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虚言の堕天使  作者: みさこんどりあ
虚言の堕天使 一部 虚言〜そして虚構
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高慢あるいは徒花【Ⅹ】〜お化け屋敷攻略〜

止まない雷雨が外から鳴り響く中、一連は薄暗くどこか不気味な塔の中を固まって歩いていた。


パルーザの話によると、このアトラクションは3つのステージと最上部に分かれており、ステージごとで雰囲気がガラッと変わるという。そして、武器の持ち込み及び魔術の使用は禁止となっている。オバケが簡単に倒されては面白みに欠ける、ということらしい。律儀に武器を預けるパチーカ達を見て呆れるものだが、それだけ信用があるということなのだろう。なお、ルマはこっそり魔術を使おうとしたが、塔全体に魔力封じが施されているらしく、体外に魔力を出そうとした瞬間辺りに魔力が分散してしまい、何も発動しなかった。これじゃただのキュートな少女(26歳)である……。


「あっ、向こうに何かいるよ!」

「ヒッ…!?」


早速、通路の奥に闇に紛れている何かを発見した。


目を凝らして見てみると、後ろを向いているただの人だということがわかった。はぁ、なんだただの人かぁ。

次の瞬間、その人がくるりと此方に振り向いた。


彼には顔がなかった。


「ギャアア゙ァ゙あ゙ァッのっぺらぼうーーーー!!!!」


その人は此方に気付いた瞬間、全速力でこっちに突っ込んできた。慌てて反対方向へ発狂しながら逃げ出す。


「呼んだ?」


「イヤァァァァ口裂けオバケーー!!!」


すぐさま向かいの角に逃げ込んだ。ハァ、ここまでくれば…

安心してルマが正面を見る。しかしそこにも人が。今度は、足が無い!?


「ビョエ゙ーーーーーッユーレイ!!!?」


「うらめしや~」


「ウワッ゛ろくろっ首ー!!!」


「食わせろ」


「ヒィィィゾンビだーー!!!」


「お〜ば〜け〜だ〜ぞ〜」


「ウワッ今度は一つ目小僧!?のキョンシー!?」

「そいつはただの堕星者だぞ!!」


「て、あ!!どっかで見た事あると思ったらリルレじゃん!?」


久しぶり〜、とさっきまで何事もなかったかのように普通に話し出すパチーカ達に対して、その者はたどたどしいしゃべり方で、りるらだ〜と言い直した。いやいやパルーザに加えて今日はなんなの?なんでみんな知ってるんダヨ。このメンツ顔広すぎだろ。


「なんでここにいるの?ロゼリーと他の子たちは?」


パチーカは周りをきょろきょろと見回しながらその者に尋ねた。黒い髪のぱっつんにお団子をした、黒い瞳孔に琥珀色の虹彩。正真正銘の単眼、一つ目小僧で、服は黒を主とした赤のきっちりとしたチャイナ服と、かなりおっかない格好ではあるが、子供らしいはっちゃけた印象が強いためか、あまり恐怖は感じられなかった。一方、リルラと名乗る者のほうは大きく首をかしげる。彼女(?)はたどたどしいしゃべり方で説明してくれた。


「はぐれた」

「じゃあ丁度いいし一緒にゴール目指すか!ぼくたち今アトラクションしてるんだ。きみも手伝ってくれない?」

「てつだう!!」


それはもう子犬のように飛び跳ね皆の周りを駆け回り、そんなに喜んでもらえると誘ったパチーカの方も嬉しくなるものだ。


「ありがとう!じゃあしばらくの間よろしくね」

「エ?チョット待…、ドウイウコト!?」


何も状況設定が追いついていないルマは、何が起きれるのかよくわからなかった。

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