21話 ヘレン少佐 典薬頭になる
ハイペリアン乗組員
坂本リョウマ 日系アジア人 28歳 男性 中佐 戦略参謀
西郷たかお 日系アジア人 28歳 男性 中佐 内政参謀 内政担当
大久保トシオ 日系アジア人 28歳 男性 中佐 外務参謀 外交担当
勝りん太郎 日系アジア人 25歳 男性 少佐 海軍参謀
乾タイスケ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 陸軍参謀
福沢ゆー吉 日系アジア人 25歳 男性 少佐 財務参謀 財政全般
ヘレン ダルク フランス人 25歳 女性 少佐 医療参謀 医療技術
服部ハンゾウ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 警察参謀 情報捜査
杉原 ねね 日系アジア人 20歳 女性 少佐 教育参謀 教育全般
ハワイ行政官 ウール アインズ 内政用アンドロイド 初老白人男性
小樽行政官 徳川秀忠 内政用アンドロイド 日系アジア30代
那覇港基地司令官 一条 実 万能アンドロイド(日系 30代 男 髭が合う学者風の風貌)
橘商会 敦賀支店 支店長 道川兵三郎 元敦賀港の川舟座の頭
奥州地区 支店長 蠣崎義広 元安東家家臣
朝廷 第103代後土御門天皇
勝人親王 第104代天皇の後柏原天皇
足利幕府 第10代征夷大将軍 足利義稙
1494年11月上旬
ハイペリアン司令室
クララ
「総司令、帝から京の流行り病の予防の依頼がきております。
以下がしますか?
1489年から京では、疫病が続いており、特に飢餓状態の老人子供が
亡くなっております。
去年からの食料支援で飢餓状態は改善しておりますが、冬に入り
疫病が心配ですね。」
幸太郎
「蝦夷国内の医療体制はどのまで進んでいるのかな? 」
クララ
「はい、ヘレン少佐の指導の元、学校を優秀な成績で
卒業した者の中から選抜し、医者と看護師を養成する
医療学校を、ハワイ島、札幌に設立しております
養成期間は1年で,卒業すると医療用アンドロイドの
助手として,現場で実践させております。
なお、蝦夷国内では、各予防接種を9割済んでおります。
また、この時代の寿命は民が30歳、武士が40歳前後で
栄養不足により大人へと成長できるのはおよそ七割と
思われますが、この政策により平均寿命を
60歳まで引き上げたいと思います。」
幸太郎
「よし、雪が降る前に、ヘレン少佐をチーム長として
医療チームを京に派遣してくれ。
人選はお任せするよ。
新米医師と新米看護師には、良い経験になるね。
それと、護衛として戦闘用アンドロイド100人を
従軍させておいてね。」
クララ
「了解しました。すぐに、ヘレン少佐に連絡いたします。」
すると、坂本中佐が
「この際、京を城郭都市にする事を検討してみては如何でしょうか?
そろそろ、細川氏、六角氏の動きも活発しそうですし。
戦乱を回避するためにも、御所周辺5K四方に高さ20Mの城壁を作り
新政府の首都機能と人口20万人規模の都市を建設するのもありかと!」
クララ
「細川政元も春には、新将軍の承認を求めて御所に兵を
進めて来るのは濃厚だと思います。」
幸太郎
「よし、京の城塞化計画は、坂本中佐に任せるから頼むよと」
笑顔で言った。
坂本中佐
あ、しまったと思ったが、後の祭りであった。
数日後
ヘレン少佐は蒸気船で敦賀港に到着した。
医療チームは、医療アンドロイド10人、20人の新米医師と70人の新米看護師の
総勢100人体制であった。
総司令ったら、やっと蝦夷国の医療体制が安定してきたと思ったら
今度は京の疫病対策と医療学校の設立ですって、
相変わらず丸投げなんだから!とヘレンはまんざらでもない顔で
笑った。
ヘレン医療チーム一行が、京の蝦夷国大使館に入ると早速、橘商会の
敦賀支店長の道川兵三郎がやってきた。
道川兵三郎
「お疲れ様です、ヘレン少佐殿、仔細は総司令から聞いておりますので
必要なものがあれば、お申し付けくだされ。」
ヘレン少佐
「病院は完成しているのかしら?」
道川兵三郎
「はい、昨年下京に作った難民キャンプ用テントを撤収して、
病院を建設しました。
機材を運べば、すぐに運用可能です。」
ヘレン少佐
「では、来週から診療を開始するので、機材搬入は頼みます。
そして、領民に、医療と予防接種の開始を連絡してね。」
翌週、病院が開院すると、母子、老人達が並んで、
予防接種を受けるようになった。
ほとんど、去年の飢饉の時に支援を受けた領民達であった。
はじめは白人の女性を始めて見る人達が、興味津々であったが、
救急患者の治療を始めると、驚愕の眼差しで見始めるのだった。
治療を終えた怪我人たちは、涙を流しながら、ヘレン少佐を
薬師如来様のようじゃと称え、拝む者まで現れた。
元来、貧しい人たちは、医者などかかれないので、、ほとんどは
亡くなっていたのである。
この病院では、治療代は貧しい人たちからは、基本無料にしたのである。
その代わり、完治した者は、隣の職業斡旋所に登録してもらい
仕事を斡旋することにした。
斡旋する国は、京、越前国、越後国、出羽国、蝦夷国である。
賃金は同じだが、蝦夷国への出稼ぎは、衣食住の保証があるので、
家が無い者には人気があった。
11月中旬
ヘレン少佐は、朝廷に挨拶のため参内し、帝に謁見した。
土御門天皇
「久しぶりですね。ヘレン少佐
この度の病院の開業に感謝します・。
これで疫病も抑えられます。
民も、薬師如来様と呼んでいるそうな。
朝廷からも典薬頭の役職を与えたいのだが
受けて貰えるでしょうか?」
と微笑みながら言った。
典薬頭とは、
律令制では宮中の医療や薬園などを司る典薬寮の長官である。
現代の宮内省に属する医療・調薬を担当する部署。
「陛下、大変光栄ではございますが、
私は蝦夷国の者でございますので私の一存では決めかねます。」
持明院 基規
「その点は、ご心配は無用でございますよ。
すでに、蝦夷国王様から了承して貰っておりますぞ。」
ヘレン少佐
「承知致しました。謹んでお受けいたします。」
やれやれ、と苦笑した。
持明院 基規
「それと、朝廷の医師たちに医療技術を伝授して頂きたく
お願いします。」と微笑んだ。
後日、典薬寮から
半井利長
和気明重等、若い医者が病院を訪れた。
彼らは、ヘレン少佐の外科手術を見ると驚きと好奇心で
新設された京の医療学校で近代医療を学び始めるのであった。




