12話 貨幣流通
ハイペリアン乗組員
坂本リョウマ 日系アジア人 28歳 男性 中佐 戦略参謀
西郷たかお 日系アジア人 28歳 男性 中佐 内政参謀 内政担当
大久保トシオ 日系アジア人 28歳 男性 中佐 外務参謀 外交担当
勝りん太郎 日系アジア人 25歳 男性 少佐 海軍参謀
乾タイスケ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 陸軍参謀
福沢ゆー吉 日系アジア人 25歳 男性 少佐 財務参謀 財政全般
ヘレン ダルク フランス人 25歳 女性 少佐 医療参謀 医療技術
服部ハンゾウ 日系アジア人 25歳 男性 少佐 警察参謀 情報捜査
杉原 ねね 日系アジア人 20歳 女性 少佐 教育参謀 教育全般
ハワイ行政官 ウール アインズ 内政用アンドロイド 初老白人男性
小樽行政官 徳川秀忠 内政用アンドロイド 日系アジア30代
函館行政官 カムイ アイヌ人 元函館村村長
朝廷 第103代後土御門天皇
勝人親王 第104代天皇の後柏原天皇
足利幕府 第10代征夷大将軍 足利義稙
1494年3月
経営会議
ハイペリアン司令室
幸太郎
「小樽開発から約一年過ぎたので、いよいよ貨幣経済の推進による
日本、琉球、経済圏を確立したいね。」
福沢ゆー吉少佐
「ご報告します。現在国内と琉球王国では、蝦夷銭と明銭の交換比率を1対0.9に
したので、明銭の回収が進み蝦夷銭の流通量は、
ほぼ100%になっております。
奥州の十三湊は戦乱が続き衰退の一途です。
代わりに出羽国の土崎港にガレオン船が寄港する事により
奥州の中心の港町に成りつつあります。
現在、商人たちの仲介を徳山館の蠣崎に任せており
徐々に蝦夷銭の流通量が多くなっております。
尚、出羽国の檜山城主 安東 忠季と
通商条約を結んだ事で、土崎港の寄港と交易の免税特権の取得により蝦夷銭の経済圏が出羽国全体に広がりました。
また、冬季の農民の出稼ぎの自由化より土崎港から出稼ぎ農民が、
蝦夷国に流入し土木工事で稼いだ銭の消費量も増えております。
次に、阿仁鉱山の独占開発権と採掘権の取得した事により、金、銀、銅の産出
が増える予定です。」
幸太郎
「やはり、正月に忠季を勝人親王に会わせた効果は絶大だな」
福沢ゆー吉少佐
「はい、謁見の後は、完全に朝廷派になりましたので、大政奉還後出羽国を朝廷直轄地に
する事を了解済みです。」
幸太郎
「いいね!このまま日本を蝦夷国経済圏に取り込むぞ。
大名たちには橘商会から資金を貸し与えて借金させて戦争も
できないようにさせよう。借金まみれにし新政府の傘下に
入れて直轄地を増しながら、新政府の基礎を固めよう。」
坂本中佐
「総司令、佐渡ヶ島についてですが、新政府の直轄地にするため占領し
臣従した豪族の本間家に統治を任せております。
本間家については、本家は所領返還し佐渡代官として石高と同等な銭を
支給する事になりました。
尚、分家は蝦夷国への移住を希望したので、既に輸送して衣食住の
手配と仕事の斡旋を完了しております。
また、佐渡金山は橘商会が管理運営し、小樽へ金、銅の輸送致します。
採掘は来年本格稼働の予定です。
採掘権は蝦夷国が保有し、採掘量の30%を新政府の取り分にする条約の締結を
大久保中佐が進めております。」
大久保中佐
「はい、すでに帝の内諾は頂いております。
尚、越後の長尾 能景には帝からの勅旨を
送っていますが、あそこは内紛が起こっているので、
佐渡の事は問題無いと思います。もちろん、見返りとして
明や琉球からの品物を持ってガレオン船で柏崎港に寄港する旨を
伝えております。
以上で報告は終了です。」
会議は終了した。
越後長尾家6代当主長尾 能景
能景は常々、富国強兵に苦心していた。
今のままでは関東管領の上杉に
手駒の様にこき使われて使い捨てだ!
なんとか、早く越後を統一して自立したいものじゃ!
