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虚言の堕天使  作者: みさこんどりあ
虚言の堕天使
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高慢かあるいは徒花【 Ⅱ 】〜過去編とは思えないほどギャグ満載に作りましたby作者〜おまけがメイン


「ノアの各パーツはトッテモ強いエネルギーが込められているンダ。ソレによって周囲の空間が歪んで、コノ星の色々な場所に転移してしまったミタイナンダ。

キット険しく旅になるだろうケド、キミタチならやり遂げられるとシンジてるヨ!その間ボクは船の修理ガンバってるカラネ!」


「ソレじゃあ、イッテラッシャイ!気を付けてネー」

「はーい、いってきま〜す!」



そう言って、パチーカ達を手を振り見送った。もう背中が見えなくなったところで、やっと行ったか、と気だるそうに手を下ろす。誰にも聞こえないような小さなため息が零れ落ちた。


「…ホーントバカダナァ」







なんやかんやあってパーツは順調に集まっていった。



ばたばたという元気の良い足音と共に、ノアの入り口から一人の人影が現れる。ルマはとびっきりの笑顔で

「オカエリ、p


「こんにちは、僕はアテナと言います!今日はパーツ集めのお手伝いを…」





「………ヤァ、イラッシャイ…(迫真の真顔)」





アテナは逃亡した。


「ハッ、ボクったらマタ変な顔を…。最近ノアの修理が忙しくて徹夜 が続いててウカッリ…。テイウカ待っテヨォー!!」



色々と誤解されると面倒な為、ちゃんと後を追うことにした


逃亡者を追ってルマが船外に出ると、船から少し離れた場所でまるで小動物の様に縮こまりガタガタ震えるアテナと、その頭をポンポンと優しく叩く恰福の良い斧使いと、その様子を静かに見守る騎士の3人に遭遇した。


「……ワニャ………ワニャニャ………(半角)」

「む、アテナが震えながらも何か伝えようとしているぞ。アテナ何があったんだ?」

「ワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャワニャ(半角)」

「なんだって、『ノアに入ったらとても顔が怖い人がいてラスボスかと思った』!?」

「(そのワニャ語分かるンダ…)エ、チョット待っテヨォ!ソレは誤解だヨォ!」


ルマは慌てて修正に入った。この3人の信頼を失ってパーツ集めの協力者が減るのも勿論だが、彼らはパチーカの仲間なのだ。このことをきっかけにパチーカに嫌われるなんてとんでもない。ルマは一芝居うつ事にした。


「ホラ、コーンナにか弱いくて可愛いボクがラスボスなワケないでショ?ただボクは急にお腹が痛くなっちゃってシカメッツラしちゃったダケナンダ!アテナクン、怖がらせないちゃってゴメンネ?」


ルマはきゅるんと申し訳なさそうな顔で謝ると、アテナの体の震えは徐々に収まっていった。やがて、現実に戻ってきた彼は、ずれた帯をきゅきゅっと元の位置に戻し、地面に落としていた自分のスピアを拾って、丁寧に土を払ってから顔を上げた。どうやら元の性格はきっちりしないと済まないタイプらしい。


「…ふぅ、そうでしたか。僕こそ人の顔を見て怖がるなんて失礼な事をしてまい、申し訳ありませんでした。ルマさん大丈夫ですか?胃腸薬とプロテインならいつも常備してあるんですが、要りますか?」

「(胃腸薬とプロテイン常備してるンダァ…)大丈夫ダヨ

、もう痛くなくなっタシネ。ボクのこと心配シテくれてアリガトウ。キミもパチーカに負けずお人…トッテモシンセツなんだネ!」

「いえ、困ってる人がいたら誰であっても助けるのが僕の…僕らのモットーですから!」 


アテナは胸を張ってその言葉を発した。大王が自信満々な笑みを浮かべ、カロンはフッっと不敵な目をしながら腕組みをする。


「俺はドリームランドの大王だから太っ腹だそ〜?

お前さんの滞在中に何か困ったごとがあったら何でも相談してくれ」

「私は端くれにすぎないが、騎士道精神に誓い、助けを求める者には手を差し伸べる事を約束しよう」


これが他の適当な誰かの言葉だったら、ただの社交辞令にすぎなかったかもしれない。しかし、彼等の言葉は本当であった。早速ですが、とアテナがそばに置いてあった大きな袋をずりずりと音を立てて引きずりながら、ルマの目の前へと持っていきそれを差し出した。


「コッ、コレハ…!」


袋の中には探していたパーツが沢山と…そしてノアの主要パーツの一つであるエンブレムが入っていた。どれも、見ているだけで吸い込まれてしまいそうなほどの、ミルキーで神々しく、そして機械でありながら優しく暖かな光を放っている。


「ルマさん!今は、故郷に帰れなくて心細いところもあるでしょうけど、僕達が必ずパーツを集めだしてみせます!だから安心してください!」


「ウワァ……ミンナ、アリガトウ…!キミタチはホントーに優しいんダナァ……ボク、感動して涙が出てきちゃいそうダヨォ…!……ア、ソウダ!」


ルマはある事を()()()()()()()、ポンっと手のひらを合わせ提案をしてみた。


「お礼とお疲れ様も兼ねテ、コノ船が完成したらボクのコキョウに連れてってアゲルヨォ!」


「ルマの故郷?それってどんな場所なの?」

「トッテモ素敵なトコロだヨォ。ボクの憧れの地ナンダ。未知の魔力とテクノロジーが眠る約束の地って言われててネ…。全宇宙の科学者と魔術師が一度は憧れるスゴイ場所なんダヨ。コノ船が完成した時ニハ、ミンナに故郷ハルカドラボの食べ物でもご馳走しちゃおっカナ?」


