14話 奥州戦線 その2
ハイペリアン乗組員
坂本リョウマ 日系アジア人 28歳 男性 中佐 戦略参謀
西郷たかお 日系アジア人 28歳 男性 中佐 内政参謀 内政担当
大久保トシオ 日系アジア人 28歳 男性 中佐 外務参謀 外交担当
勝りん太郎 日系アジア人 25歳 男性 少佐 海軍参謀
乾タイスケ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 陸軍参謀
福沢ゆー吉 日系アジア人 25歳 男性 少佐 財務参謀 財政全般
ヘレン ダルク フランス人 25歳 女性 少佐 医療参謀 医療技術
服部ハンゾウ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 警察参謀 情報捜査
杉原 ねね 日系アジア人 20歳 女性 少佐 教育参謀 教育全般
ハワイ行政官 ウール アインズ 内政用アンドロイド 初老白人男性
小樽行政官 徳川秀忠 内政用アンドロイド 日系アジア30代
函館行政官 カムイ アイヌ人 元函館村村長
出羽国 檜山城城主 安東忠季ただすえ 5代当主 30万石
安東尋季ひろすえ 6代当主
陸奥国 種里城城主 大浦光信 20万石
陸奥国 八戸根城城主 南部信時なんぶのぶとき南部氏20代当主
南部信義なんぶのぶよし南部氏21代当主
安東家 野営陣地
夜襲の対抗策として、
簡単な防御柵を張り巡らし、その柵に沿って、
松明を燃やし沢山のカカシをその周りに配置して、
沢山の兵士が居るように偽装工作をした。
そして、戦車に搭載されている拡声器を
使って城側に向けて
酒盛りをしているかの様に音声を流した。
安東家の弓部隊は、裏の森の奥へ潜んで
夜襲に備えた。
その後方に槍部隊を待機させた。
騎馬隊は二手に分かれて城の左右に潜み、
敵軍を挟撃できる体制を
取っていた。
種里城内
大浦家重臣 奈良貞親
「殿、あの大砲はいけませんな。
あれはきっと蝦夷国の戦車と言うものでござるな。
これでは勝ち目はありませんが、
幸い昼間の戦いでの負傷者は
極わずかで、士気も高いので、今夜、
夜襲を仕掛けては如何でしょうか?
夜ならあの大砲も役には立ちませんよ」
大浦光信
「そうだな。兵糧も3日も持たないからな。
安東軍の様子はどうじゃ?」
大浦家重臣 奈良貞親
「はい、安東軍は今日の大勝で酒盛りをして盛り上がっている様子ですぞ。」
大浦光信
よし、今夜、夜襲を仕掛けるぞ。兵士たちに
腹一杯飯を食わせて士気を上げるのだ。
では、支度させよ。」
大浦家重臣 奈良貞親
「は、承知いたしました。」
夜半過ぎ 大浦軍4000は城門を静かに出て
安東軍の陣地へ
なだれ込んだのであった。
先鋒の騎馬隊、続いて槍部隊が陣地の
真ん中へ到着すると
騎馬隊の頭上から槍が降ってきた。
すぐに罠だと気づいた時には、既に周囲から
安東家槍隊が迫ってきており
騎馬隊は混乱し総崩れになり、後方の槍隊も撤退を
余儀なくされた。
しかし、左右からの安東軍騎馬隊の挟撃で、
種里城に帰り着いたときは、半数の兵が戦力外になり、
辛うじて無傷の兵数は2000になっており、大敗したのであった。
まあ、槍隊のほとんどが農民であったため、嫌々駆り出された人達の為
忠義よりも命が1番なのである。
翌朝、大浦家から降伏の使者がやって来た。
大浦家重臣 奈良貞親が
頭をゴザに着いて平伏していると、
安東 尋季が表を上げよと言った。
奈良貞信
「この度は、当家は完敗でございます。
無条件降伏いたしますので、なにとぞ温情ある御沙汰を
お願い申し上げます。」
安東尋季
「では、まずは武装解除して開城せよ。
すぐに我が軍が入城するから、光信殿は待機しておれ。」
大浦家重臣 奈良貞親
「はい、早速帰ってその旨を、伝えます。」
と言うと、奈良貞親は すぐに 種里城に帰って行った。
しばらくすると、開門と武装解除の知らせがあり、
安東軍は種里城に入城したのであった。
安東軍と共に入城した乾少佐は、すぐに蝦夷国から救急治療チームを100人
ハイペリオン経由で転送させて、大浦軍の負傷兵の治療に当たるのであった。
それを見ていた安東尋季は不思議そうな顔しながら
乾少佐に訊ねた。
「なぜ敵兵を助けるのですか?
