表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/119

42


 『リビングアームズ』というこの魔物。

 こいつは、『リビングソード』や『リビングスピア』と言う感じの、武器系魔法生物の全てが合体したような、そういう上位種に当たる魔物で、全部乗せっていうロマンの塊みたいなやつだ。


 そしてローリエが天敵とする『(ごん)属性』の敵でもある。


 しかし、武器だから(ごん)属性という訳ではない。

 素材が金属(きんぞく)の武器は全部『(ごん)属性』を帯びているのかと言えば違う。

 キャラクターが普段使っている金属武器は『無属性』であり。

 金属(きんぞく)と『(ごん)属性』は別々のものだ。

 つまり、『(ごん)』という現象性――『(ごん)』の魔力を帯びているかどうか、という話だ。


 そして、この魔物は、わかりやすいくらい、がっちり、帯びている。


 ローリエが当たればただでは済まない。


 だからという訳ではないが――。

 

 「ほいぃ!」


 ローリエはぶん回される大斧を、ワザとらしく大袈裟に躱し、大きく距離を取る。

 伸身ムーンサルトとという、アクロバティックな方法で。

 

 それは時間稼ぎだ――。

 

 『リビングアームズ』は、総SP適正的には、当然SP99Kのローリエより格下なのだが。

 油断していると、あっというまにHPを削り取られることになる。


 というのも。


 いかんせん、『木』と『風』マスタリを最大の10まで取っているローリエは、『(ごん)』と『雷』から受ける被害が200%になる上に、弱点になる属性の防御(シールド)系パッシブやアクティブは問答無用で貫通される。

 例えば、木属性の魔法と、金属性の魔法が衝突すれば、木属性の魔法は当たった瞬間にかき消される。



 だから、ローリエが頼りに出来る物は『土属性』と『重属性』。

 ただし、バフだけは、かき消されないため。



 大袈裟に距離を取って、作った時間で、順に強化を施していく。


  「『身軽さ上昇アジリティ・オブ・ウィンド』、『生命力上昇(タフ・オブ・ソイル)』、『自己治癒力上昇リジェネレーション・オブ・ウッド』、『物理防御力上昇エンデュアランス・オブ・グラヴィティ』――」


 さらに。

 『リビングアームズ』を中心にした円をなぞる様に、ダッシュで間合いを図りながら。


「『花弁の舞踊(フラワリーステップ)』、『自動紅玉盾(オート・ルビンガード)』、『|ノックバック耐性付与/壁張付可ルーツスタビリティ』、『無音移動(サイレントウォーク)』――」


 

 スピアを突き出して突進してくるのを、【超高度跳躍(ハイジャンプアシスト)】で、高空へ逃げつつ。


 「『空中機動追加(スカイドライヴ)』、『空中自立、歩行可ノンディレクショナルスタンド』、『|転倒耐性付与/回避力減少防御バランス』、『重力領域展開(ゾーングラヴィティ)』」 

 


 順番に強化を施し終え。

 上空から、落下する。そのままに。



「『空圧弾インビジブル・ブリット』!!」


 風属性の初級魔法を、『リビングアームズ』の頭上から雨あられと連射で浴びせかける。

 『(ごん)属性』の魔物が、風にまで耐性を得ているかというと、そんなことも無いのが普通で。

 量産型の『リビングアームズ』ならば、ローリエが知る限り、風は効く。


 しかし、ここはインスタントダンジョンだ。量産型ではない、カスタム種の可能性もあって。



 地面に降り立つローリエは、悔しそうにつぶやく。



「やっぱり、特別製でしたか……」


 危惧通り、風も無効化された。


 ならば仕方がない。


 連射する物の属性を変更するだけだ。


 「『石片の散弾(ストーン・ベネリ)』!!」  


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