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51話 明国からの使者

 1500年 3月


 1500年当時の明国は、弘治帝こうちてい の治世でした。

 在位:1487年 ~ 1505年。


 北京の紫禁城しきんじょうの乾清宮にて、


 乾清宮=日常の政務や外国使節との接見の場所。


 弘治帝

劉健りゅう・けんよ。この石炭ストーブは暖かく良いのう。

 調べによると日本の北の蝦夷国と言う国の物だとな?

 最近は蒸気で走る馬車があると聞いたが、手に入れたいものだが?」


 劉健

「陛下、蝦夷国の商品は、橘商会が一手に扱っております。

 蝦夷国の軍事用品なども橘商会が扱っており、蝦夷国すなわち橘商会と

 考えた方が良いかと存じ上げます。」


 弘治帝

「ほう、商人の国か?面白いのう。」


 劉健

「陛下、その蝦夷国が昨年南方の島、台湾に侵攻し、

 蝦夷国の領土にした様ですが、その後、交易の安全のため、

 倭寇や海賊を掃討しており漁業関係者は皆喜んでいる様です。」


 弘治帝

「ほう、台湾か! よし台湾の統治を認める代わりに朝貢させよ!

 問題は誰を行かせるかだな?

 信用できて、探究心旺盛で、頭が柔軟な者だな。」




 劉健

「は、では、礼部れいぶの長官の 東陽とうよう

 台湾に行かせましょう。

 護衛の者も、陛下直属の兵を付けましょう。」



 礼部れいぶ

 朝貢・冊封・外国使節の応対を担当、実質的に外交省、

 皇帝に代わり、国書作成・儀礼・交渉を行う部署。



 弘治帝

 明代でも屈指の名君と評価される皇帝であった。

 宦官の権力を抑え、官僚政治を重視、

 財政・軍政を立て直し、比較的安定した治世を実現。


 劉健

 官職:内閣首輔=事実上の宰相、弘治朝最大の実力者で、

 清廉・慎重で、皇帝からの信任が極めて厚く、

 政治全般を安定させた中心人物。



 李東陽り・とうよう

 官職:内閣大学士、文人・詩人としても高名で、

 皇帝の相談役・思想的支柱的存在。



 1500年 4月   台湾島


 台北市の中心の蝦夷国台湾総督府の応接室には李東陽が、

 座っていた。


 李東陽は、ここまで来るまでの事を回想していた。


 まず、軍港の大きさに驚いたが蒸気船が10隻も停泊しており、

 海軍力では、世界一では無いか!


 大体、帆が無い船が動くのが不思議じゃ?


 カラクリを知りたいものじゃな。


 また、舗装された道路を走る蒸気自動車、軌道を走る蒸気機関車、

 見たこともない建築物【高性能フェノールフォームのプレハブ住宅】

 などを見て、是非、蝦夷国の首都を見てみたいと思ったのであった。



 そんな事を考えていると、ドアが開き二人の男が入ってきた。


 幸太郎

「遠路はるばるご苦労さまです。

 私は橘商会、会長の橘幸太郎と申します。

 お会い出来て光栄でございます。」


 大久保中佐

「お初にお目にかかります。

 私は蝦夷国、外交参謀の大久保トシオ中佐です。

 お会い出来て光栄でございます。」


 李東陽

「こちらこそ、突然の訪問で迷惑かけました。

 私は、明国、礼部れいぶの長官、李東陽と申します。」


「早速ですが、正直、明国としては、台湾については放置しておりましたが、


 蝦夷国の領土とするには、形がけでも明国へ許可を貰いに来て欲しいのですよ。」


 大久保中佐

「要するに、日本と同じ様に朝貢に来いとの事ですね。」


 李東陽


「ぶちゃけ、その通りです。」


 大久保中佐


「もともと、我が国もそのつもりでございましたので、なんの問題もありません。」


 幸太郎

「私も蝦夷国から依頼されて、明国への使節として行くつもりでした。

 因みに、皇帝陛下は朝貢の貢物は、蒸気自動車でよろしいでしょうか?」


 李東陽

「ほう、それは願ってもない事です。

 陛下もお喜びになると思いますぞ。」

 笑顔になった。


 李東陽

「それと、お願いがあるのですが、

 蒸気機関の工場の見学をしたいのですが?」目を輝きさせて言った。


 幸太郎

「勿論、大歓迎ですよ。」



 翌日、幸太郎と大久保中佐は蒸気機関車の一等車に李東陽を乗せて、

 高雄市に行ったのであった。


 李東陽は、蒸気機関車、蒸気自動車、蒸気重機の工場見学した後、

 蒸気機関の理論の講義を受けたが、ほとんど???だったが、

 明にも有益な事だけは分かった。


 李東陽は約1週間ほど高雄市や台北市を蒸気機関車で数往復しながら、

 都市施設、学校などを見学したのだった。


 李東陽は、台湾で過ごした日々が、自分の理想とする国家と映ってしまい、

 蝦夷国の首都で、もっと学びたいと思ってしまったのであった。




 1500年 5月初旬


 幸太郎は、大久保中佐と明国への使節として蒸気船で、明国の

 当時の貿易港の寧波ニンポーに向かった。


 その中には、李東陽の一行も一緒だった。


 蒸気船内では、提供された軍艦カレーが明の使節団には、

 大好評だった事は言うまでもなく、皇帝への献上品に

 加えられた。ただし、湯煎で、

 食べる事が出来るレトルトパックを

 1年であった事を追記しておく。


 明国の皇帝との謁見もスムーズに行き、

 明国と蝦夷国との朝貢貿易が

 認めらたのであった。


 ただ、想定外の事が起きてしまった。


 なんと、李東陽が辞職願を出して引退して、蝦夷国へ留学願いを、皇帝に申し出たのであった。


 弘治帝も驚いていたが、さも有らんと、思い、劉健と相談して、

 辞職も引退も無しで、5年間の留学を認める事とした。

 また、皇太子も一緒に5年間の留学をする事を強引に認めさせられたのであった。


 なお、幸太郎も抜け目無く、蝦夷国の台湾統治は勿論、橘商会の明国への免税特権、

 寧波の商館設置の許可の条約を結んだのであった。


 こうして橘マークの蒸気自動車が、明国の貴族の間に飛ぶように

 売れたことで、周辺国の王族の間でも蒸気自動車を持つことが

 ステータスシンボルになって行ったのであった。



 6月


 大型移民戦艦ハイペリアンの指令室


 幸太郎

「明国との交渉はうまく行ったね。

 これで、ヨーロッパ諸国が

 簡単にはアジア諸国には手が出せなくなるかな?」


 クララ=ハイペリアンのメインコンピューター

「そうですね。

 ヨーロッパ文明より進んだ蒸気機関などを見れば、

 侵略することは無いと思われます。

 ただ、バタフライ効果で、ヨーロッパの科学水準が

 高くなっており、後数年で蒸気機関が、

 製造できようになりそうです。」


 幸太郎

「まあ、引き続きヨーロッパの監視を続けてね!」


 クララ

「はい、了解です。

 なお、アフリカ大陸、ユーラシア大陸については、各地へ橘商会の支店を

 置いて、情報収集を行う事を具申致します。」


 幸太郎

「うむ、任せたよ。」











誤字脱字があれば、ご指摘頂ければ、幸いです。

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