放っておけば兵力の削減になるのに、よくわかりませんな?」
乾少佐
「敵兵と言っても元々、農民です、戦いが終われば皆の村に戻るのです。
ここで温情を施せば、いずれ我々の民になってくれますよ。
なにしろ、蝦夷国は人材が足りないので、敵の農民はすべて、
移住させたいぐらいです。」
安東尋季
「なるほど、そこまで深い考えあっての事ですね。
感服しました。」
その言葉通り後日、
治療を受けた槍兵達は拝む様に救急治療チームに感謝をしながら
それぞれの村に帰ると村ごと、移住の為土崎港に押し寄せるのであった。
数日後 種里城 大広間
上座には 安東尋季
その横には 乾少佐が並んで座っている。
下座に大浦光信がひれ伏している
安東尋季
「表をあげよ」
大浦光信
「お初にお目にかかます種里城城主 大浦光信でござる。
この度の戦、完敗でした。
また、今までの卑怯な振る舞い誠に申し訳ありません。
無条件降伏いたしますので、何卒穏便な御沙汰をお願いいたします。」
安東尋季
「私には、権限が無いので、すぐに檜山へ向かうのじゃ。
今回の卑怯な行いに殿も怒っているから、
誠心誠意謝って来るんだな。」
翌日、大浦光信は数人の供を連れて檜山城へ向かうのであった。
一方 檜山城 南部家との戦い
檜山城を南部家の軍勢5000が囲むように配置されていた。
それを天守から見ていた安東忠季(あんどうただすえが言った。
「なかなか、壮観な眺めじゃな。
ただ、兵糧が少ないと見えて、士気があまり高く無い様に見えるのは
儂だけかな」と笑った。
勝少佐
「確かにそう見えますね。情報局からの報告でも兵糧は3日ほどしか無いとの事です。
なので明日にでも攻めてきそうですが、こちらの戦車部隊は
すで配置完了していますのでご安心下さい。」
翌日
檜山城包囲軍 南部家陣地 総大将 南部信時
「先鋒は槍隊、続いて弓隊、後方は騎馬隊で攻撃開始する。
では、皆の者、かかれ!」
槍部隊3000は檜山城の城門に向かって突進し始めた。
槍部隊が城門の2000mまで近づいた付近で、
10式戦車砲の44口径120mm滑腔砲が先頭の槍部隊の鼻先に着弾した。
勝中佐は戦車砲オペレーター達(戦闘用アンドロイド)には予め、
農民兵を極力殺さずに威嚇攻撃だけにする様に通達していた。
大きな轟音と爆風が槍部隊に襲いかかると
恐怖のあまり槍兵は進軍を止めて腰を抜かして戦意喪失状態になっていた。
毎分15発射の滑腔砲が弾幕の後には、大きな穴が沢山できており
それを見た南部軍は、一斉に退却して行った。
檜山城から10K後方まで撤退した南部家の本陣
総大将 南部信時
「なんだあの大砲は! あんなものと戦えないぞ
撤退じゃ、撤退じゃ」
その日のうちに南部軍は八戸根城に退却していった。
翌日 檜山
重臣
「殿、大浦光信が謁見を申し出おります」
安東忠季
「うむ、わかった。大広間で控えさせよ」
大広間
下座に大浦光信がひれ伏しているところに
安東忠季が入ってきて上座に座った
「表をあげよ」と言うと
大浦光信
「この度の戦いは完敗でござる。また、卑怯な振る舞い大変
申し訳ございません。
無条件降伏を致しますので
せめて私の命と引き換えに、一族と家臣の命をお助け下さい。」
安東忠季
「命は取らんよ
だが、卑怯な振る舞いには、相応な賠償を貰うぞ。
沙汰を言い渡す!
まず、大浦光信は隠居し奥方と蝦夷国へ追放とし
支度が整い次第即日実行する事。
当主を長男の大浦盛信に交代する事。
賠償金として蝦夷銭1億枚(10万石相当)を支払う事。
上北銅山の管理と採掘権を蝦夷国に譲渡する事
領民の出稼ぎの自由の保証。
以上である。
補足すると
賠償金については安東忠季から勝中佐に賠償額の問い合わせがあり
勝少佐が、幸太郎の同意を貰った金額であった。
ちなみに当時の日本は貨幣は明銭の1文が約100円相当であり
蝦夷銭1文=100円=明銭1文 また、1石は米150kg相当で約10万円
大浦家の石高20万石の石高の半分を賠償金とした。
これらの計算は、ハイペリオンのメインコンピュータのクララの計算であった。
なお、賠償金の支払いは来月までとする。
不足分は橘屋が蝦夷銭を貸してくれる様に頼んでおくゆえ
安心するが良い。
大浦光信
「は、格別なご配慮有難うございます。この御恩は一生忘れません。」
と涙を流して平伏した。
後日
大浦光信と奥方とお供の者2人は蝦夷国へ送還され光信は
学校の先生として子供たちに読み書きを教える事になった。




