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人の夢は儚く散る
現在地、イスタリア大帝国の王都にあるイスタリア処刑所。
オレたちは両腕両足を縛られ、固定され、身動きがとれない。
周りには、ギャラリーとしてたくさんのイスタリア人が座って見ている。
コイツらはどうして来た?人の死を見て何が楽しい?
1800年9月初め、イスタリア軍による突如の襲撃に、オレたちは抵抗すらできなかった。
お父さんは龍化した後、帰ってこなかった。
「約束、破るなんて…許せない…」
これはその時のお母さんの言葉だ。お母さんは何度か自殺を試みようとしていたが、その度にオレは止めてお母さんを説得した。
「これ以上、悲しみを与えないでくれ」と。
平和だった日常が、たった1日で崩れる。
陸を越え、海を越え、空をも越える、そんな経験を1度はしてみたかった。
=死にたくない=