次元を渡る神の龍
「この悪魔め!!!絶対に殺してやる!!殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!!!」
「やめてアレク!!!!怒らせちゃダメ!!」
「はあ!!?何言ってるカレン……!どうせ俺たちここで終わるんだろ?ならもう言いたいこと全部言えよ!!!!お前の本音全部、言えよ!!」
「ダメェ!!!それ以上言ったらぁぁぁ!!!」
「撃て」
ダンッ
「ア、アレク……?ア、ア、ア…レク…………うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!あ…!あぁぁ…!!ああ!!!ぁぁぁぁぁ……アレク……………………。…おい、イスタリアのクソ共…!お前たちなんて死ねばいい!!いっぱい苦しんで、苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんで死ね!!!私が死んでも、霊になってお前たちを、ギッタンギッタンして、バラバラにして、殺してやる!!!!」
「この少女も撃て」
.
.
自分の死ではないのに身体中に脱力感が湧いてくる。そしてこの悲しみに耐えられず嘔吐してしまう。
頭が痛い。そして変な景色が脳裏に広がる。最近までこんなことなかったのにまた急に起きた。
けれどそれだけじゃない。身体の痛み、心の痛み…
どうしてこうなった?オレたちは何もしてないのに…
どうして?
どうして…?
どうして…
どうして……
「ぁぁぁぁ…どうしてだよぉぉぉぉ……!!」
「シューラ…」
悔しくて涙が溢れた。
「神様…来てくれよ…!!どうして、お父さんだけに力を与えるんだ!!つらいよ…、オレはこんなにもぉぉ……願っているのに…どうして来てくれないんだよぉぉぉ……!!!!」
ただ嘆くことしかできなかった。希望という言葉なんて全部嘘だ。どんなに願っても、取り組んでも、同じ結果。
ちくしょう……こんなはずじゃ……
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「はっ!?」
何だここ…!?
次に目を開くと、辺りは真っ白な光景だった。
{聞こえるか、トリシューラよ}
!?
どこからか声が聞こえる。その人が見えないのに。
{我が名はテオ・ゼウス、この世界を傍観する神だ}
「神様…?」
{ここは我の術式の中。御主をここへ連れてきたのは力を与えるため}
何なんだこの人…
「し、信じられないな…」
{まあ急な話であるからそう思うのも無理ないだろう。しかし信じてほしいとしか言えぬ。もうこのやり取りにも飽き飽きであるしな}
「飽き飽き?」
{そうだ。御主は何も覚えていないであろうが、実は前にも御主とこうやって話し合ったことがある}
そ、そうなのか?
うーん…?わからない…
考えてもやっぱり神様と話した記憶がない。
{涙、拭わなくて大丈夫か?}
「えっ、あっ、はい、ちょっと待ってください」
手で涙を拭き取った。優しい神なんだなぁ。
{ここは虚無空間。何も起きず、また時も進まない。ここでの会話も、一瞬にして集約される。だから今は御主に危機は訪れない。ゆっくりと心を落ち着かせよ}
「あ、ありがとうございます」
神様はどうしてオレを選んだ?オレに何か価値があったのか?
聞きたいけど言わない方がいいのだろうか。
落ち着いてきたところでまた神様は言葉を発した。
{人間というのは恐ろしい生き物だ。貧困ながらも、平和で楽しい生活を送っている御主らのような国がある。その存在を知っていながらも、少しでも少しでも自分の幸を追い求めるために他者に害を与え、意味のない血の出し合いをする。そんな者、御主は許せないだろう?}
「それは良くわかる。でもお父さんも戦ったから、そうとは言い切りたくないよ…」
{そんなことはない。御主の父は国を守るため、そして悲しみを終わらせるため、戦争を終わらせるための戦争をした。これは大いに意味のある戦いである。そうじゃろ?}
そうそう!それなんだ!
