して動けなくなったよ。

あの後キラン軍団を全員倒し、更に第三階層まで一行は進んでいた。そこへ、黒いロングヘアーの少女—キスカ・スカーマリアが出迎えた。第三階層の案内人は、第二階層からうってとてもお淑やかな印象の人で、ルマは一安心した。前回といいひどい目に遭ったため、今回は後者のようにならないことを祈るばかりだ。キスカと名乗る少女は、以前のパルーザやベルジュが着ていたものと同じシスター服に、前髪の一部分だけ青く染まったしなやかな黒髪。片手には炎がメラメラと燃える大きな斧を手にしていた。いや絶対ベルジュと属性交換したほうがいいって。


「皆さん第二階層お疲れ様でした。どうでしたか、ベルジュさんが提案したボスは?」

「攻撃範囲が広く、更にしばらく火がそこで燃え続け行動範囲が狭められるため、普段のキランに加え非常に歯ごたえのあるボスに仕上がっている。特に分裂後は、攻撃パターンも複雑になり火炎攻撃も強力で、とても満足している。」

「りるらめっちゃ楽しかった〜!!」

「アイテムの中に普段絶対に使わないような武器まで入ってて、いろんな武器が使えたのは楽しかったぜ!」

「うんうん、大王が魔法少女のカツラかぶってビームうってたのはおもしろかったね」

「おいパチーカ!もっと他にかっこいいとこあっただろー!?今アテナも少し笑ったな!」

「いえいえ、大王様は何を着てもお似合いになりますから」


皆戦いを終えたばかりで体力の消耗はあるものの、こうして冗談を言うくらいには余裕と元気があった。


ただ一人を除いては。


「ところでそちらの丸焦げの方は…?」

「ヴェルダンたまごで悪かったねぇ」


あーモウーこれ一歩も動ける気がしないよぉと、ルマは言葉を続けた。第二階層でキランにもて遊ばれ、最終的にボンバーで自爆したルマは、精神的にも体力的にも燃え尽きて 地面に身を投げた。本当にミクロでも体が燃え残ってただけ奇跡みたいなもんで、本当に次の階層とか行く以前に速攻でリタイアで、探索の持続不可能なレベル。あー、やる気が出ない。こんな途中でみんなとも冒険も終わってしまうのも、少々思うところはあるが、もう動けそうにないので仕方n


「相当お疲れのようですね、皆さんにシャーベットがご用意してありますよ」

「シャーベット!?」ガハッ


いつも間にかキスカの両手には6つのシャーベットがあった。キラキラとダイヤモンドダストが舞い、上品な氷の器に盛り付けられたシャーベット。(本人は炎属性なのだが…)色は全部でスカーレット、ターコイズブルー、バイオレット、ライムイエロー、ミルキーホワイト、フォレストグリーンの6種類。どれも美味しそうだ。特にヘトヘトに疲れきったルマからは、神様の贈り物級の回復アイテムだった。


「アリガトウォ!!キミってはパルーザと違ってとっても優しいんだねぇ!ありがたくいただくよ!」

「と、その前に一つご警告」

「エ?一気に食べて頭がキーンってなるヤツ?ソレなら心配要らないよぉ」

「そうではなく、ここはお化け屋敷。ありとあらゆる形で恐怖が紛れ込んでいます。そしてそれはこれも例外ではありません」

「ド、…どういう意味ダヨ」

「この中に激辛シャーベットが一つ紛れ込んでいます」

「ハアァァ!?」「なんだってぇ!?」「えーーっ!?」


この爆弾カミングアウトに、ルマはともかく、食いしん坊のパチーカやガランまで、シャーベットに伸ばしていた手を引っ込め後退りしてしまった。ナンダヨ、キスカも全然優しくないじゃん!!それも声色一つ変えずに言うからなおさらである。


「どうなさいました、食べないのですか?皆さん喉が渇いていらっしゃると思ったのですが」

(…どうしよう。今日のボクはただでさえ運が悪いのに…(※自暴自得)ケド喉カラッカラだしやっぱりもう我慢できない!)


「ボクは青を選ぶよ!」「ぼくも食べるっ!」「俺もだ!」


結局みんな考えは一緒だったらしく、最終的にパチーカがイエロー、カロンがバイオレット、大王がスカーレット、アテナがホワイト、リルラがグリーン、ルマがブルーを選んだ。恐る恐る、けれど覚悟を決めて一気に、みんなでいっせーので口へと運ぶ。


「ヤッター、爽やかなソーダ味だ!」

「ぼくのはさっぱりレモン味」

「ん〜!カルピス味なんて珍しいですねぇ…!」

「芳醇な巨峰味…口溶けも良い」

「まっちゃだ うまぁ!!」

「これ唐辛子味っ!ってげほごっほうげっごふぁ」

「おめでとうございます。流石大王(自称)と名乗られるだけのことありますわ」

「いや肩書き関係ねぇし全然めでたくねぇから!水くれ水ゥ゙!!」


大王は涙が止まらなくなり、唇が真っ赤に腫れて顔全体が赤く染まってしまったのだった。今ならオバケサイドとしてホーンテッ◯タワーに出演できそう。たぶん子供が見たら泣くと思う。


「…あ!確かもう一つシャーベットがあったはず。あれを口直しに…」

「ざんねーん、それはアタシが貰っちゃたわ。んー!これはラズベリーね。やっぱりキスカちゃんのシャーベットは最高ね〜!」

「だあ゙あぁあ゙!?ベルジュ!、?」


いつの間にか前の階層の担当員がやって来て、残りのシャーベットを見事に横取りしていったのだった。その場で灰になる大王であった。









今頃、‘灰になった’シルビアも、笑っているでしょうね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