8話 札幌城 改
ハイペリアン乗組員
坂本リョウマ 副司令 日系アジア人 28歳 男性 中佐 戦略参謀 陸海の軍事作戦担当
西郷たかお 日系アジア人 28歳 男性 中佐 内政参謀 内政全般担当
大久保トシオ 日系アジア人 28歳 男性 中佐 外務参謀 外交担当
勝りん太郎 日系アジア人 25歳 男性 少佐 海軍参謀
乾タイスケ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 陸軍参謀
福沢ゆー吉 日系アジア人 25歳 男性 少佐 財務参謀 財政全般
ヘレン ダルク フランス人 25歳 女性 少佐 医療参謀 医療技術向上、
服部ハンゾウ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 警察参謀
公安、情報捜査、隠密捜査
杉原 ねね 日系アジア人 20歳 女性 大尉 医療副参謀 教育全般
1492年 9月中旬
札幌城 天守閣にいる幸太郎
一緒にいるのは、後土御門天皇と勝人親王
「すばらしい眺めですね」
「……うむ、体が軽いな。息もよく通る」
札幌の冷涼な空気を吸い込みながら、
後土御門天皇は晴れやかな表情でそう呟いた。
その頬には、京都在住時にはなかった血色が戻っている。
「そうですね。父上のお顔色も、随分と良くなられました」
傍らに立つ若き親王――勝人親王も、嬉しそうに微笑んだ。
彼らは、京の都を離れて蝦夷国に“静養”として滞在中の一行である。
その顔ぶれは以下の通り。
後土御門天皇(第103代天皇)
勝人親王(後の第104代天皇・後柏原天皇)
側近公家:持明院 基規
同じく:勧修寺 政顕
来道後すぐに、医療センターで精密な健康診断を受けた彼らは、
適切な医療と生活環境のもと、驚くほど健康を取り戻していた。
ちなみに、京都では、天皇の影武者アンドロイドが政務を代行中。
その完璧な演技により、天皇派以外の誰も入れ替わりに
気づかなかったというから恐ろしい。
そして、蝦夷国で彼らが最も驚いたのは――食事だった。
「えっ……毒見役がいないのか?」
「しかも……この料理、湯気が立っておるぞ……!」
古来より、身分の高い者たちは毒殺を恐れ、食事前には必ず毒味役がいた。
そのため、食事はいつも冷めており、味も損なわれていた。
しかし――ここ蝦夷では違った。
札幌城の厨房では、料理専門アンドロイドたちがフル稼働。
安全性はもちろんのこと、その味も超一級品である。
なにせ、ミシュラン三つ星レストランのトップシェフたちの
料理脳をコピーしたアンドロイドなのだから。
朝廷一行は、その味に度肝を抜かれ、同時に完全に虜となった。
基本の食事スケジュールはこうだ。
朝食:白米、焼き魚、味噌汁、香の物といった王道の和食
昼食:天ぷらそば、うどん、ナポリタン、ラーメンなど粉もの・麺類
夕食:カレーライス、ハンバーグ、唐揚げ、鰻丼、
すき焼き、酢豚、マグロの刺身など
「もう……京には戻れぬかもしれぬな……」
勧修寺政顕が、冗談とも本気ともつかぬ声で呟いたのも、納得である。
ただ、遊びに来たわけではない。朝廷一行は、
毎朝の朝食後、以下のスケジュールで行動していた。
午前:
専門学校で、中央集権国家論、民主主義、世界情勢、経営学などの座学
午後:
造船所、病院、小学校、工場、職業訓練施設の見学
知識と現場の両面から、近代国家の実像を吸収する。
特に天皇と親王が強い関心を示したのは――農業機械。
「これが……耕運機か。蒸気で動く馬車とは……文明の力とは恐ろしいな」
「父上! これがあれば、田畑はもっと広く、民は飢えずに済みます!」
勝人親王の目には、新たな理想国家への道が、しっかりと見えていた。
この日、父子は互いに誓い合う。
「天皇を中心とした中央集権国家を、必ずや築き上げよう」と。
そして、1492年12月。
京で起きようとしている明応の政変に備えるため、
後土御門天皇は側近を連れて、京へ戻ることを決意する。
ただし、勝人親王は蝦夷に残留し、さらなる学びを続けることとなった。
親王は、帝王学に加え、造船・農業・語学など、
広範な分野を職業訓練学校で聴講生として修める予定だ。
また、在京の天皇派の公家たちの子息も呼び寄せられ、
彼らと共に学ぶことになる。
ちなみに――
帰京する天皇のたっての願いにより、蝦夷料理を
朝廷に導入することが決定。
和食、中華、洋食をそれぞれ担当する三体の
料理専用アンドロイドが随行することになった。
この三体は後に、京の都で大評判となり――
庶民から「料理界の三巨匠」とまで呼ばれるようになるのだった。
読みづらい文章ですみません。
分かりやすい文章を心がけて参りますので、よろしくお願いします。
登場人物は、史実の人物と架空の人物がいます。
歴史年表もタイムワープした事で、
史実と異なっておりますので、ご了承下さい。