「ハルカドラボの食べ物!?なにそれおいしそう!!」


突然、背後からさっきまでいなかったはずのパチーカがちょい、と現れ、目の色を変えて飛びついた。


「っっっだっっふ!!?いつの間ニ!?」

「驚き方めっちゃ独特だなおい」


あどけない子供の様な澄んだ青い瞳をきらきらと輝かせ、口からもよだれがきらきらと覗かせ、ルマに期待のまなざしビームを当ててくるパチーカ。しかも、上目遣いですり寄ってくるシュミュレーションなのにもかかわらず、あざとらしさのカケラも感じさせないこの自然な表情……。クッ…コイツ……デキる………。



「私達もいるわよ〜」


向こうからシルビアとクレイが遅れてやって来た。丁度早速まで、『そういえば、こうしてパチーカの愉快な仲間たち(笑)が集まったのだから、シルビアとクレイは何処に行ったんだろう』と思っていたところだった。


「パチーカったら突然いなくなるからびっくりしちゃった」

「この地獄耳め…」



((曇りなき瞳))


「ボ、ボクのコキョウの食べ物がソンナに気になるのカイ?船のパーツが全部集まったら連れて行ってアゲルカラネ」

「わーいやったやったやった〜!!」

(喜び方が完全ニ子供…)


その瞬間だった。向こう草原…ノアがある方からビービーと、非常事態を伝えるけたたましいサイレンが鳴り響いた。


「なななにごとですかあわにゃーーーー!!?」


アテナが慌てふてむいて転げ落ちた所をガランが上手くキャッチ。カロンは警戒して既に腰の剣に手を置いていた。シルビアとクレイは何事だと言わんばかりに周囲をきょろきょろと見回す。パチーカはきょとんと、危機感を感じさせない不思議そうな顔で、辺りを見回している。


『船体ヘノ攻撃ヲ感知。防御システム、起動不可。船体ヘノ攻撃ヲ感知…』


無機物な定型文が繰り返しアナウンスさせていた。

前回NGシーンPart3 こんな高慢あるいは徒花は嫌だ!


パチーカ「わ~ん!カロンがぶつかってきたせいで僕のケーキがぁぁ!!返せ!!ぼくのケーキ返せ!!」

クレイ「なんていうか…そんな事より。大丈夫かコイツ?」

そこには明様に倒れてる人がいた。頭に漫画みたいな大きなたんこぶができて、天使の輪っかが浮いている。

カロン「おそらく落下の際にあった衝撃で頭を強く打ち気絶しているのではないかと思われます」

パチーカ「見りゃ分かるよ」

シルビア「めっちゃ痛そう…」


その後…


ルマ「カクカクシカジカポヨポヨダヨォダヨォ(?)という訳で…。パーツがナイとコキョウに帰れないンダ…」

カロン「ルマ殿の故郷とは一体どんな場所なのだ?」

ルマ「ボクのコキョウはハルカ遠く、アナザーディメンションを抜けた先にあるンダ。本当はスッゴク遠い場所にあるんだけど、コノ船が完全シタラひとっ飛びダヨォ!」

ルマ「ダケド、流石にボクだけでパーツを全て集めるのは難シイ。ダレか手伝ってくれたらイインダケド…」


ルマ「…というワケなんだヨネ。ネェ、パチーカ(背後からのラスボスの様な凶悪な圧)」


パチーカ「あーまたシールだぶった」

ルマ「ポケ◯ンパン食ってる場合じゃねェダロオ゙ォ゙ォ!!!!」


((約3名からの冷たい視線))


ルマ「ハッ」

ルマ「アッ、ソウダー(棒)、もしよかったらミンナも手伝うくれないカナァ?(汗)」


((無言))


「いっぱい集めてくれた人には素敵なゴホウビあげちゃうヨォ!!!」



((とてもやる気に満ち溢れた顔))


パチーカ(食事券(ケーキ)…)

シルビア(高級絵の具…)

クレイ(バカンス…)

カロン(伝説の剣…)


ルマ(ウワッ、目の色変わってるヨォ…。ヤベーヨドリームランド。単純スギダヨォ…)


パチーカ「もっちろ〜ん!!最初から手伝うつもりだったってば(大嘘)。大船に乗った気でいなよルマ◯ド」

ルマ「アリガトウ〜。パチーカならそう言ってくれるとシンジてたヨォ」


((いま、なんつった?))


パチーカ「よーし、ぼくが一番集めてみせるぞ〜」

カロン「いいや、私だ!」

シルビア「見ててねお姉様方、私がんばるの!」

パチーカ「じゃあ早速、レッツゴー!!」

パチーカ「おっさき〜」

カロン「先抜けは許さんぞ、パチーカ!」


今日もドリームランドは(捉え方によっては)呆れるほど平和です


―END☆

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