と思っていたところ。
佐渡ヶ島の話が朝廷から舞い込んできた。
まさに、渡りに船であった。
その後、長尾家は佐渡ヶ島の朝廷直轄地を認めると引き換えに、
柏崎港に橘屋のガレオン船を寄港してもらい、直接、琉球や明の品物を
購入する事になる。
そのため、今までは、堺の商人を通して購入していた品物が、橘商会から
安く手に入る様になった。
また、主要な特産物の越後上布を高く買ってもらえるので、
農民たちも豊かになって越後国内から人が集まり、
長尾家は富国強兵をはかり、越後統一を一年後には
果たしたのだった。
檜山城 安東 忠季5代当主
「 尋季、最近の城下の賑は目を見張る物があるのう。
蝦夷国との条約は正解だったな」
安東 尋季 6代当主
「はい、父上。商人も上方から多く入って来て商いも活気があります。
特に蝦夷国に出稼ぎに行った農民たちの稼ぐ蝦夷銭の流通が増えており、
最近は明銭はほとんど見なくなりました。
ただ、出羽国では既に、蝦夷銭無しには領地の運営も
儘なりません」と苦笑した。
ただ、隣国の大浦家が、国堺の領内の田畑を荒らす事が多くなっており、
農民達から苦情が多く寄せらております。
多分、裏では、南部家が糸を引いていると思われます。
大浦家も近年の不作により、農民の流出、年貢も上がっており、
南部家からの援助なしでは、やって行けぬらしいです。」
陸奥国
種里城城主 大浦光信の現状
陸奥国の大浦家では、不作続きで、年貢米を払えない農民たちは、
村ごと、蝦夷国へ移住していた。
減った年貢を取り戻そうと租税を上げて、また難民が増える
悪循環に陥っていたのである。
平素から飢饉備えて備蓄していない事のツケが回ってきたのである。
大浦家家臣 九戸鉢助
「今年も年貢米が減っており、昨年の
半分くらいになりそうです。
この際、主家の南部家に兵糧を援助して貰えませんか?」
光信
「とっくに、使者を送っておるが返事は、
無い袖は振らないと言って来たぞ。
そして、豊かな安東家から兵糧を奪えたとさ!
安東が攻めてきたら東から南部が攻め入るから安心しろだとさ。
勝手なもんだよ。
背に腹はかえられぬので、農民に化けさせた兵500を
土崎港に近い安東領内の農村に派遣して食糧を奪ってくるのだ。
もし安東家の兵が現れたら戦わず食糧を確保して帰還せよ。
安東家には、一揆がそちらに向かったとでも言っておけば良い。
それでも、安東家が攻めてきたら、南部家に東から
兵を出してもらい挟撃すれば良い」
九戸鉢助
「 早速手配いたします 」
4月になると、安東家領内の大浦家国境付近の村が盗賊に
襲われる事件が頻発した。
安東家は軍を編成し盗賊討伐に向かわせるも逃げ足が早く、
一向に捕まえられずにいた。
そんなとき、数回目の討伐隊が、大浦家の砦に逃げ込んだ盗賊を発見した。
早速、大浦家に抗議の使者を送ったが無関係だと突っぱねてきた。
しかも、一揆の農民なので大浦家の責任では無いと言ってきたのである。
檜山城 安東 忠季
「盗人猛々しいとは良く言ったものだな。
さて、この始末どうするか?」
安東 尋季
「父上、ここは一戦したいところですが、南部家が動くと
挟撃される可能性があり、安東家は存亡の危機になります。」
忠季
「そうだな。
それが南部家の作戦だな。」
尋季
「ちょうど、土崎港に蝦夷国の勝海軍参謀がガレオン船で
寄港しておりますので
お知恵をお借りしたらどうでしょうか?」
早速、勝中佐に連絡を取って相談をすることになった。
勝少佐
「それは困ったことですね。我が国としても鉱山の権益を守るためにも
防衛部隊を派遣致しましょう。」
忠季
「お、それは助かります。
して、作戦は?」と目を輝かせた。
勝中佐
「はい、まず卑怯な大浦家には責任を取ってもらうため、
安東家の全軍で大浦を叩いて頂きたい。
相手は兵糧不足のため籠城はせずに打ってきます。
そこで大砲で威嚇攻撃して戦意を削ぎます。
そうすれば、大浦は種里城まで撤退するでしょう。
その後、こちらからは手を出さずに城を囲んでいれば、
いずれ兵糧が尽きた大浦は降伏して来るでしょう。
そして、和睦交渉し賠償金を取りましょう。
もちろん大浦には、橘商会が賠償金を貸しますので
今後は当方のいいなりになるでしょう。」と悪代官のような顔で笑った。
「南部家の備えには、蝦夷国の戦車部隊を派遣して牽制します。
攻めてくれば砲弾の餌食になりますので、我が国の力を見せる
良い機会になります。」
忠季
「ほう、それは心強い事です。
では、こちらも早速軍議を開いて戦の準備に取り掛かりますぞ。」
こうして奥州の戦乱がはじまるのだった。




