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第39話 九州の情勢と今後の方針

ハイペリアン乗組員

坂本リョウマ    日系アジア人 28歳 男性 中佐 戦略参謀 

西郷たかお     日系アジア人 28歳 男性 中佐 内政参謀 内政担当

大久保トシオ    日系アジア人 28歳 男性 中佐 外務参謀 外交担当

勝りん太郎     日系アジア人 25歳 男性 少佐 海軍参謀 

乾タイスケ     日系アジア人 25歳 男性 少佐 陸軍参謀

福沢ゆー吉     日系アジア人 25歳 男性 少佐 財務参謀  財政全般

ヘレン ダルク   フランス人  25歳 女性 少佐 医療参謀  医療技術

服部ハンゾウ    日系アジア人 25歳 男性 少佐 警察参謀  情報捜査

杉原 ねね     日系アジア人 20歳 女性 少佐 教育参謀 教育全般



 ハイペリアン号会議室


 ──中央ホロマップが淡く発光し、

 九州全土の立体地図が浮かび上がる。


「クララ、九州方面の最新情勢を。」

 幸太郎の声に、クララが即応する。

 全方位型の情報処理サーバーから、次々と光点が走った。


「了解、総司令。主な対象は――

 大友氏、龍造寺氏、相良氏、島津氏、伊東氏、肝付氏

 そして松浦水軍。以下、順に報告します。」



「まずは大友氏。太宰府への侵攻に成功し、

 大内勢力を九州から事実上駆逐。

 さらに阿蘇氏を降伏させ、筑前・筑後両国を平定、

 国力を著しく増強中です。」




 クララの声が続く。


「外交方針は表向きには中立を装いながら、

 実際には新政府および蝦夷国を警戒・敵視しています。

 にもかかわらず、裏では通商条約を結び、

 京には大友屋敷という情報拠点を新設。」


 幸太郎

「まあ、想定内ってところだな。」


「さらに重大事項です。史実より50年も早くイエズス会が創立され、

 スペインの商人との連携強化により、大量の鉄砲・大砲を入手。


 引き換えにキリスト教の“国教化”を承認し、各地に南蛮寺を建立中。

 主君・大友親治自身がキリシタンへと改宗、

 家臣団にも布教を進めています。」


 幸太郎

「バタフライ効果かもな。

 うむ、大友の動きに注意してくれ。」


 クララ

「承知致しました。次に龍造寺氏ですが、

 現在、龍造寺氏14代当主。

 龍造寺りゅうぞうじ 康家やすいえです。」


 次に、肥前国へ地図が切り替わる。

 複数の発光点が、政治的な分裂を示していた。


「龍造寺家では内部で分裂が発生。

 大友派と新政府派に割れており、葛藤状態です。」


「これも想定通りか。」幸太郎は冷静にうなずく。


 クララ

「新政府の方針としては、龍造寺 康家に対して臣従工作を進行中。

 すでに情報局員を潜入させており、

 並行して橘商会からの経済支援ルートを整備。」


 クララが指先で操作すると、ホログラムの塩田津が明るく光る。


「塩田津にて橘商会の交易船が入港。

 米、鉄、陶磁器などの物資の流通を 

 開始しています。」



「次は肥後南部の国人領主の相良家ですが、

 現在の当主は、第13代の相良長毎ながつねです。


 本拠は肥後国人吉ひとよし城で、

 人吉を中心に肥後南部を支配する国人勢力です。


 島津家の南進に対し警戒心を抱いており、

 島津の動向次第では敵対も辞さない構え様子です。


 一方で、大友氏との軍事同盟を模索中とのことですが、

 地理的に孤立しがちであり、近い将来、

 島津家に征服されると予想されます。」



「次に、南九州の動向について報告します」


 クララが

 ホロスクリーンを切り替えた。

 表示されたのは、火の国よりさらに南。薩摩、大隅、日向の三国。


「【薩摩の虎】島津 忠昌しまづ・ただまさ

 現在の第11代島津家当主です、分裂していた三家を

 奥州家・総州家・相州家を見事まとめあげ、

