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 憂鬱。

 溜息が出る。



 ゆっくりと、気だるげに。



 ローリエは……。

 

 いや。

 

 (すめらぎ)愛海(なるみ)は、その辺の倒木に腰を下ろし。



 思う。


 『結局、どこで何をしても、私は同じなんだな』、と。

 何一つ変わらないんだ、と。

 

 愛海が、このゲームを始めたのには理由がある。



 

 

 愛海は、コミニケーションが得意ではない。

 むしろ、コミニケーションなんてしない。

 必要な生活を送ってきていない。


 学校ではいつも一人だし、誰からも声をかけられない。


 

 中学校の三年間、一緒のクラスだった人に、「誰だっけ?」と言われるほど、影が薄い。

 珍しい苗字のヒトでしょ。という程度にしか人の中に残らない。

 

 そんな学校生活が楽しい筈もなく。

 家族にも、あまりに生き方が不器用すぎて心配をかけていたから。

 

 だから、VRMMOを始めたい。

 そう言った愛海に。

 そこそこ値の張る機械を、母が快く買ってくれた。



 



 愛海は期待していた。


 ゲームの中でなら、友達がたくさん出来るかもしれないと。




 ―――。



 しかし、現実も仮想も、何も変わりはしない。

 だって仮想空間はもう一つの現実だ。


 生き方が変わったりするわけじゃない。

 性格が変わったりするわけじゃない。



  



 結局、愛海――ローリエは、ずっと一人で遊んでいた。

 誰かと遊んでみたい。

 そんな気持ちはずっとあるのに。



 どうやればいいのか、解らないまま。

 はや、3年。

 とうとう、ローリエはゲームの限界一歩手前くらいまで、強くなった。

 他のゲームで言うなら、最大がLv100だとするなら、Lv99くらいにはなったということだ。

 

 たった一人のまま。



 これなら、ネットで繋がるゲームである必要が無い。


 何をしているのだろう、母に、高価なゲームを買ってもらって。


 もう、高校生になって、1か月になるというのに。

 何の進歩もない自分。


 嫌になる。


 そんな自己嫌悪を引きずって。


 ローリエは、街へ向かう。

 魔物から削り取った金目の物を売りに行くために。

 

 ああ、そうだ。


「ついでに、倉庫に溜まってる万能霊草(パナケア)もエリクシルにしなきゃ」

 

 美形に作られたエルフの少女。

 その顔に浮かぶ表情は、今日も暗い。


 


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