「うん、すごく納得する…!」
{そもそも根本が狂っている。謙虚で穏健な御主らがなぜ支配されなければならぬ?なぜ不自由にされてしまう?歴史が原因だと?そんな冗談、神王である我ですら笑えないことぞ}
「そう、オレだってお父さんみたいになりたい! …けどオレには何も変えることができない。もうオレたちは殻に閉じ籠ることしかできない…」
{しかし死にたくないのじゃろ?}
「死にたくない…!」
{ならもう良いじゃないか。仲間に合わせる力も、人付き合いのための性格も、もう全て捨ててやればよい。すでに殻に閉じ籠っている御主よ、自分自身になれ。そして壊してやれ、こんな世界}
「オレの、今までの全てを捨てる…?」
{そうじゃ、もう目覚めよ。条件は全て揃っている}
「条件?」
{御主に力を与えるための条件だ。頭痛は、龍が宿る力を伝承しやすくするための前段階。後は我が対象者をよく知り、対象者が我に龍が芽吹くよう強く願う。それも、絶望を感じた時に。御主は奇跡的にその条件を満たした}
「やっぱり、お父さんに力を与えたのは神様だったのですか…!」
{さあ、拘束する輪を解け!そして、内なる力をも解放しろ!}
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「や、や、や……やめて、ください……
う、撃たないで…ぇ…ぇ……た、助けて!!」
「駄目だ、死んでもらう」
「ファイアブラスト」
カレンに向かって銃を構えるそいつに火炎魔法を放った。
「あぁぁぁ!!」
「な、なんだコイツ…!?縛っておいたはずだぞ!?」
「女は後だ!先にこの少年を撃て!!」
「セイクリッドシールド」
ダンッ! ダンッ! ダンッ!
「そんな銃でこのシールドを貫通するわけないだろ」
「総員、コイツに集中射撃だ!早くしろ!」
「諦めろ。今、神の加護を受けているオレにそんなの効くわけない。少し静まれ」
ダンッ ダンッ ダンッ
ダンッ ダンッ ダンッ
…ちっ
「静まれ!!!」
オレの叫びにイスタリア兵士は一斉に身体が固まる。
「な、なんだこれ!?」
「動かない…!!」
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{絶えない争い、意味のない名声。こんな下らぬことして一体何になるのだ?そう、何にもならない。もうここは御主が決めるべき世界だ}
「オレが決める世界…?」
{そうじゃ。御主が世界の支配者となればよい。そして変えるのじゃ。この醜い世界を、御主が望む理想の世界に!}
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「イスタリアのお前たちに聞きたい。オレたちは生まれてきてから1度もお前たちに危害を与えていない。なのにどうしてオレたちを殺そうとする?オレたちに罪はあるのか?それともオレたちを殺せばお前たちは何か幸せになるのか?」
オレの質問にバルチカのみんなは心配顔をする。こんな危機に前に出てはいけないと暗示しているのだろう。しかしそれだけじゃないと思う。オレがこんなこと言うヤツだと思っていなかったからだろう。
「…そ、そんなの知らねぇよ。全て上の命令だ。俺はそれに従っているだけだ。だがなぁ、お前たち祖先は俺たち祖先を苦しみ続けたんだ!だからこれは罰だ!お前たちに罪はない。だが悪魔の子だ!その違いを理解しておけぇ!」
「なるほど。バルチカの過去の歴史の過ちから、お前たちはこうやって支配しているわけか。ならばオレたちにも抵抗する権利があるわけだよな?」
「何だと?」
「簡単な話じゃないか。昔のバルチカはお前たちを支配する悪魔だったのだろ?ならば今やっていることも同じではないか。前はオレたちが悪魔、今はお前たちが悪魔、そうだろ?」
「ならやめてほしいってことか?」
「ああ、やめてほしい。しかしお前たちは自分の思想を変えようとしない、頑固で無能な馬鹿ばかり。オレがどんなことを言ったって何も変わらない」
人は何か固い決意がない限り、大きなものに対して自らを変えようとしない。そんなの、10歳のオレですらわかっている。
「だからオレはもう決めたんだ。お前たち祖先が抵抗したようにオレも抵抗し続ける。そして同じように支配して、何もかも仕返しする」
「へ、へへ…! ならばやってみろよ!」
何だろう、コイツらの愚かさにどうしてか笑いが込み上げてくる。
「くくくっ…… あぁ~~やってみるさ(笑) まずはイスタリアを支配して、いずれ世界を。泣いても泣き止んでも終わらない、無限地獄を未来永劫ずっと……ずっと!ずっと!」
=本当の悪魔を教えてやる=
「永遠に!!!」
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そうだ…ここはオレのための世界。何事にも囚われない自由な世界!オレだけの世界!!
世界を破壊し、新たに創造する。それができるのはこの世でたった一人、オレだけだ!
ならば進撃し続ける…!この原則をねじ曲げないために。当たり前にするために。
{進め。トリシューラ・ヴィルバルアヌスよ。そして誓え!}
「オレは生きる!!!!」
進んでやる_______
{魂を燃やせ!!}
生きる……!
{大地を穿て!!}
生きる……!!
{亡き我が息子の片身を受け取れ!!}
生きる……!!!
{君臨せよ!赤神龍アレス!!}
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「君臨せよ!赤神龍アレス!!」
ジュガガガズガガガジズガガジュガガガズガガ
ここら辺りで執筆活動一旦辞めます。
受験終わったら戻るので、その時に改めて見ていただければ嬉しいです!
マジで1回ランキング載ってみたいです笑笑