高慢かあるいは徒花【ⅩⅢ】〜お化け屋敷攻略〜
第二回層では、今までの薄暗い雰囲気からガラッと変わり、あちこちに炎が大きく燃え盛え、お化け屋敷らしからぬ煌々とした明るさだ。
最初に出向いたのは、部分的に赤くなった黒い跳ね髪の元気のいい少女だった。パルーザと同じシスター服に、刃身がうねった氷の剣を片手に持っていた。…イヤ、絶対性格と属性間違えてるって…。パルーザと同じように切れ散らかして斬りかかってこないとよいが…。
「よく来たわね、パチーカと愉快な下僕たち!おっと、今回ははじめましての人もいるようね。自己紹介してあげるわ!アタシはベルジュ・ジュガージュリア、この第二階層のデザイン及びアイデア出しを担当してるわ!
この第二階層では、アンタ達にた~っぷりと強敵と戦ってもらうわよ!」
「「「強敵!?バトル!?」」」
カロン、パチーカ、ガランは瞬でベルジュの言葉に反応した。全くこれだからバトル勢は…(呆)。…ちょっとベルジュの言葉に引っかかりを覚えた部分があったが、まぁそれは置いとくとして…。
「第二階層はオバケボスマッチよ!全身の毛をよだつようなキョーフのオバケボスが、アンタ達を地獄の業火で焼き尽くそうと襲いかかってくるわよ!しかもそのオバケボスは、キスカちゃんの炎の魔力を分け与えているから、簡単には倒せないわよ!アンタ達がどんなに強かろうと、絶対丸焦げになってゲームオーバー間違いなしなんだから!」
「よっしゃ、腕が鳴るぜ!…って斧預けてきちまったじゃねぇか!!」
のってきた大王がいつものクセで素振りしようとしたが、己の得物を持ち合わせてないことに気づいた。あいからわず全員がこれといった武器を持ち合わせていないし、マホロアの魔術やリルラの特殊攻撃といった類いも使えない。では、どうやって戦えというのか…?
「第二階層には撃退アイテムが落ちているから、それを使って戦うのよ。剣やハンマーとかの武器だったり、魔法の杖だったり、特殊効果系の一発アイテムだったり…、まぁ、いろいろあるわ!なかにはちょっと刺激を与えるだけで大爆発をおこしちゃうアイテムもあったりするわよ~」
「なんかおもしろそ〜!」
そうなるとパーティーゲーム味が出てきて、面白そうな気もする。人がオバケといった怪異的なものを怖がる理由として、得体のしれず、対策法も分からない超常現象であることが大きいだろう。つまり、対策法さえ分かってしまえば、どんなオバケだって怖くない、はず。
丁度怖さが和らぎ、一行の気分が盛り上がってきたところで、ベルジュが水を差すように沈んだ調子で言った。
「あのねぇ、言っとくけど…。今回のオバケボス、チョ〜怖いわよ。本当に夜眠れなくなっても知らないんだからね。うぅ、思い出しただけで鳥肌たってきたわ(ガクブル)…。」
「ナンダヨ急に…、今更怖がらせたって怖くないよーっだ」
「きっとみんなで力をあわせれば大丈夫だよ!」
「…あっそう……。せいぜい生きて帰ってこれるといいわねー(棒)。あ、入口はあっちだから」
ベルジュはテンションがすっかり燃え尽きてしまったかのように、投げやりにひらひら手を振った。
何故ベルジュの対応がこんなにも急変してしまったのか、一行はまだ知らなかった…。