 再び「薩摩一国」を掌中に収めました。


 その政治手腕は意外にも冷静沈着。

 武勇だけではなく、南蛮貿易による莫大な利益を

 巧みに使い、内政を立て直した。との報告が来ております。


 また、

 火薬はポルトガルから輸入し、火縄銃と大砲は、

 島津鋼で中規模ですが

 生産が開始されております。」


 産業振興を強化し、鉄と銅の採掘、

 鋳造技術の推進により、九州の平定に

 向けて力をつけております。


幸太郎

「さすが島津だね。島津に暗君無しとよく言ったもんだな。」


 クララ

「えー次に、肝付 兼久きもつき・かねひさ

 居城、大隅高山城。現当主、肝付家14代です。

 性格:理知的・慎重・策士型、

 だが部下への情は深く、

 義を忘れない人物との情報があります。


 島津とは対立しており、徹底抗戦の構えですが、

 小国ゆえ滅亡も時間の問題かと思われます。


 西郷中佐

「蝦夷国の内政に欲しい人材ですな。」


 クララ

 「次は、伊東 尹祐いとう・ただすけ

 日向伊東家第8代当主ですが、

 性格:寡黙・実直・義理堅い。

 名家の品位を保ちつつ、

 戦国の現実にも対応できる柔軟さを併せ持つと分析されます。


 これまで分裂していた伊東家を尹祐の代で再統一

 ・再興。領内の統制を強化しつつあります。」


 島津氏との衝突を想定しながらも、まずは内政に注力。

 日向国の独立保持を最優先とした防衛政策とっております。

 対外大友氏と友好関係を築き、必要に応じて外交調整。

 肝付氏とは時に競合、時に協調しております。


 伊東家は、北の大友家とは不戦条約を結び、緊張を緩和。

 島津家との国境では時折、小競り合いを繰り返すが、

 全面戦争には発展していない様子です。」


 大久保中佐

「この人物は外交に使えそうですね。」


 クララ

「現在、南九州ではこの三者が微妙な緊張関係を保ちつつ、

 膠着状態にあります。

 しかし島津家がこのまま軍拡を続ければ、

 均衡は――やがて破られるでしょう」


 その他勢ですが、

 ホログラムの西端が点滅する。そこには海と島が広がっていた。


「最後に松浦水軍を率いる松浦弘定が、

 有馬家への臣従を打診しています。

 松浦氏は、肥前松浦郡を中心に、

 伊万里湾沿岸、平戸、壱岐・対馬とも交易や影響力があります。

 この勢力の特徴は、海賊(倭寇)としての側面が強く、

 朝鮮や明との貿易も行い、海上交通を掌握しております。

 なお、人物的には伝統的な海賊頭領のカリスマ性を持ち、

 貿易と軍事の両面に通じ、外交にも柔軟で、

 一族間の統率や、分家との調整役としても

 手腕を発揮しているようです。」


 幸太郎

「こいつはぜひ新政府の水軍に入れちゃおう。」


 大久保中佐

「了解です。すぐに新政府の総裁 持明院基規殿に連絡して

帝から宣旨を頂く手配を取ります。」


 クララが一歩下がり、報告を締めくくる。


「以上が、九州方面の現時点での要諦となります。」


 一息入れて、幸太郎。


 スクリーンには、有馬・大友・島津の三勢力が

 赤、青、黄の光点で浮かぶ。


「俺の理想としては、まずは九州を三国に整理。

 有馬家、大友家、そして島津家。

 その後、有馬家に大友を潰してもらい……最終的に、

 島津を臣従させるって感じにしたいのだけど、

 皆はどうかな?」


 間髪入れずに全員が、

「西国戦線異議なーし」と合唱した。


 

 幸太郎

「さて、俺は、橘商会の販路拡張のため薩摩に行って来るよ。

 ついでに、伊東、肝付も寄ってくるよ。

 乾少佐は、有馬家に行って陸軍の訓練を頼むよ。戦車も送っておくからね」


 乾少佐

「了解しました」


 また、総司令の単独行動と丸投げが始まったと

 乾少佐は苦笑するのであった。

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