台湾有事のあるシナリオ
2026年11月台風シーズンも終盤になり台湾海峡の波も穏やかになっていた。
しかし台湾、アメリカ、日本をはじめ自由主義陣営は緊張感に包まれていた。
そう、台湾の大陸側対岸中国福建省にPLA(中国人民解放軍)の陸海空主戦力が集結していたからだ。
11月のある日とうとう戦端が開かれた。
大量の漁船をはじめありとあらゆる小型船舶に乗った武装民が、台湾を目指し海を渡り出したのだ。
警告も関係無く押し寄せる武装民達。
その後の展開を考えると対艦ミサイルの数には限りがある為小型船舶には使用出来ない。
台湾軍及び警察は波打ち際での上陸阻止行動しか取れなかった。
その頃主力アメリカ軍及び自由主義陣営軍も台湾近海に展開していた。
しかしPLAの対艦ミサイルを警戒して台湾海峡には近づけない。
海上自衛隊もアメリカ軍の警護及び補給体制に当たっていた。
そんなアメリカ軍及び自衛隊に緊急電が入る。
釜山周辺に集結していた韓国軍が対馬侵攻を始めたのだ。
中国と韓国との密約であった。
韓国と日本は同じアメリカの同盟国であり、アメリカは両国の紛争に手を出す事が出来ない。
対馬での日韓武力衝突は日本単独での対処になり、台湾有事におけるアメリカ軍のサポートが全く出来ない状態に陥ってしまった。
そしてその状態を待っていたとばかりに中国主力艦隊は台湾への本格的な上陸、占領作戦に移行していった。
自衛隊を削がれた自由主義陣営軍及び台湾軍はなんとかアメリカ軍の援軍が来るまでと抵抗を続けるが、中国主力艦隊は対艦ミサイルで牽制出来ても小型船舶は阻止出来ず上陸を許してしまう。
次から次に上陸するPLA上陸部隊。
とうとう台湾はPLAに占領されてしまった。
時を同じくし北朝鮮軍が38度線を超えて韓国領内へ侵入する。
中国は韓国を騙して北朝鮮との密約も行っていた。
主力を対馬侵攻作戦に割いている韓国軍は韓国北部を北朝鮮軍に蹂躙されてしまう。
しかし北朝鮮軍は占領政策はとらずあらゆる資源の掠奪に徹する。
機械や車両、食料から衣服、履いている下着でさえ剥ぎ取り持ち去っていった。
韓国軍が対馬から戻った時には北朝鮮軍は領内に撤収を完了させていた。
中国はアメリカに提案をした。
中国側は台湾占領と韓国占領失敗、アメリカは台湾は失ったが韓国は防衛した。
アメリカも中国も一勝一敗だと。ここでの手打ちを提案してきた。
しかしアメリカはその提案には乗らなかった。
ここより長い冷戦が始まるのだ。
海上封鎖とドル封鎖という長い長い冬が、、